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【読書】仮名手本忠臣蔵(ストーリーで楽しむ日本の古典)

 2023年2月13日(月)、岩崎書店の「ストーリーで楽しむ日本の古典」シリーズ『仮名手本忠臣蔵』を読み終わりました。著者は石崎洋司さんです。
 『仮名手本忠臣蔵』は全十一段。文楽や歌舞伎で上演されています。私は五段と六段を観たことがあるだけで、全段観たことはまだありません。読書が先になりました。本シリーズを手にしたときに楽しみにしていた一冊で、ようやく図書館から借りることが出来ました。
 メモとコメントを残したいと思います。

■概要

 以前、同シリーズの『東海道四谷怪談』を読んだときにまとめた部分もあり、コピペも含め、記載します。

(1)忠臣蔵について

 元禄14(1701)年3月14日、赤穂の殿様、浅野内匠頭が殿中で刀を抜いて吉良上野介に切りかかって、切腹を命じられ、お家は取りつぶしになります。元禄15年12月14日、赤穂藩の義士47名が吉良の屋敷に討ち入って、主君の仇を討った、という事件です。

(2)『仮名手本忠臣蔵』について

 忠臣蔵の事件をもとにした人形浄瑠璃や歌舞伎の作品の決定版です。竹田出雲・三好松洛・並木千柳の合作。江戸時代の事件であるが、設定を室町時代の初期に置き換えるとともに、浅野内匠頭は塩冶判官、吉良上野介は高師直という名前になっています。
 なお、「仮名手本」とは、いろは四十七文字と、四十七士をかけているそうです。

(3)ストーリーについて

 仇討ちという大筋に、様々な物語が組み込まれていました。一部だけメモしておきます。
・顔世御前と高師直、兼好法師の話
・桃井若狭助安近と、その家臣である加古川本蔵一家の話
・早野勘平と妻のお軽、そしてお軽の兄である寺岡平右衛門の話
・堺の商人、天河屋義平一家の話
などなど。

■感想

(1)忠義をつくす

 江戸時代に作られた話であるせいか、(能と比べても)歌舞伎や文楽では、「忠義」が前面に出ているように感じることが多いです。主君への忠義のために、自分の家族をも犠牲にします。
 こうした「忠」や「義」という言葉、「(親への)孝」という言葉は、定義をおさえ、江戸時代にどのような思想があったのか、どのような教育がなされていたのか、など、いつか本で調べてみたいと思います。
 また、明治維新や戦後の転換点を踏まえ、どのように変遷していったのか、現代の我々の感覚とはどのように異なるのかも、調べてみたいと思いました。

(2)本と舞台(映像化)について

 最近、原作が「小説」の「映画」を観ることがあって、これは原作を読んだ方がいいな(原作を読んでみたいな)と思う作品がありました。
 他方で、色使いがきれいな部分や、様式美のある部分など、これは映像で観て良かったな、と思う部分もありました。
 今回、石崎さんの本作を読んで、ここは舞台で観てみたいなという部分がありましたので、一箇所引用します。

腰から大小二本の刀をぬき、派手な羽織を脱ぎすてますと、なんと、下からあらわれたのは、まっ白な裃。まさに、死に装束です。

石崎洋司『仮名手本忠臣蔵』P62より

 塩冶判官が、切腹する前の場面ですが、色の対比がきれいだろうな、と思いました。

(3)最後に

 「忠臣蔵」については、歴史的事実や他の作品を、もう少し調べてみたいと思いました。また、現在、通しで上演されることはあまり多くなさそうですが、いつか歌舞伎や文楽でも観てみたいものです。

追記するかもしれませんが、取り敢えず以上です。

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