見出し画像

それは認知症の周辺症状だった

父は悲しんでいます。
父は苦しんでいます。
父は寂しがっています。
母を他の誰かに取られる恐怖と戦っています。

***

日本は今、高齢化社会を迎え、2015年時点で、10人に1人が
アルツハイマー型認知症であると推定されています。
 < 中略 >
認知症の症状には、すべての認知症の方でみられる「中核症状」と、
認知症の進行とともにあらわれる「行動・心理症状」の2種類があります。
 < 中略 >
行動・心理症状は認知症の経過に伴い、周囲の人とのかかわりの中で起きてくる症状です。
ご本人の置かれている環境や、人間関係、性格などが絡み合って起きてくるため、症状は人それぞれ異なります。
心理症状:漠然とした不安や焦り、うつ状態、睡眠障害、興奮、妄想

ヤンセンファーマのパンフレットより

9月の台風の後、数日間停電が続いたころから、おかしな妄想話が頻繁にでるようになっていました。

父は母が自分以外の男性とコンタクトをとっていると思いこんでいます。😅
その人はすでに亡くなっていると説明しても「狐にばけて会いに来ている」とか、母が「狐をよんでいるとか」、そんなことばかり言っています。

寝室に棒を持ち込んで「来たら追い払うんだ」とか、ビール缶を紐で繋いで玄関先に置き、「来たら音がするからすぐわかるんだ」とか、次第にその妄想はひどくなってきていました。

これは、認知症の周辺症状「行動・心理症状」の一種だったようです。
90歳にもなって!と呆れていましたが、年齢には関係ないよくある認知症の症状のひとつ「嫉妬妄想」でした。

かかりつけ医に相談すると、もっと早くくればよかったのにと言われ、それもショック・・・。
認知症の勉強もしたし、知識はそれなりに持っているはずですが、眼の前の父の状態と知識とが合致しなかったのです。
家族ともなると、客観的に見ることができないってことなのかな。😥

「男性には多いですよ。ひどくなると火をつけて火事になったり、警察沙汰になったり。」と主治医に言われると、ぞっとします。

今はいろいろな薬が出ていて、試す価値はある、とのこと。
しかし、その効果(副作用も含めて)は人それぞれなのでショートステイ(入所)しないと治療できない、という説明を受けました。

入所期間は2週間ぐらいと聞いて、そんなの受け入れるはずがない!と思ったのですが、主治医の診察が終わった父は「今日は泊まるんだって」と呑気に話していました。

主治医がどんな説明をしてくださったのか、同席していないのでわからないのですが、こんなに素直に受け入れるとは、おみそれしました。

ただ、いっしょにショートステイの部屋まで行ったのですが、父は一泊と思っている気がします。
「寝たらすぐ明日だから。いびきをかいて寝るだけだよ。」

明日、帰ろうとしたときにどんなことになるのか、とても不安。
入院中に「帰りたい、帰りたい。連れて帰ってくれ。」と懇願された光景を思い出し、胸が熱くなります。

しかし「嫉妬妄想」で苦しんでいるのも父。
その症状が少しでも軽くなるといいなと思います。
早く薬の調整ができて、帰ってこられるといいな。
それを信じて待つしかないな。

今頃、こんなサイトを見つけて情けなくなる。 ふぅ、疲れた。


タイトル画像は”Take”さんにお借りしました。
さいしょに目に飛び込んできた画像です。


お気軽にコメントお待ちしています。
かる~いノリでいただけると、かる~く返します。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?