# 袋の口をきちんと縛る,ということ~帰国勧告を受けて~

本日,外務省の感染症危険情報に関する更新があり,渡航危険レベルがヨーロッパ概ね全土でレベル3(渡航中止勧告)に引き上げられました.

これに伴い,大学の国際教育課から帰国の要請があり,帰国することになりそうです.

正直今帰国するのは自分への感染リスク,及び帰国後の他人へのリスクを考えると得策とは言えません.

ただ,ドイツ-羽田間の直通便が生きている,鉄道の運休・国境閉鎖等の措置もとられていないことを鑑みて,”帰国できる”というエビデンスが整っている以上,学校の指示に従う他ありません.

自分はあくまで日本の大学生であり,大学の名前を背負ってきてしまっている以上,大学からの指示に従う責任がある.僕がリスクに関してあれこれ申し立てをしたところで学校の指示となれば従う他ない,そう思って言い聞かせるしかありません.

しかし,今帰国するのは全く実感がない.あれ,俺帰るのか.

そもそもレベル2に引きあがった時点で帰国は想定されてしかるべきだった.だけど自分の中にその選択肢はまるでなかった.実際今も研究所の先輩とのやり取りは続いているし,すっかりこちらで根付いた生活になってしまっていた,そう実感せざるを得ません.

僕のゴールはあくまで2020年8月だったし,折り返してさてこれから何をしよう,そんなタイミングでした.

でも,そんなこと言っても何にもならない.これは最早僕の留学云々かんぬんの問題ではないし,僕もやはりチーム(大学,日本,人類)の一員として行動することを考えなくてはいけない.

そしてやはり不本意ではあるけど,一度は終わってしまうこの留学生活に何か終止符を打たなきゃいけないとも思う.次につなげるためにここで自分が学んだことは何か,次に学べることはなにか,整理して次に進まないといけないと思う.袋の紐が開いたままでは自分の中に何も残らないような気がするので,やはりどこかで紐を閉める作業が必要だと考える.

時間は待ってくれない.刻一刻と変わる状況の中で生きていかなければいけないのはウイルスの有無に関係ないことだし,生きていれば何が起こるかなんて誰にも分からない.

今の時点では悔しい,悲しい,そういった感情はなくて,”あれ,俺帰るのか”,という事実だけが頭の中にあるようなそんな状況です.きっと後から色々こみあげてくるでしょうが,まぁそれは追って整理しながらまたここに残しに来ます.

ただ,本当に生きていれば何が起こるかわからない.これを痛感するに尽きません.

だから楽しい人生なのかもしれないけどね.

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