1日1枚マンガを描いて1ヶ月が経った
こんにちは。かきもちです。
今年の5月から、コルクラボマンガ専科というところでマンガのあれこれを学んでいます。ちょうど1ヶ月経ったので、少し振り返ってみたいと思います。
マンガ専科では毎日1ページマンガを描くことが課題になっています。最初は毎日1ページか…と思ったのですが、周りの受講生に刺激を受けて続けることができています。これが今日32枚目になっていて、1ヶ月経ったのだなと気づきました。
マンガ専科の初回講義の時、コルク代表の佐渡島さんから「質はあとであげていけばいい。量を描きましょう」という話がありました。以前、大学の講義で無限プチプチの発明者、高橋晋平さんからも「千本ノックしましょう」とお聞きして(なるべく)毎日マンガを描いていた時期があったので、「お、今回も同じだ」と思いました。
実際に毎日1ページ描いてみると、色々と発見や変化がありました。
自分の癖が見えてきた
まず自分の癖がわかったこと。何枚も描くなかで、表情や展開、背景、キャラクターなど、いくつかのマンガに共通するものが見えてきました。
表情は、だいたい3パターンだとわかりました。「?!」というような驚きと困惑の入り混じった顔、「〜♪」というようなのほほんとした顔、「…」というような無表情の3つです。たまに「恥ずかしい」とか「ガーン!」、「世界征服だフハハハ」のような顔もありますが、3パターンのどこかによく似ています。
展開は、のほほんとした人が何か理不尽とか不思議現象に出会って、驚くか困惑して終わることが多いです。これは表情とも関係している気がします。「〜♪」→「…」→「?!」の順にキャラクターの顔が変化しているのです。もしかすると、描ける表情を増やすと展開も増やしていけるかも。
キャラクターは、もうお察しかもしれませんがのほほん系でちょっと天然な主人公が多いです。もう一人出てくる場合は主人公に優しい大人か、主人公より頭の回転がはやくズバズバものを言う相方、という組み合わせが多いです。これ、私の中でうまく統合できていない特徴や、影響を受けた人の性格がそのままキャラクターになった感じがしています。
これとかまさに…。
効率化するようになった
毎日1ページ描くために、色々と効率化するようになりました。初めはコピー用紙にボールペンで描いて、スマホで撮ってアップしていました。
これと、たまにデジタルでカラーを描いていたのですが、2回目の講義で「デジタルでかけるようにした方が良い」「デジタル原稿は色々な使い方ができるのでぜひやろう」とお聞きしました。「なるほど」ということで(安直)、デジタルの4コマに切り替えました。
しかしデジタルで描くためにはアプリを立ち上げ、レイヤーを準備して計画的にコマ割りをする必要があります。(コピー用紙でコマ割りが気に食わない時は用紙を反故にすれば良いのですが、デジタルでは捨てるのも面倒)
そこであらかじめ4コマと決め、レイヤーとコマ枠を用意したテンプレートを作りました。これです。↓
レイヤーも全部設定しました。(使っているPhotoshopのレイヤーパネルです↓)
これですぐに描き始めることができます。あとはネタを考えるだけ()です。
また講義2回目で「素材を使っていこう」というお話を聞いて、「なるほど」と思い(安直2)使い始めました。こちらの1コマ目は背景素材をお借りしたものです。↓
それと、私は色選びが苦手なので著作権フリーなパレットや画像から色をお借りしていました。主にAdobe Color CC、unsplash、メトロポリタン美術館の作品ページを使いました。テンプレートや好きな絵画から色を借りて塗りました。
このマンガは確かAdobe Color CCから色を借りているやつです。unsplashの画像だったかも。
後々、このカラーパレットのネイビーを軸に色を使っていくようになり、だいたいの基本の色使いができてきました。
このイラストはとある名画から色をAdobe Color CCで抽出して使っているものです。名画からは構図をオマージュすることもあります。(こんなことまで書いていいのか…?)
