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桃太郎でマンガの演出を学ぶ(2) この夫婦…仲良しだな?(名推理)

こんばんは。かきもちです。
コルクラボマンガ専科でマンガのあれこれを学んでいます。

さて、今週も課題をやります。
今回は決まった台本を演出するという課題です。

前回はプロトタイプを作りました。

これを今回は演出していきます。

…あれ、演出ってどうやるんだっけ…?

…前回の講義見よう。

キャラに演技指導…そうだそうだ、
感情のやりとりがあればそれが人に伝わるという話でした。
より伝えるには、音と動作。これだこれだ。
さらにやるなら絵と構図。なるほど。

…とりあえずやってみよ!

感情のやりとり

まずこのおじいさんとおばあさんの感情。
前回の講義で反抗期の息子とその母の例があったし、背景から考えてみようかな。

おばあさん
…天然で、向こう見ずな性格。天真爛漫、楽しそうなものはやってみる、触ってみる、拾ってみる。
おじいさん
…しっかり者。天然なおばあさんに振り回されつつも、それが幸せ。ツッコミを入れつつ長い間やってきた。

こんな感じで。
また天然としっかり者です!みなさん!
(詳しくはこちらをお読みください)

おじいさんとおばあさんだからなあ。
初々しいところはもう通り越してるだろうなあ。

とはいえ祖父母を思い出すとお互いの嫌なところには
しっかりツッコミを入れている
気がする。

うちの祖父母は祖父が天然ぽくて祖母がツッコミなのですが、
二人でやると多分こうなるであろう。

祖母「まあたそんなの拾ってきて!もうそんなのしょうがないでしょう」
祖父「いいんだよもう。いちいちうるさいなあ」

うわあ目に浮かぶ…。

しかしながら、だ。

今回は台本がある。そっちも見なくては。
台本の方の感情の流れはどうだ? 台本がこちら。

A…おばあさん B…おじいさん
A 「ねぇ、ちょっと見て、こんなの川で拾った」
B 「わっ、デカ!」
A 「すごくない」
B 「すごくないって・・・・どうすんの」
A 「(受けて一言)」
B 「(それを受けて)」

…うーん…
おじいさん、「デカ!」とか言うか…??

うちの祖父母なら多分こうなるな。(都合のため祖父、おばあさん役)

A「…(無言で桃を置く)」
B 「なにそれは。どこから持ってきたの(怪訝な顔)」
A 「いちいちうるさいなあお前は。いいんだよ拾ってきたんだから」
B 「拾ってきたってどこから拾ってきたの。全くこのじいさんは」
A 「いいんだよもう。明日息子のところ持っていくんだから」
B 「やめてよはずかしい。(ちょっと気になる)」

あかーん!物語変わってる!
桃太郎どこ?!

だめだ、台本に戻ろう。

おじいさんとおばあさんの関係こうでは?(名推理)

1行ずついこう。

・A 「ねぇ、ちょっと見て、こんなの川で拾った」…おじいさんへの期待感

もしおじいさんがおばあさんにずーっと冷たかったりひどい扱いをしていたら、おばあさんはこんなふうに期待感を持たないであろう。(もつ場合はシリアス展開かヤンデレキャラの世界線であろう)

ということは、おじいさんは普段おばあさんに多少優しくしているということだ。もしおじいさんがツンデレでもツン:デレの割合が適正か、適正でなければおばあさんのおじいさんへの理解が深いということだ。

いずれにせよ、多分この夫婦は少なくともまあまあ仲良しである。

・B 「わっ、デカ!」…桃にびっくり。おばあさんにもびっくり。

もしおじいさんがおばあさんに驚かされ慣れていたら、「わっ、デカ!」とか驚くことはないだろうな。「またすごいの持ってきたよ…」的な反応になるであろう。長年連れ添った仲なら尚更だ。

ということは、このおばあさんは普段突拍子もないことはしないということだ。でかい桃も珍しいが、このおばあさんの行動も珍しい。

したがって、このおばあさんは普段控えめで比較的常識的な行動をとるタイプと考えられる。

対しておじいさんはおばあさんの変化に気づいているので、おばあさんに関心・愛がある。しかもそれが言動に出やすい。口調からしても、厳格なタイプではないだろう。とするとこのおじいさんは愛があり比較的心がオープンなタイプである。動揺しやすく、驚きやすい。少し神経質ともいうべきか。

安定感のあるおばあさんとちょっと神経質なおじいさん。

…え?なにこの二人?
いい夫婦やん…。

・A 「すごくない」…「すごい」と言ってもらえそうな期待感、興奮

おばあさん…!口調若っっっっ!!!
こんなおばあさんいる…?

