見出し画像

夫くんと心療内科へ行った

『夫くんの様子がおかしい』の続き。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


夫くんの様子がおかしかったので、先日一緒に心療内科へ行った。


平日の朝だからか、院内は閑散としていた。

病院嫌いで内科にも行かない彼は、初めての心療内科で少しキョロキョロ。不安そうな眼差しから、少し緊張しているのが伝わってくる。

その気持ち、わかるよ。と思いながら、
緊張を和らげようと、待合室のテレビに映る朝の情報番組につっこみを入れたり冗談を言ったりして過ごした。

他に人はいないといえど、一応笑いをこらえながらヒソヒソ会話するのがたのしい。


少し経つと、先生に呼ばれて夫くんは病室に入っていった。

待っている間、私まで少し緊張しているのを自覚する。彼の緊張が移ったのだろうか。暇つぶしに持ってきた本をめくるも、ろくに頭に入らなかった。

少し経つと、彼が診察を終えて隣に帰ってきた。


「どうだった?」と聞くと、
「適応障害だって」と彼が言う。
「そっか…」

適応障害だったか。
夫くん、無理をしていたんだね…。


午後から仕事に戻る彼を、ランチに誘った。
熱々のハンバーグを食べながら、今後のことをぽつりぽつりと話し合う。

彼の希望は、
・休職や退職の前に、まずは仕事量を減らして様子を見る
・カウンセリングはまだ受けない

…本当にそれで大丈夫?と話したけれど、彼の意見は変わらなかった。
今すぐにでも仕事をお休みしたらいいと思うんだけどな。
心配ともどかしい気持ちが、ない交ぜになる。


ランチを食べ終えて、仕事へと戻る夫くんを見送る。

小さくなる彼の後ろ姿を見ながら、
一緒に暮らしていたのに気が付けなかった、と思った。


今から走って彼を引き留めに行き、
今日は仕事を休んで一緒に家に帰ろう
と言ったら、彼は驚くだろうか。

それとも、断って会社へ歩き出してしまうだろうか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?