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ダリオ・アルジェント監督が関わった、27作品の題名について


■まえがき

・Dario Argento
・2022年、宮崎駿と同じく約十年ぶりに「ダークグラス」を公開した。生年もだいたい同じ。
・江戸川乱歩に「残虐への郷愁」という言葉がある。
・全部見たわけではなく8割程度だが、断然好き。
・四半世紀前、行ける限りのレンタルビデオ屋で、VHSで漁っていたころは、インターネットを活用しきれていなかったので、
動物三部作って何のこと? とか、
魔女三部作ってどれ? とか、
なんでサスペリアの2と1とが逆なの? とか、
ゾンビとかデモンズとかとどういう関係? とか、
イタリア映画なのになんで英語吹き替え? とか、
わからないことだらけだった。
時を経てある程度わかってきたが、備忘録として改めて整理してみた。
金銭や老いを気にすることなく、綾辻行人やら球体関節人形やら、大っぴらに中二病していても許されていたあの頃を、懐かしむためのメモでもある。

■方針

・「喜びの毒牙」以降の映画を対象とする。
・「●」監督作の邦題。
・「▲」脚本、原案、製作など、関連作。
・出演のみは省略。
・原題を、イタリア語→日本語でGoogle翻訳して、( )内に表示した。
・原題がはじめから英語の場合もある。配給の事情による。なんでもイタリア製作でも、配給で回収するのは英米が主なのだとか。マカロニウェスタンとかもあるし、欧米圏の配給状況や製作状況って興味深い。
・伊→英米→邦、と辿り着いた日本での扱いがまた、キワモノだから売らんかな精神に支配されている。2→1とか、デモンズが無理矢理シリーズになっているとか、そのせい。
・ポスターやDVDパッケージも並べてみた。

●01 歓びの毒牙(1970年)

原題:L'uccello dalle piume di cristallo(水晶の羽を持つ鳥)
英題:The Bird With The Crystal Plumage
原作:フレドリック・ブラウン(「発狂する宇宙」とかの)
※動物3部作の1。

●02 わたしは目撃者(1971年)

原題:Il gatto a nove code(九尾の猫)
英題:The Cat o' Nine Tails
※動物3部作の2。

●03 4匹の蝿(1971年)

原題:4 mosche di velluto grigio(グレーのベルベットフライ 4 匹)
英題:Four Flies on Grey Velvet
※動物3部作の3。

●04 ビッグ・ファイブ・デイ(1973年)

原題:Le cinque giornate(5日間)
英題:The Five Days

●05 サスペリアPART2(1975年)

原題:Profondo Rosso(深紅)
英題:Deep Red
※「サスペリア」のヒットにあやかって、内容は全然別で昔の作品にもかかわらず「PART2」とつけられて、後に公開された。

●06 サスペリア(1977年)

原題:Suspiria
(ラテン語で、溜め息、嘆き、嘆息の意味。発音はサスピリア。
トマス・ド・クィンシー「深き淵よりの嘆息(Suspiria de Profundis)ー『阿片常用者の告白』続篇」が着想のもと)。
※魔女3部作の1。

▲07 ゾンビ(1978年)

原題:Dawn of the Dead(死者の夜明け)
イタリア公開題:Zombi
監督:ジョージ・A・ロメロ
※バージョン多数だが、アルジェント版はアクションが多めで尺も短め。

●08 インフェルノ(1980年)

原題:Inferno(地獄)
※魔女3部作の2。

●09 シャドー(1982年)

原題:Tenebre(暗闇)

●10 フェノミナ(1985年)

原題:Phenomena(現象? すごい、ふしぎ、のスラングらしい)

▲11 デモンズ(1985年)

原題:Dèmoni(悪魔)
監督:ランベルト・バーヴァ

▲12 デモンズ2(1986年)

原題:Dèmoni 2: L'incubo ritorna(悪夢が戻ってくる)
監督:ランベルト・バーヴァ

●13 オペラ座/血の喝采(1987年)

原題:Opera

▲14 デモンズ3(1989年)

原題:La chiesa(教会へ)
英題:The Church
監督:ミケーレ・ソアヴィ

▲15 デモンズ4(1990年)

原題:La setta(宗派)
監督:ミケーレ・ソアヴィ
※3,4は原題ではシリーズものではない。邦題のトリック。

▲16 マスターズ・オブ・ホラー/悪夢の狂宴(1990年) のうち「黒猫」

原題:Due occhi diabolici(二つの邪悪な目)
原作:エドガー・アラン・ポー「黒猫」

●17 トラウマ/鮮血の叫び(1993年)

原題:Trauma
※トラウマという言葉の再流行。

●18 スタンダール・シンドローム(1996年)

原題:La sindrome di Stendhal(スタンダール症候群)
英題:The Stendhal Syndrome
※スタンダールが、1817年に初めてイタリアへ旅行した時にフィレンツェのサンタ・クローチェ聖堂の内部のジオット等のフレスコ画を見上げていた時に、突然眩暈と動揺に襲われしばらく呆然としてしまったということから。

▲19 肉の鑞人形(1997年)

原題:M.D.C. - Maschera di cera(ワックスマスク……蝋燭の仮面?)
原作:ガストン・ルルー「蟷人形館」
監督:セルジオ・スティヴァレッティ
脚本:ルチオ・フルチ

●20 オペラ座の怪人(1998年)

原題:Il fantasma dell'opera
英題:The Phantom of the Opera
原作:ガストン・ルルー(仏:Le Fantôme de l'Opéra)

▲21 スカーレット・ディーバ(2000年)

原題:Scarlet Diva(真紅の歌姫)
監督:アーシア・アルジェント

●22 スリープレス(2001年)

原題:Non ho sonno(眠くない)
英題:Sleepless

●23 デス・サイト(2004年)

原題:Il cartaio(製紙業者?)
英題:The Card Player

●24 サスペリア・テルザ 最後の魔女(2007年)

原題:La terza madre(3人目のお母さん)
英題:The Mother of Tears(涙の母)
※魔女3部作の3。

●25 ジャーロ(2009年)

原題:Giallo(黄色。というかジャンル名)

●26 ダリオ・アルジェントのドラキュラ(2012年)

原題:Dracula 3D
原作:ブラム・ストーカー
※3Dブームすら懐かしい。

●27 ダークグラス(2022年)

原題:Occhiali neri(黒眼鏡)
英題:Dark Glasses

■あとがき

決めた……自伝、買います。

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