福祉用具の同一品目複数貸与って??
どーもカイゾウ(@kaizo777)です。
今日は「福祉用具の同一品目複数貸与について」をテーマに書いてみたいと思います。
やたらと漢字が並んで「なんだ?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。
要するに「車いすや歩行器等の同一品目の複数レンタル」のことです。
介護保険を利用して利用者が車いすや歩行器など特定の福祉用具を一人で複数台借りることは「可能」です。
ただし「明確な理由」がなければ借りられない。
しかも自治体ごとにルールが若干異なっているので、ケアマネジャー(以下:ケアマネ)は下より福祉用具をレンタルするご利用者・ご家族も知って頂いて損はない内容になると思います。
では本題です。
介護保険の「福祉用具貸与」で借りられるもの
・ 車いす(付属品含む)
・ 特殊寝台(付属品含む)
・ 床ずれ防止用具 ・ 体位変換器
・ 手すり ・ スロープ
・ 歩行器 ・ 歩行補助つえ
・ 認知症老人徘徊感知機器
・ 移動用リフト(つり具の部分を除く)
・ 自動排泄処理装置
これらが介護保険で借りることが出来る福祉用具です。
しかし、すべて誰でも借りられる訳ではなく、要介護度に応じて借りられる物に制限があります。
軽度者(要支援~要介護1)と呼ばれる方々は上記の「車いす・特殊寝台(電動ベッド)・床ずれ防止用具・体位変換機・徘徊感知器・移動用リフト・自動排泄処理装置」は借りることが出来ません。
正確に言えば借りる方法もありますが、主治医から意見を頂いたり、その上で役所へ申請したりする必要が出てきます。
自治体によっては「車いす(付属品含む)」はケアマネのアセスメントの結果で必要性があると判断し、担当者会議を経て「必要」と決定すれば借りられることもあります。
そもそも福祉用具はどのような意味を持って借りる事が出来るのか?
決して利用者が「楽に動作が出来る」ようにするための物ではなく、「自立した生活を促進」する為の物です。
もしくは「介助者の負担軽減」の為に借りる物です。
これを前提に考えると「複数貸与」の「明確な理由」が見えてくると思います。
2台あると楽だからは「不可」
私の経験上複数レンタルすることが多いのが車いすと歩行器。
そして良くあるのが「外用」「内用」に分けて使いたいという理由。
同じ型の車いすや歩行器を2台借りて「屋外用」「屋内用」に分ける為に介護保険を利用するのは相応しくない。
そりゃそうですよね。
国民の介護保険料や国・自治体のお金で「7~9割」が賄われる「介護保険」で「楽だから」を理由に借りる事は認められません。
「車いすで屋外から帰ってきてタイヤを拭くのが大変だから」
「玄関を上がって車イスに乗り換える時に2台あると便利だから」
これらは認められないということになります。
少し話は脱線しますが、「電動車いす」も外出の際に家族が常に同行するなら「レンタル出来ない」という自治体もあります。
理由は「家族が同行するのであれば電動である必要性はなく同行している家族が『通常の車いす』を押すなりしてください」というもの。
言っている事はごもっともだと思います。
それだけ福祉用具を借りるにも「理由」が必要と言うことですね。
複数台貸与する方法
これは自治体に応じてルールが異なるので、利用者の住む地域の市区町村がどのような対応を取っているのか確認する必要があります。
事前に届け出る必要がある自治体もあれば、必要性がケアプランに記載されていればOKという自治体もあります。
私の地域ではケアプランに必要性が書き込まれていればOKです。
複数台借りる理由として、車いすであれば「屋内は車いすが通るスペースが狭く自身で操作する事も難しい為に介助型車いすを利用しているが、屋外は本人自ら移動する事もあり自走式車いすが好ましい」であったり、歩行器であれば「自宅内は小回りの利くもので安全に歩行するが、屋外は段差などに対応出来るようにより大きめのもので安全性を図る」等々。
要するに「本人の自立を促し」「複数台借りる明確な理由」があれば複数台貸与は認められる可能性が高いです。
介護保険の前提として「楽」「便利」という理由で利用出来るサービスはなく、「自立」「負担軽減」を目的に利用するがあります。
ただ、「楽」と「負担軽減」は混合しやすいと私は思います。
利用者の身体機能等を踏まえ、阻害する要因が介護保険サービスを利用することで「楽」になることを考えるのではなく、その先に利用者の「自立」があるのかを常に考える必要がケアマネにはあるのだと思います。
とは言え、こうして書けば簡潔に見えるものでも実際に利用者・家族の状況は千差万別。全て明確に答えることが出来るケースばかりではありません。
それでも、利用者・家族の生活において必要と「明確」に言える「理由」があれば利用を「制限」されるものではありません。
明確な理由を見つけ出すのはケアマネの仕事の一つでもあると私は思います。
今日も最後までお読みいただきありがとうございました。
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