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2023年、今年読んで良かった本と今年知った言葉「積読」

12月のこの時期になるとよく目にする一年間の総評。
私も今回やってみることにした。

今年一年間で読んだ本、8冊。趣味が読書とは言えないレベルの読書量。ましてや、「今年のベスト10」とか出来ない。

ということで、一番良かったものだけ。
「エデュケーション 大学は私の人生を変えた」タラ・ウェストーバー著

壮絶な人生の中で自分の人生を変えていった著者の回想録。フィクションではないからこそ余計にインパクト大で、心に響きました。
詳しい感想は上記の記事に書いたので、そちらを読んでもらえれば嬉しいです。
本として一番はこの本だけど、本の一部が響いたのがこちら。
「Min usynlige søn」Esben Kjær著
デンマーク語のこのタイトル、センスも何もない直訳をしてしまえば「私の目に見えない息子」。

好きだったラジオ番組のパーソナリティーをしていた著者、ということで手に取った本。
タイトルから想像できるかもしれないが、彼の3人いる子ども達の真ん中の息子さんが、突然ガンに侵され7歳という若さで亡くなられた。

デンマーク国内では治療法がないと言われ、スイスだったか?国外に治療を受けさせに行ったり、夫婦共働き、他の2人の育児もしながら、懸命に助ける道を探る。病気判明から一年半後、息子さんのお葬式のスピーチの最後で著者が言う。
「天国で会おう。それまで少しの間だけお別れだね、私の小さな友よ。」

亡くなった事実をどう受け止めれば良いのか、その答えを探る過程を書いたのがこの本。

ラジオでの辛口トークから、勝手にこの著者は無宗教なのかと思っていた。神が地球を創ったとか、毎日曜日に教会に行く、というような熱心なキリスト教信者ではないものの、神父さんとの対話が多く本文に扱われていて、それが私には全く通じなかった。子どもを助けようと必死に奔走する姿、亡くなられた後も苦しみ自分なりの解釈を見つけた、私には想像さえ出来ない道をたどられた著者には尊敬しかない。
答えは人それぞれ違うし、正解も間違いもない。著者がキリスト教の中に答えを見つけたのは、それは彼の選択。その選択が良いか悪いかではなく、単に、これは私が読まなくていい部分だったな、と思っただけ。
そう言う意味で今年のベスト1にはならなかった本です。

ただ、文中で、「無宗教も信仰の一つだ」と言うようなことを書かれていたのが、とても響いた。図書館で借りてきた本なので、正確に何て書いてあったもう覚えてないのが残念ですが。
神の存在を証明できないけど、非存在もまた証明できない(神の定義にもよるのかな?)。それならどちらの側も結局は信仰。色々な議論があるのでしょうが、私にはこの考えが腑に落ちた。

本として丸々一冊が響いた本と、極一部だけが響いた本。そんな2023年でした。

そして、先日ラジオでふと耳にした言葉、積読。こんな言葉があるだなんて初めて知りました。しかもそれを聞いたのが、デンマークのラジオ番組なのがさらに驚き。この言葉を紹介してくれた人(デンマーク人)の発音が悪過ぎて(失礼!)何て言ってるのかわからなかったのだけれど、ネットで検索して判りました。積読。この方、日本文化のエキスパートでもないのに(専門はヨーロッパ政治らしい)、どこでこの言葉を知ったのか不思議ですが。

私もまさに、積読。読まないのに本屋に行くのが好き。そして、今は10冊くらいはあると思う、積んで置かれた本。その中には、5、6年かけて少しずつ読んでる本もある。
この言葉(積読)を紹介してくれた人が書いた新聞記事の中で、ショーペンハウアー(ドイツの哲学者だそう)の言葉が引用されていた。「人は大抵、本の購入で(本の)内容の取得をしたと勘違いしている」(この文の正しい日本語訳が知りたい。)
まさにこれ、私。でも私の場合は、何なら、「読んで、中身を理解したと勘違いしている」ぐらいのものもある気がするけど。

来年はこの積み置かれた本の何冊か読みたいと思います。そして、また積み置かれる本が新たに購入されるはず。


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