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人間のパワープレー

人間はこの地球をいにしえより開拓して今日こんにちの都市や街を形作ったこともあって、もうなんでもできるような感覚にあるのだと思う。

なんというか、知恵と技術と力で持ってすれば、乗り越えられないものは何もないという、そんな感覚である。

事実、この山がちな日本だって、知恵と技術と力でなんとかトンネルや線路を引くことでつなげた。

そこに山があれば、穴を開けて通せば良い。
そこに海があるなら、空を飛んで超えていけば良い。

そんな「パワープレー」で人間はこれまで発展してきたところがある。

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体の不調だって、おそらくほとんどの人が薬でなんとかなるように感じているところもあるのではないだろうか。だから、身体に何か不具合が見つかれば、サプリや薬に頼る。そんな考えが、当たり前になりつつあるのがこの時代である。

だが、僕らは「基本の摂理」というものを忘れてはならない。

特に身体は、理由があってその反応が出る。腹が出るのにも理由があるし、咳が出るのにも理由がある。だから、まずはその根本の原因をなんとかしようというのが、手順であり態度なのだと思う。

サプリとは、英語のsupplementから来ているが、翻訳は「栄養補助食品」である。その名前が示す通り、サプリはあくまでも補助的な役割であり、そのサプリだけで何か問題が全て解決するようなことは、基本的にはないのである。わからない、現代の技術を持ってすればその問題を全て解決できてしまうようなサプリもあるのかもしれない。

しかし、その考え方は、あまりにも人間の知恵と技術と力を万能視しているのではないだろうか。

サプリは、あくまでもサプリでしかないのである。
薬だって、あくまでも薬でしかないのである。

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サプリや薬に頼る前にやるべきことはいくらでもある。

食生活の改善。
運動の習慣。
睡眠の質の改善。

これらの基本的なことを解決しながら、難しいところは栄養補助食品や薬に頼るのが筋である。

たしかにサプリや薬は便利なものだ。僕もたまに頼るし、現代のビタミンB1の摂取量改善についていえば、サプリの普及によるものが大きいという研究者もいる。

まあ商品に「悪玉コレステロールを下げるL/H比を下げる」とか「〇〇を改善する」と堂々と書かれたらきっと嬉しいし、買いたくもなるだろう。だかしかし、やはり身体のことというのもあるので、まずは身の回りでできる改善方法から試してみて、その上でサプリを試して欲しいものである。

どうしてこんなことをいうのかというと、僕は最近の「サプリ」や「薬」という人間のパワープレーに頼った生活習慣というものに違和感を感じるからだ。

僕の友人にも、栄養のほとんどをサプリから取るような人がいた。まあその感覚は現代のものなのかもしれないが、同時にある意味での「人間離れ」をしている気もする。

僕ら人間は、あくまでも動物であり、生き物である。そのことを忘れないでおきたい、今日このごろだ。

そんでもって、人間になんでもできるわけではない、ということも忘れないでおきたい。僕らは、万物の創造主ではないのだ。その謙虚さを忘れたとき、きっと色々な不具合が生じる。

まずは身体や自然に耳を傾けることから、なのではないだろうか。

2024.04.03
書きかけの手帖

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