見出し画像

レリーフ模様の空間効果

GWや夏休みの旅行計画〜人気の「台湾」などを検討中の人もいたりしませんか?台湾に行ったら、美味しい食べ物や足つぼマッサージや九份もオススメですが、空間的に是非!注目していただきたいコトをご紹介…それは「レリーフ効果」。KAJA DESIGNでもオリジナルのレリーフをご提案してもいますが、空間へのアクセント使いのように、ポイントとして使い方が多いのです。台湾での「レリーフ」使いは、とてもナチュラルというか、当たり前のように取り入れられているのです。

例えば、↑上部の画像は普通の飲食店の窓際です。デザイン違いの模様がバランスよく、外界と程よく別世界のイメージにしながら、外側からは照明含めて効果的にチラ見せし、装飾性と誘引性に一役買っています。

↑背面ミラーで向かい合わせだったりすると、重なり合って写しあって、もはや幾重にもなり複製効果で奥行感たっぷりに。

↑天井面では、折り上げ天井面では奥行き感を。梁型のデザインは浅めに彫られたデザインと色合いは相互的に対称ととなり統一感の中に圧倒的な存在感となっています。

この天井の手法は、西洋的なモールディングとメダリオンとも似ているようで、天井面の装飾性を高めています。ふと、台湾でのこの手法の背景はなぜなのだろう?と自分の中でも探求心が目覚めます。そもそも、西洋でのモールディング等の装飾は天井と壁、壁と天井などのぶつかるところを見切り材として、また保護しつつ装飾性もあったり。現在では、エレガントやクラシカルなどのデザイン性のポイント要素としも、輸入住宅的な空間には多く取り入れられています。ちなみに、KAJA DESIGNはあまりこうしたモールディングのイメージはないかも?しれませんが…実は、方向性によっては存分に取り入れている場合もあります。モールディングはデザインが同じようでニュアンスのバリエーションが多く、その大きさ、出幅、曲線などなど、かなり細やかにチェックしながら提案・デザインをしています。私が手掛けている案件でも、効果的にデザインし、とても素敵な空間に仕上がったりしています。また西洋建築でのメダリオンとは、シャンデリアやペンダント照明の天井で装飾性のある台座となり、平面的な天井面に華やかさをプラスしてくれます。

例えばこのメダリオンは西洋では、名のごとく円型のものが多いのですが、台湾でのレリーフデザインの全体的な特徴としては、私は「スクエア」がとても多かったように感じています。その理由には建築様式や歴史などとの深い部分もあるかと考えられますが、一つには安定感のある左右対称をより大切に考えるところの表れのようにもとれます。台湾での大きな建造物は、外構デザインも含め見事なほどに大きな大きな左右対称に配されたりしています。

そうか!もしや「レリーフ効果」の気付いていなかった効果をひとつ、発見してしまいました。私自身は、今までは「レリーフ効果」の大きなポイントとしては
・装飾性
・デザイン性
・間仕切り性
などなど、「空間をやんわりと装飾的に区切るのに最適」な平坦な一面と考えていたのですが…それだけではなかったのです。その面を基準に、「空間をシンメトリーに分離することもできる!」意味通じますか?

面で区切られるという発想だけでなく、面を断面の線で、それぞれの空間を左右に考えてみてください。それぞれの空間でその面が背中合わせで展開されていくのです。鏡に向かって実際のこちら側と映し出された鏡内の反転の世界のような奥行き部分。なるほど、台湾で私が「レリーフ効果」に心地よい安定感を感じたのは、その奥行き側に手前と同じような空間の存在を自然と感じることができたからなのかもしれません。(彫りのデザインの透過性でも変わってきますが)この緩やかだけれど効果的な「レリーフ効果」今後の空間創りにも意識的に取り入れてみようとも考えています。

↑そして仮にも、このうっとりするほどに美しい…国立故宮博物院:「清朝 翡翠の屏風」を置いたとします。48枚の翡翠でできていて、驚くのは両側の彫りがまったく同じだということ屏風。ここで仕切られたかのようである両側の世界は、実は裏表のない対等な世界になるのかもしれません。昭和天皇のもとにありましたが、終戦後返却されたというもの。実はそうした意味が込められていたのかもしれない?というのは深読みしすぎでしょうか?

私が台湾での感じた「レリーフ効果」を独自の目線で語らせていただきましたが。要するに、「レリーフいいね!」という再確認でもありました。最後にもう一つ。こんなとこにも「レリーフ効果」?!(この場合は、外観のデザインがレリーフ模様で程よい装飾性)

壷のようなデザインが緑に映えています。何だと思いますか?…
それです!それ。公園に置かれた「ゴミ箱」。上部は灰皿になっていて、素材は鋼鉄系ズッシリした安定感でありながら、公園という空間に「ゴミ箱」っぽさをひた隠し、シレっと共存している感じがたまりませんでした。台湾は言われているように親日的で、活気があって気候も人々も何だかとってもあたたかリゾートという感じなのです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?