食べることは弱みをみせること

人の目の前で、口を開き、何かを食べることは、

弱みをみせることなんじゃないかと思う.

わたしは、特に正面で食べることが苦手だ.

食べ方はうつくしくないし、

いや、きたないということでもないのだけど、

いつからか自信がないと思うようになってしまった.

食べ始めてからしばらくして、その瞬間がやってきて、

どうやって食べ物を口に運べばよいのかわからなくなる.

食べている人が目の前にいたら、絶対にとはいいきれないけど、

口元であったり、

お皿の上に乗っている食材や量であったり、が、

見られていると感じてしまう.

恥をさらしているような、わたしという者が見透かされてしまうような

感じがして、早く逃げたいと思ってしまう.

その間にも、口元に入りきらずにボロボロとおちてしまったり、

中途半端に噛み切れずに、ずっと下をむきながら逃げたいと思っている.

なんと情けなき恥ずかしい姿なのだろう.

食事が終わったあとも、歯にはさまったなにかの繊維がからまっている.

どうしても私には逃げ切れないのである.

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