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Amazonのカスタマーサービスが最高品質な件【ベゾスレター】

今夜は、AmazonシリーズということでAmazonの顧客への考え方について書いていこうと思います。

今までAmazonについて2本のnoteを書いてきたので、そちらも是非読んでみてください。


目次
・Amazonの顧客に対する想い
・顧客にこだわった事業
・Case1:カスタマーサービス
・Case2:自動システム


Amazonの顧客に対する想い

毎朝起きるときに怖さを感じるようにと指導しているのです。恐怖を感じるべきは競争相手ではなく、お客様です。ここまで当社が成長できたのはお客様のおかげです。お客様は私たちの取引先でもあり、頭の上がらない相手でもあります。お客様は当社へのロイヤルティを持っていますが、そのロイヤルティが続くのは、他社が当社より良いサービスを提供する瞬間までです。
-ベゾス(1998年版レター)
お客様のニーズから逆算して取り組もうとすれば、多くの場合、新たなノウハウの習得、つまり新たな筋肉の増強が必要です。最初のうちは居心地の悪さや不快感があるかもしれませんが、それは仕方ありません。
-ベゾス(2008年版レター)

ベゾスは2回の株主に向けた手紙で「顧客について」綴っています。

また、アマゾンを象徴する円弧型のマークは「笑顔をお客様の玄関までお届けします」という意味があるほど顧客に対する想いは強いのです。

顧客にこだわった事業

アマゾンの顧客へこだわりにおける極意は、概念だけでなく実践面にも表れています。それが表れているのが、カスタマーエクスペリエンス3本柱です。

・低価格
・最高の品揃え
・速くて便利な配送

「小売業界の傾向として、この3本は時の変化に耐えうるものだと信じている」とベゾスは言います。しかし、顧客ではなく商品ばかりに力を入れてしまう企業も少なくありません。

そうならないためにも、アマゾンは常にこう自答しています。

・顧客は誰なのか
・顧客が抱えている問題または顧客のビジネスチャンスは何か
・顧客のメリットの中で一番大切なのは何か(1つのみ)
・顧客の要望はどうすればつかめるか
・顧客はどんな体験ができるのか

では、ここからはAmazonが実際に顧客に行った取り組みを紹介していきます。

カスタマーサービス

通常、カスタマーサービスの担当者は電話やチャットで何も考えずにチェックリストや台本だけを読む場合が多いです。

一方、アマゾンの担当者は、顧客のために最善策を行う権限を持っているのです。

これは筆者の妻(買い物に出かけるのが嫌で、アマゾンのショッピングが大好きという人間だ)がごく最近経験した話です。

Amazonでノンカフェインのコーヒーを注文したのが、普通のコーヒーが届いた。カスタマーサービスのチャットに連絡すると、交換処理のうえで担当者にはこう付け加えた。「もし間違った商品が届きましたら、当社にご連絡ください。システム上の商品情報を確認して調査いたします。」

その後、本当にまた間違ったコーヒーが届いたので、アマゾンに電話してそのことを伝えると、担当者は商品情報を確認して、商品表示のブランドを差し替えて、こんな木の件で妻が被った面倒に対して返金してくれた。

この件で、筆者の妻はどう感じたでしょうか?確かに手間はかかったが、上機嫌だったのです。話を聞いてもらえたこともそうですが、何よりも担当者が問題の根本に対応する姿を見て、本気で解決しようとしていることが伝わってきたからです。

自動システム

アマゾンは顧客の通信品質を確認して自動的に対応する自動システムを構築している。これはある人がAmazonで「カサブランカ」というビデオをレンタルした際の出来事だ。

とある男性は、仕事のために「カサブランカ」をレンタルした。この映画からビジネスのシンプルの教訓を抜き出して、記事を書こうとしていた。映画を全てみるつもりは一切なく、ポイントとなる部分のみを拾うべく、再生・停止・巻き戻し・早送りの操作を繰り返していた。当時の動画配信状況を思えば当然だが、プレーヤーはたびたび停止する。そのたびに巻き戻す必要があった。ただ、2012年の当初の動画配信の処理は控えめにいってもぎこちないものだったし、プレイヤー側の問題、自分のインターネット接続の問題、アマゾン側での何かしらかの問題かは分からなかった。

そんな中で、ビデオを見た翌朝にAmazonから届いたときの驚きを想像してほしい。
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いつもご利用いただきまして、ありがとうございます。
アマゾンのオンデマンド配信サービスでレンタルしていただいた以下の作品で、再生品質が低いことを確認いたしました。

・「カサブランカ」

ご不便をおかけして誠に申し訳ありませんでした。
お詫びとして、以下の金額を返金させていただきます。

・2.99ドル

(中略)またのご利用をお待ちしております。

アマゾン・オンデマンド動画配信チーム
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このメールを貰う顧客は良い気分になるに違いないでしょう。
目先の利益に目を向ける会社や人が多い中で、アマゾンは短期的な利益などはたやすく犠牲にし長期的な顧客ロイヤリティを生み出すことを追求しています。

これはまさに、Amazonの「顧客にこだわる」ことを体現しているエピーソードですね。

最後に

Amazonの顧客に対する考え方はいかがでしたでしょうか?

個人的に、これを実際に体現している企業はそう多くないように思います。僕も某有名宅配サービスのカスタマーサポートに連絡する機会がありましたが、客観的に見ても顧客の課題を根本から解決するような対応ではなかったように思います。

しかし、Amazonは「顧客に対して妥協しない姿勢と行動」を、経営層はもちろん、社内全体(カスタマーサポートなど)と社外の利害関係者などAmazonに関わる全ての人に行き渡らせています。

これこそAmazonの最大の強みではないでしょうか。

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