【DAY 5】 快眠のための環境作り
みなさん、毎晩どんな環境で眠っていますか?
意外と、睡眠の質は「寝る場所」の環境に大きく左右されます。少し工夫を加えるだけで、眠りの質がぐっと向上するんです!今日は、快眠を得るために理想的な部屋の環境を整える方法についてお話しします。
今日から始められる実践的な内容となっていますので、最後までお楽しみくださいね。
1. 寝室の温度を最適化する
1.1 快適な温度設定とは?
まず、寝室の温度は睡眠の質に大きく影響します。暑すぎたり寒すぎたりすると、深い眠りに入りにくくなります。一般的に、寝るときの最適な室温は約16~19℃とされています(Lan et al., 2017)。夏はエアコンや扇風機を使い、冬は暖房や適切な寝具を使って、快適な温度を保つことが大切です。
※この最適な室温に関しては驚いておられる方も多いのではないでしょうか。もちろん季節によっても変わってきますし、体質によっても変わってくるため、一概にすべての人に当てはまるとは言えませんが、このくらいの室温が最適で睡眠の質が高かったと報告されているのです。
これは外国の研究に限った話ではなく、東京大学と広島大学が共同研究して行われた論文においても「最適な室温は18~22℃とされていますが、これは季節や個々の体質によって変わることがある」(Kimura & Fukazawa, 2010)と報告されており、日本睡眠学会の推奨室温に関しても「寝る時の最適な室温は16〜22℃」とされ、湿度は50〜60%が理想的である」(Nagai & Morita, 2008)とされています。
このように実験データでは20℃前後の室温が深い眠りに最適とされているようです。私自身、26℃くらいで寝ていますが、特に睡眠に関して不満はないため、個人に合った室温を見つけることが大切そうですね。
1.2 体温を調節するポイント
さらに、寝る前に軽く湯船につかるのも効果的です。ぬるめのお湯(約38~40℃)につかると、深部体温が適度に上昇し、その後の温度低下によって寝つきが良くなるとされています。この温度範囲が、特にリラックスと睡眠導入に効果的であると報告されており、寝つきが悪いと感じている方に特におすすめです。(Horne & Shackell, 1987)
※熱すぎる湯船は体に負荷がかかってしまったり、深部体温が上昇しすぎて下がるのに時間がかかってしまうため、おすすめできません。
また、寝る直前に湯船につかると暑さでなかなか寝付けないので、どうしても早く寝たいときはシャワー程度に済ませましょう。
2. 照明の工夫で自然な眠りを促す
2.1 就寝前の明かりを調整する
私たちの体は、光によって「今は寝る時間だ」というサインを受け取ります。特に、寝る前に明るすぎる光を浴びると、脳が覚醒しやすくなり、寝つきが悪くなります。寝る1時間前には、できるだけ明かりを落とし、リラックスできる環境を作りましょう(Chang et al., 2015)。
※私は沖縄県の子どもたちを中心に睡眠の研究をしていましたが、子どもの睡眠の良し悪しは親が大きく影響していると分かりました。私はスーパーでアルバイトをしていたのですが、夜22時過ぎに行く買い物に子どもも付き添い、親が子どもの睡眠を妨げているという事実があります。
また、照明の色には、オレンジっぽい「電球色」、青っぽい「昼光色」、白っぽい「昼白色」の3種類がありますが、最もおすすめなのは電球色です。スーパーなどのお店の光というのは照度が高く、一般的に電球色は使われていません。そのため目覚めという点では昼光色や昼白色は良いかもしれませんが、眠りにつく1~2時間前からは避け、電球色に変えた方が良いでしょう。
2.2 自然光のリズムを活用する
朝の太陽の光を浴びることも、快眠に役立ちます。朝の光は、体内時計をリセットし、一日のリズムを整える効果があります。カーテンを少し開けて、朝日が差し込むようにしてみてください。これにより、自然に目覚めやすくなり、夜の睡眠も深くなります(Czeisler, 2013)。
※ちなみに私は遮光カーテンは部屋につけていません。それは翌日、遮光カーテンを付けなければ、太陽の自然の光が部屋に入ってくることで部屋全体が明るくなり、すっきりと起きることができるからです。遮光カーテンは部屋を真っ暗にしたり、防犯的には良いかもしれませんが、遮光カーテンがあると朝でも真っ暗な状態の部屋であるため、体がすっきりと起きにくくなるのです。
騙されたと思って1週間、遮光カーテンを閉めず、自然の光で目覚めるようにしてみてください。寝起きがものすごくよくなることを実感できるかと思います。
3. 静かな環境を保つ
3.1 睡眠に適した音環境
