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やばい海外インターンの話pt.4

2月21日 謎の疫病

21日の退勤後に体がほてっていました。夕方とは言え灼熱のヤンゴンは30度近くあるので、感覚がマヒってると思い帰宅。エアコンをつけると悪寒がしたので、熱を測ってみることに。

宿舎の優しい青年スタッフが貸してくれた、原点回帰の水銀体温計 

すると37.5度以上あり、明日出社しなくて済むと思いましたが、やばいマインドに染まってたので、「納期間に合わないから、出社しなきゃ…」と思い、22日は出社。

22日退勤後は、風邪の症状が悪化し、腹痛と熱の症状がでました。同じインターン生に相談すると、途上国に来ると皆通る道だから心配するなと、ポカリとおかゆをくれました。

23日起床後、半端ない熱と腹痛で目を覚まして、出社はおろかまともに立ち上がる事も出来ませんでした。決死の思いで休みの電話をし、宿舎近くの町医者を紹介されたので、夕方に町医者へ。

町医者まではまともに歩けないのでUBERで行きました。熱を測ったあと説明する暇もなく注射されました。そして、熱が下がらないなら大きな病院へ行けと説明され、処方箋も何も貰う事なく返されました。

こんな時でも人はお腹が空いてしまう生き物です。でも、買いに行く気力も起きないので23日は何も食べず、ミャンマーに進出している大塚製薬のポカリスウェットで凌ぎました。

24日に紹介された病院までUBERで向かう事に。昼間のダウンタウンから郊外の大きな病院へ向かうには片道1時間くらいかかりました。40度近い熱があると最早感覚すらないですが、海外で一人死ぬか生きるかの選択を迫られているので、ベットから宿舎まで這いつくばって移動。

24日レオ病院着。ドデカイ病院でなんか救われた感覚がすごかったです。直ぐに診察を受けて、採血などを通じて様々な疫病の検査を受けました。

2月24日 結果発表

ドキドキの疫病結果。結果はパラチフス。1~2週間安静にする事を告げられました。でも、やばいマインドで納期を気にしてました。しかもサルモネラって食中毒の悪化版だろと思い、「もし治療しなかったらどうなる?」と聞いたら、若干キレ気味で「48時間後、貴方の腸に穴が開き、腸内から出血して大手術を行う事になるけどそれでもいいならいいよ。」と返答。

「これは大変申し訳ございません、安静にして治療します」と返事をしました。その後抗生物質の点滴を投与され、処方箋も出してもらいました。

2月25日 何の日か是れ帰年ならん

もうインターン先の納期とか、責任とか、海外にきて生活するプライドとかよりも死ぬのが怖かったので、2月25日にインターン先へ2週間程休むとslackで連絡しました。そして、このやばいマインドから目が覚めた瞬間でもありました。

25日にまた病院へ向かい抗生物質を投与されました。このインターンからどうしても逃げたくなっていました。どうしても帰りたいので、医者と看護師に「ほんとに帰りたいので1か月の治療が必要になると診断書書いて」とお願いしたくらいでした。

私の母親は早く帰って来いといってました。そもそも学生インターン生が異国の地で病気を患って責任者が連絡一つもよこさないのはおかしいとの事。18歳の青ガキだった私はかっこつけて「平気だから」と言ってましたが、内心帰りたいの思いで一杯でした。

医者曰く、もし帰るなら一応感染症だから完治してから帰れと言われました。

2月27日 ホテル移動

働いていないのに、いつまでも同じ宿舎に居続けるのは申し訳ないのと、ルームサービスで食事を頼めるホテルに移動することに。また、外国で腹を下した時はレストランや屋台で食べ物を食べると汚染されてる可能性があるので、安心安全のホテル内のレストラン若しくはルームサービスでしのぐといいです。

今までホテルは共有トイレとシャワーでした。これもまた宿泊客とスタッフみんなの距離が近いのでこういう安いホテルも大好きでした。あとスタッフとも仲良くなってたので、離れるのは正直言って嫌でした。

移ったホテルはヤンゴングランドユナイテッドアーロンブロンチというホテルでした。中々よさげなホテルでここで5日間くらい滞在しました。一応高級ホテルという分野に入りますが1泊3000円で宿泊できたので良かったです。

朝食ビュッフェって取りすぎて食べきれないよね

ホテルからでれないので、ヤンゴンの夜景見まくりました。

ミャンマーはサッカーが大人気なので、常に海外サッカーが垂れ流されてます。

2月30日 帰国を決意・まずインターンってなんだよ

少し症状が落ち着き始めました。でもまだ感染リスクが続くので出社はしませんでした。インターン先の社員へ連絡して、家族と相談して今回は帰ることを伝えました。納期とか責任とかはどうでもいいと思ってました。冷静に考えて、搾取じゃろこんなのと気づき始めました。

仕事上でボスに怒られたとき、「お前が異国の地で生活する際の責任者は俺だから勝手な行動はするな」と言われました。しかし、疫病にかかって死にかけている若者に対して、ノーアプローチでボスも社員も闘病生活中に一度も顔を見せなかった。

でも、社会に出たら当たり前の事です。そこは深く深く自覚してますが、あくまでも未熟な学生インターンという事をわきまえて欲しい。学生インターンとは仕事の内容理解・適正理解が目的。

次回、復讐のミャンマー編

ダウンタウンの朝焼け



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