あ、今気づいたけど
キャラクターの年齢によって説得力のある口調が限られている…?
逆にいえば、キャラクターに説得力を持たせたい時には
口調に気をつけると良さそう
。技ゲット。

さておき、このおばあさん結構興奮している。あの常識人のおばあさんが、だ。そりゃそうだ。大きい桃だもん。川に桃が流れてくるのはまあありうるとして、でかい桃だもんね。驚くよね。

つまりはこの桃はやっぱり常識の範囲を超えてでかいのだ。
そしてなぜか、変なものというより人を喜ばせ興奮させるような、おめでたさを帯びた桃なのだ。

これは威圧感があるように演出するよりもおめでたい感を演出したいな。見えてきたぞ。

興奮していて「すごくない」≒「すごいよね」と共感を求めるということは、やっぱりおばあさん、おじいさんに信頼感というか心を開いているのだ。いい夫婦やん。。

・B 「すごくないって・・・・どうすんの」…動揺、相手の思考が読めない

おじいさん、動揺。
だよね。あの常識人のおばあさんがすごいもの拾ってきて、かつ「すごくない?」って共感を求めてくるんだもんね。だいたい常識人の人は「すごくない?」とか興奮して言わないもんね。

いつものおばあさんならトラブルが起きたらすぐに解決策を考えるんだよ。おじいさんの服がほつれたら「縫いましょうね」、近くに燕の巣ができたら「蛇よけをつけましょうね」だよきっと。オールウェイズゴーネクストだよこのおばあさんは。

ということは、この「どうすんの」はそうだね。
いつもの解決策提示を求めているんだね。信頼の「どうすんの」だね。
おじいさん動揺してるけど、おばあさんへの信頼は一級品だね。

・A 「(受けて一言)」

もうこう来たらどうしましょう。
おばあさん、おじいさんからの信頼感で正気(みたいなもの)を取り戻すよ、多分!「アッ…私ったら!どうしましょう!」だよ。でも数秒で様々なことがおばあさんの脳裏に駆け巡るよ。

(私ったら気持ちを惹かれてしまって…!)←ハッとした顔
(これ桃よね、食べられそうよね。そうしたら夕飯はこれでいいかしら。そうとなると包丁が必要ね。あ、家の裏になたがあったわね。なたでおじいさんに切ってもらいましょう。)←考えている顔(真顔 or 放心状態)

ここまで考えるけど、常識人のフィルターがかかっておじいさんへの配慮を伴った返答になるよ、

「おじいさん、食べましょうか!」

これだ。

・B 「(それを受けて)」

おじいさんどうする?!思ったよりまともな返答が返ってきたよ。
もうその事実だけで動揺だよ。いつも通りのまとも(?)な反応にちょっと安堵するおじいさん。安堵した分、桃への疑問がふくらみ始めるよ。

(食べるの?!食べられるかもしれないけど、食べるの…?!)

そして状況を飲み込める感じになってきて徐々におばあさんへの愛が勝つよ。

(おばあさんすごいねえ!やったねえ!)

でも多分このおじいさんは頭の中で考えていることを黙っているタイプではなさそう。少なくともおばあさんの前では黙れなさそう。(「デカ!」とか口に出ちゃってるし)

なのでもうファーストインプレッションが口に出るね。

「た…食べるの?!」

台本できた。これだ。

A…おばあさん B…おじいさん
A 「ねぇ、ちょっと見て、こんなの川で拾った」
B 「わっ、デカ!」
A 「すごくない」
B 「すごくないって・・・・どうすんの」
A 「おじいさん、食べましょうか!」
B 「た…食べるの?!」

台本ver.2できました。感情のやりとりだけでこれだけかかってしもうたよ。

次回、この感情を元に音、動作、構図で演出していきます。ではでは!

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