「赤」 「シルバー、水色、黄色」 「……また赤」 真っ白に覆われた街はずれ。夕暮れに染まる安い貸しアパートの立ち並ぶあたりを、家路を急ぐ自動車がまばらに通り過ぎ…
「イームラ イムラ イームラ傭兵!イームラ イムラ 高火力~~!」 幼い頃、ポケットラジオのチューニングをくるくる回して遊ぶのが好きだった。何Hzがどこの局か?な…
「イームラ イムラ イームラ傭兵!イームラ イムラ 高火力~~!」 まーたこの宣伝カーだ。戦線に近い町の大路に決まって現れては、妙に耳に残る爆音メロディで通行…
※この文章は主に「現実へ」のお話になるのでメタなお話含みます。ごチュウ意ください。 本稿はC97にて頒布された合同誌「のら!ちゃん!べりべりきゅーと!2」に寄稿した…
掻き捨て
2024年4月18日 01:04
「赤」「シルバー、水色、黄色」「……また赤」 真っ白に覆われた街はずれ。夕暮れに染まる安い貸しアパートの立ち並ぶあたりを、家路を急ぐ自動車がまばらに通り過ぎていく。昼間まで降り続いた雪はすっかり道路を覆い隠し、走る車が雪のかけらを舞い上がらせている。そのひとつが風に乗って辿り着いた道路沿いの二階、風が吹けばカタカタと音を立てる窓の向こう。少女型アンドロイドが猫耳のような機械部品を銀の髪から
2022年5月11日 00:42
「イームラ イムラ イームラ傭兵!イームラ イムラ 高火力~~!」幼い頃、ポケットラジオのチューニングをくるくる回して遊ぶのが好きだった。何Hzがどこの局か?なんてことは知らなかったが、サー……と鳴っているノイズの音が突然くっきりした人の声に変わる。あのどこかに繋がった感覚が好きだった。だけどあの日、たまたまラジオが拾った電波からこの妙竹林な広告が流れ、母の笑顔が強張っていく瞬間はきっと忘れるこ
2022年5月11日 00:27
「イームラ イムラ イームラ傭兵!イームラ イムラ 高火力~~!」 まーたこの宣伝カーだ。戦線に近い町の大路に決まって現れては、妙に耳に残る爆音メロディで通行人を驚かせる派手なアドトラック。「昼間っからあんなヘンテコな歌聞かされて士気が上がるもんなのかねぇ」平和ボケした私の田舎にはなかった光景。派手なイラストの荷台が遠ざかる様子を歩きながら目で追っていたために、正面からやってきた背の高い男に
2020年4月17日 00:55
※この文章は主に「現実へ」のお話になるのでメタなお話含みます。ごチュウ意ください。 本稿はC97にて頒布された合同誌「のら!ちゃん!べりべりきゅーと!2」に寄稿したものであり、掲載されたものと同一の文章です。会:のらきゃっと『のらきゃっとに会いたい』そう願ったことはありませんか、ねずみさん。 2018年春、のらきゃっとの、そしてねずみさんの世界に大きな転機が訪れました。そう、新義