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掌編小説

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Twitter300字SS(https://privatter.net/p/310549)ほか、突発掌編をまとめたマガジンです。
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#創作

母の遺言



 凍えるような戦争が終わって緩やかに日常が戻り、けれども母は戻らなかった。国仕えの身である以上、出征も戦死も予期されたことだとはいえ、骨が灰になるまで守護術を行使したがゆえと言われれば涙に溺れるほかはない。
 役人が遺書を持ってきたのは、ようやく混乱と悲愴と欠落が凪いだ頃合いで、平常心を総動員してそれを受け取った、のだが。
「呪いの書並みに厳重な封印なんだけど」
 学生の僕、料理人の父。当然な

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泣かない



 辺りを憚らず爆泣きしている女子高生に恐れをなして、先客のキッズは逃げていった。
 公園に二人きり。重い。

「泣かないって言った」
「泣いてない~!」

 全部濁点がつきそうな声だ。二人分のハンカチは既に水浸し。制服の袖が犠牲になりつつある。

「だってわかってたもん」

 バスケ部エースで生徒会長。容姿端麗、品行方正。そんな男に平成最後のアタック(死語では?)すると駆けてって、今に至る。

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