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「若者はすぐあきらめる」「すぐYouTuberになりたがる」説

「今どきの若者」ばなし。

九州のうどん屋で会った30歳くらいの塾の先生が、

「最近の子どもは辛抱しない。勉強も、つらいとすぐあきらめる」

と言う。

こっちは60歳代である。

「あ、今どきの若者が、今どきの若者を批判している」

と思うわけである。

勉強をあきらめて、子どもが何をしたがるかというと、YouTuberになりたがるという。

YouTuberには、たしかに学校の勉強はあんまり要らないかもしれない。

その塾の先生は、私という人生の先輩に、「どう指導すればいいか」と聞いているように思えた。思い過ごしかもしれないが。

「まあねー、人気YouTuberが若いのに年収3000万円だとか言ってもさあ、それが何年続けられるの、と聞けばいい。5年続けばいい方じゃない?」

と私は言う。

「それでせいぜい1億5000万円でしょ。稼いだつもりかもしれないけれど、あと50年生きると考えたら、ぜんぜん金持ちではないよ。1年300万円だからね」

「勉強して、いい大学に入って、大企業に就職してごらん。生涯賃金は3億、うまくすれば4億円だ。長い目で見れば、YouTuberなんて目じゃない」

「と、昔は言えたんだけどね。いまは大企業に入っても、それだけ稼げるかどうか。リストラされるかもしれないし、企業がつぶれるかもしれないし」

「これからの時代を考えたら、勉強なんかしないで、YouTuberで成功を狙った方がいい」

「というか、俺も間に合えば、これからYouTuberになりたい」

と俺は言いつつも、

「こんな未来しか若者たちに残せないのは、自民党と立憲民主党と俺のせいだ」

とか思って、うどんをすすったのである。

「それはともかく、九州はうどんがうまいねえ」



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