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Amazonの失敗から学ぶ【ベゾス・レター】

今夜は、誰もが知るであろう企業「Amazon」の失敗とそこから学べることについて書いていこうと思います。

このテーマにした理由は、ベゾス・レターという本を読んだからです。

-目次
・成長への14ヶ条
・いい失敗とは
・Amazon最大の「いい失敗」とは
・最後に

成長への14ヶ条

「ベゾス・レター」の本の中で登場する「成長への14ヶ条」は、筆者がベゾスが21年にわたって書き続けてきた株主へ向けてのレターから研究・分析を重ね導き出したものです。

✴︎戦略的な「実験」
1.「いい失敗」を促す
2.大きなアイデアに賭ける
3.ダイナミックな発明や革新を実践する
✴︎「構築」して未来へと進展
4.顧客にこだわる
5.長期的な考え方を採用する
6.自分の「弾み車」を理解する
✴︎成長を「加速」
7.決定は迅速に行う
8.複雑なことは単純化する
9.テクノロジーで時間を短縮する
10.所有者意識を持たせる
✴︎「規模の拡大」に役立った
11.企業文化を守る
12.高水準を重視する
13.重要な項目を計測し、計測項目を疑い、自分の直感を信じる
14.常に1日目だと信じる

経営者にはもちろん、そうではない人でも人生においての学びが多くある内容です。今回はその中でも、特に心に残った第一条の「いい失敗を促す」について紹介します。

いい失敗とは何か

アマゾンドット・コムは何度も失敗を経験していますし、損失も数十億ドル出しています。誇張ではありません。ペッツ・ドット・コムやコズモ・ドット・コムを思い出す方もいるかもしれませんね。こういう失敗をしでかしたときは、麻酔なしでて根元から歯神経を抜かれたような気分です。楽しいはずもありません。ですが、結局はたいしたことないのです。

2014年のインタビューでベゾスはこう言っています。失敗(リスク)に対する捉え方の違いが分かりますよね。では、なぜベゾスは「失敗」に対してこのような考え方を持っているのでしょう?

それは、「宇宙」と関係がありました。ベゾスが子供のころ、NASA (アメリカ航空宇宙局)のアポロ計画で2つの出来事がありました。

それが、「ただの失敗」と「いい失敗」の2つを表していたのです。

「ただの失敗」
1960年代初期、NASAは人類が月面に着陸してから地球まで安全に戻ってくることを最終目標として、マーキュリー計画、ジェミニ計画、アポロ計画を立ち上げた。だが、最初の挑戦だったアポロ1号は、胸が張り裂けるような悲劇に見舞われることになる。宇宙ロケット発射基地で飛行前点検をしているとき、突然爆発が起き飛行士の3人が命を落とした。原因は電気機器周りで起きた火花だったことが判明した。船内に燃えやすいナイロン素材が搭載されていたうえに純粋酸素で加圧されていたため、火があっという間に広がったのだ。また、船内の気圧が外部より高かったせいでドアハッチが開かず、3人の救助にすぐ取り掛かれなかった。救助を難しくしたもう一つの理由は、緊急時の対応を十分想定していなかったことだ。ロケットに燃料を入れない点検だったため、誰も「危険」とすら考えていなかったのだ。
「いい失敗」
アポロ13号の支援船には、乗組員の生命維持機能があった。この支援船に備えつけられていた2台の酸素タンクの一つが通常飛行中に破裂して、生命維持機能が損傷した。このときに乗組員たちが飛行管制センターに報告した言葉が、今でも有名な「ヒューストン、問題が発生した」だ。宇宙飛行士たちは命の危険にさらされていた。だが、エネルギーと酸素を無駄にしないよう、3人は司令船を放棄して、狭い月着陸船に移った。NASAも、宇宙飛行士を地球に帰還させる策を講じるために飛行管制センター全体で取り組んだ。アポロ1号の悲劇から得た教訓が、ここで活きたのだ。激動の3日間を経て、3人は無事に地球へと帰還したのだった。

ここでの失敗の違いは、準備の違いだと僕は思います。アポロ1号の時の失敗は「万全な準備」をしていなかったのに対して、失敗を活かしたアポロ13号の時は、「万全の準備」をしていたのが迅速で柔軟な対応に繋がったに違いないでしょう。

Amazon最大の「いい失敗」とは

実は、アマゾンも立て続けに2回失敗して多額のお金を失ったことがあります。これが最終的にはいい失敗になりました。

1つ目の失敗
1999年にアマゾンがイーベイと競合するために行ったAmaznオークションというサービス。失敗の要因は、消費者がアマゾンで製品を競り合うこと自体に拒否感を示したこと。アマゾンで買い物する消費者が望んでいたのは、製品を選んで、決まった(できれば安い)価格で購入することだった。
2つ目の失敗
アマゾン以外の「売り手」もアマゾンの店舗上で販売できる「zShos」というサービス。売り手が独立したログインページと検索エンジンを使って、アマゾンサイト内に自分の製品を表示する特設ページを作ることができる。失敗の要因は、余分な手順(アマゾンサイトから別のサイトへの遷移など)を顧客が嫌がったことだった。

しかし、この大きな失敗2つから誕生したのが、数百億ドルという収入を生み出すことになった「アマゾンマーケットプレイス」です。この失敗がなければ今のアマゾンはありません。

最後に

世の中に失敗に関する言葉は多くあります。どれも良い言葉なのですが、失敗の本質に触れているものは少ないと思います。

この本で学んだのは、失敗には「良い失敗」と「悪い失敗」の2つがあるということ。そして、事前に徹底して準備をして取り組むことで、ただの「失敗」も「良い失敗」「成功へ繋がる失敗」に繋がるということです。

ベゾスのように「麻酔なしでて根元から歯神経を抜かれたような気分」と言えるくらい全力で生きなきゃですね。

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