見出し画像

今昔物語集(ストーリーで楽しむ日本の古典)読了

2023年1月8日(日)、午前中、岩崎書店の「ストーリーで読み解く日本の古典」シリーズ『今昔物語集』を読み終わりました。
いつもバタバタして、落ち着いて本を読んでいなかったのですが、集中して読むと、3時間位で読めるのですね。

さて、『今昔物語集』について少し説明します。
・「今は昔〜」という言葉で始まる短い話(説話)を集めている。
・12世紀の前半に成立したのではないかと言われている。
・「天竺(インド)部」「震旦(中国)部」「本朝(日本)部」に分かれる。
・『日本霊異記』の流れを汲む。
・欠けている巻もあるが全31巻。各巻には共通の「テーマ」がある。

次に、今回の本についての説明です。
世俗説話の多い「本朝部」の後半から、作者の令丈ヒロ子さんがいくつか取り出し、アレンジされていました。テーマ毎に並び替えてみます。

■第16巻、観音様のおかげ
・竜宮に迎えられた男
・わらしべ長者
■第19巻、出家
・悪人の改心
■第20巻、天狗や冥界、死人に関する話
・冥界に通う男(小野篁・おののたかむら)
■第23巻、珍しい人の話
・怪力のお姫様
■第24巻、すごい人の話
・光り輝く陰陽師・安倍晴明
■第26巻、珍しい話・報い
・芋粥をふるまった将軍(藤原利仁)
・琵琶の名人(源博雅と蝉丸)
・玄象という琵琶の話
・泥棒の恩返し(観硯聖人)
・鷲にさらわれた子ども
■第27巻、鬼や化け物の話
・水に溶けた人
・近江国の安義橋の鬼
・生霊、とり殺された薄情な夫
■第28巻、滑稽な面白い話
・浮気男の失敗
・猫を怖がる男(藤原清廉)
・瓜と不思議な老人
■第29巻、悪行
・羅城門の老婆

最後に感想を箇条書きで書いておきます。
・百人一首に出て来る蝉丸や小野篁のエピソードを知ることが出来て大変面白かったです。特に、源博雅が蝉丸の庭に毎夜通い詰めて、三年経って「流泉・啄木」を伝授してもらう話など、ためになりました。また、小野篁が仮病を使って遣唐使を断った話などは、後で調べてみようと思います。
・芥川龍之介の作品に出て来る「芋粥」が、当時の甘いスイーツと記載されており、作品に対しての印象が少し変わりました。
・怪力のお姫様(女性)の話は、他の作品でも時々見かけますね。
・安倍晴明の章に書いてありましたが、安倍晴明の母親が葛葉明神の化身である白いきつね「葛の葉」であるという伝説が文楽や歌舞伎の題材になっているようです。この作品『蘆屋道満大内鑑・あしやどうまんおおうちかがみ』は、文楽もしくは歌舞伎でいくか鑑賞してみたいと思います。

以上です。

この記事が参加している募集

読書感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?