こんな感じでその場でやることや考えることを減らし、効率化していきました。これによって少し安定して描けるようになったのかもしれません。
推敲するようになった
それと、私はこれまでその場のノリと感覚で描いていたのですが、マンガを推敲するようになりました。具体的にはアングルや、コマ割り、セリフ、表情、展開などを推敲しました。
これは3回目あたりの講義で「推敲できるようになりましょう」というお話を聞いて、「なるほど」と思い(安直3)、その講義の後の課題あたりから推敲をするようになりました。
特にこのnoteで詳しく書いています。
文章を推敲することはあったのですがマンガを推敲したことはなく…(なぜ思い浮かばなかったのか…)。「どうしたら推敲できるのか」をわかっていない、ということに気づきました。
そこで講義で聞いた「声優さんが読むときに読みやすいように描くといいよ!」というお話を思い出し、「あそっか!じゃあ音読しよう!」ということで音読して推敲するようになりました。
無計画に感覚で書いたものでもプロットから書いたものでも、よりおもしろく、伝わるように変えていけるのはいいことだと思います。その意味で、ブラッシュアップの方法を一つゲットできたのはとても良かったです。
マンガを分析的に読むようになった
この1ヶ月、マンガを描くに際して、何かと真似したり参考にしたりしていました。しかし真似や参考の元ネタのストックが頭の中になく困りました。また、単純に世の人はどのようにマンガを描いているのか気になり、意識的にマンガを読むようになりました。
私はpixivコミックが好きでよく使っていて、たまにLINEマンガ、ジャンプの縦スクロールマンガ賞、NAVER Webtoon などのサイトからマンガを読んでいました。
コマを斜めにS字状に配置していくやり方、コマとコマの余白を大胆にとるやり方、タイトルの出し方などは、縦スクマンガのサイトから学びました。↓
pixivコミックは縦スクロールはまだ少ないのですが、ストーリーやキャラクターが魅力的なのでそちらの研究用に見ています。「たまに」以降は最近人気の絵柄やテーマ、縦スクロールの使い方を偵察する用です。
また同人誌や二次創作のマンガも分析的に見るようになりました。世の人々の二次創作の楽しみ方を見て、公式のキャラクターの魅せ方がどんな感じなのか観察しています。また好きな作家さんの作品をふと見ていたら、ほとんどのストーリーが起承転結でできていることがわかりました。すごいです。
世の中にはいろいろなマンガがある、となんとなく思っていたのですが、構成を見てみると本当に数えるくらいに分類できそうだと思うようになりました。
感情を描くことが少し見えてきた
マンガを描く枚数がたまってきて、自分の中でマンガを描くということが大きな出来事ではなくなってきました。すると少し考え方が変わってきました。具体的には、マンガを実際に絵や言葉に起こすのは、マンガ作りの一部にすぎないように思えてきました。
第4回講義にあったようにマンガは感情を伝えるもので、その演出方法は様々あります。第4回講義のメモはこちら。↓
実際に読者の目に見える形にするのが、手を動かして絵や言葉を書くという作業だと思います。しかし最も大切なのは、その感情を自分自身がリアルに感じていることだと思います。心技体の心といってもいいかもしれません。
以前、科学コミュニケーションの講座で「自分がおもしろいと思えるものは人が見てもおもしろい」という言葉をいただいていて、例によって「なるほど」と思い主観的なおもしろさを意識しています。
このおもしろさは、これまでたまに漠然と感じていたのですが、最近言語化できてきました。キャラクターの感情に自分の感情がのっていけたとき、おもしろくなってくるのです。
ちょっと変な表現ですが、頭の中でキャラクターと一緒に生活して、そのキャラクターの感情に憑依できたときに、いいものが作れそうな気がします。
最近はキャラクターと一緒に生活する感覚をもつようにしてみています。(大丈夫かなこの人)
加筆:好きのおすそわけ
講義で「好きのおすそわけ」という言葉を聞いて、これもやってみました。私は科学と日本文化の関係、古代遺跡、科学コミュニケーション関連が好きなので、特にその辺りをツイートしたり、好きな要素をマンガに盛り込んだりしてみました。
すると、ツイートした内容に関する情報やコメントを何度かいただくことがありました。好きなものについての情報がもらえたのがとても嬉しかったです。
受講前までは好きなものを出すのが恥ずかしく、あまり出さないようにしていたのですが、毎日ツイートやマンガの更新をしているうちに少しずつ抵抗がなくなってきました。(人間の適応力、恐ろしや)
色々といい影響がありそうなので、これは続けてみたいです。
まとめ
これまで私はストーリーマンガをほとんど描いたことがありませんでした。描いてもプロットを練ったりネームを推敲したりすることはなく、その場のテンションで描いていました。
しかし講義を受けつつ、アウトプット・インプットを重ねてみると意識的にマンガを作っていける要素があるらしい、感情をリアルに感じることが大切だとなんとなくわかってきました。
1ヶ月ですが本当に色々おもしろいことを知ることができています。これだけ知らないことがあったということは、他にもあるだろうと思っています。新大陸を発見した探検家はこんな気持ちかもしれません。
先1ヶ月、どんなものが見えてくるか楽しみ。まずは継続。気楽にやろうと思います。かきもちでした。
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