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B1富山グラウジーズとB2滋賀レイクスはどちらが幸せなのか

又吉直樹作『人間』、読了した。この作品は又吉さん曰く、幼い頃からこの物語の断片を無意識のうちに拾い集めていたような感覚…で出来上がっていったのだという。生まれてから今日に至るまでに生きにくいと感じた風景や感覚を記憶していただけ…、とのこと。
そんな又吉さんの記憶の断片、断片…を、短い情景と感情の文章で纏めた作品集『東京百景』をこれから読みたいとおもっている。一から百までなるそれぞれのストーリーが面白くてわくわくするのだ。東京で暮らしたことのない僕にとっては未知の感覚。かっこいい、憧れの場所、『東京』なのである。


又吉さんに倣って僕も『滋賀百景』なるものを書いてみようかと思ったことがある。しかしまだその構想は更地の状態だ。なかなかピンとくる風景が思い浮かばない。じっくり考えたら百ヵ所思い浮かぶかもしれないが、気の遠くなるような作業だ。作家という仕事はすごい仕事だなと改めて感じる。


さて、話をバスケに戻すと、昨年の新潟に続き、今年は富山のB2降格が確定的。別に富山や新潟を責める気はない。それがBリーグの定めたルールであるから。このようなルールがなければ降格するチームもなかっただろうし、逆に昇格するチームもないのだから。良いとも悪いとも言えない。Bリーグのルールに賛同する以上、どこかのチームが必ず最下位になるし、下位2チームが下部へと降格してしまう。昨年の滋賀がそうだったように。

滋賀レイクスはB1で戦うことにこだわっている。それはなぜか?クラブの経営者にもなると、そのクラブをどうしていきたいのか、しっかりとしたビジョンがないといけないだろう。僕たちファンは、応援するチームが「勝つ」ことで、選手もファンも全員が「笑顔」になれることこそが「幸福度が高い」ということを、今季B2で戦ってみて、身に染みて感じた。B2よりもレベルの高いB1で戦うということは今よりも勝率が下がってしまうということ。負ける試合が多くなり、悲しい思いをする人も増えることだろう。その悔しい気持ちは「勝つ」ことでしか晴らされないのだが、B1で勝つのがすごく難しいことも痛感しているのが滋賀レイクスの実状だ。

慣れ親しんだ既存選手や、新たに獲得した新戦力のケミストリー(化学反応)が上手くいき、急激にチームの戦力が上がり、優勝を争えるチームに成長することは、果たしてあるのだろうか?そんな、ギャンブルで大穴を当てるような確率で、我々ファンは不安定な、無責任な期待に揺れ動かされながら、1シーズン、応援し続けないといけないのだろうか?

B1最下位と、B2優勝では、どちらの方が価値が高いのか。どちらの方が幸福なのか。
「滋賀ダイハツアリーナの大声援」を滋賀百景のひとつに加えながら、レイクスの未来を見守りたいとおもう。


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