音も、睡眠の質に影響を与える重要な要素です。騒音が気になるときは、耳栓やホワイトノイズを使うことで、気持ちよく眠れるようになります。ホワイトノイズは、自然な音のひとつで、一定の音を持続的に流すことで他の音をかき消してくれるんです。波の音や雨の音など、リラックスできる音を試してみましょう(Stanchina et al., 2005)。
※耳栓があると気になって眠れない方はぜひホワイトノイズを試してみてください。「睡眠導入 音楽」などとYoutbeで検索するとたくさん出てきますので、自分に合ったものを選ばれると良いかと思います。
ちなみについ最近、私も自分のYoutbeチャンネルで睡眠導入用BGMを作成しました。1つの選択肢としてお使いいただければと思います。
3.2 静寂が大事な理由
特に都会に住んでいると、外の車や電車の音が気になることがあります。こうした騒音は、眠りを妨げるだけでなく、深い睡眠に入るのを阻害することもあります。できるだけ静かな環境で眠ることが、良質な睡眠を得るための鍵です。
※「少し高い家賃を払ってでも環境は選んだ方が良い」と大学時代で痛い程学びました、、、
コンビニや居酒屋近くは地獄の始まりです。
4. 寝具の選び方
4.1 マットレスと枕の重要性
快眠を得るためには、寝具の選び方も重要です。自分に合ったマットレスと枕を使うことで、体の負担を減らし、心地よく眠ることができます。寝具が体に合わないと、寝ている間に無意識に体を動かしてしまい、眠りが浅くなることがあります(Jacobson et al., 2010)。快適な姿勢で眠るために、自分に合った寝具を見つけましょう。
※枕はとても大切です。頭の熱を逃がしてくれる通気性の良い枕は脳に熱を溜め込まないようにするため、睡眠にとても良いことが分かっています。
以下は「スタンフォード式 最高の睡眠」の著者でありながら、この会社の代表取締役をされている西野精治さんという方が開発された枕です。
ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
快眠のためには、寝室の温度、照明、音環境、そして寝具に注意を払うことが大切です。簡単な工夫で、眠りの質がぐんと向上します。今日からでもできることばかりですので、ぜひ試してみてください!
次回は、快眠をサポートする「眠りの質を高めるためのルーティン」についてお話しします。就寝前のルーティンや習慣(リラックス法、ストレッチなど)について一緒に学んでいきましょう!
参考文献
Chang, A. M., et al. (2015). "Evening use of light-emitting eReaders negatively affects sleep, circadian timing, and next-morning alertness." Proceedings of the National Academy of Sciences, 112(4), 1232-1237.
Czeisler, C. A. (2013). "Perspective: Casting light on sleep deficiency." Nature, 497, S13.
Horne, J. A., & Reid, A. J. (1985). "Night-time sleep EEG changes following body heating in a warm bath." Electroencephalography and Clinical Neurophysiology, 60(2), 154-157.
Jacobson, B. H., et al. (2010). "Effect of prescribed sleep surfaces on back pain and sleep quality in patients diagnosed with low back and shoulder pain." Journal of Manipulative and Physiological Therapeutics, 33(3), 221-228.
Lan, L., et al. (2017). "Thermal environment and sleep quality: A review." Building and Environment, 125, 273-284.
Stanchina, M. L., et al. (2005). "The influence of white noise on sleep in subjects exposed to ICU noise." Sleep Medicine, 6(5), 423-428.
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