固く結ばれた母の布
8月1日の開業まで残りあと1週間。
事務所となる部屋の掃除と事務用備品の組み立てで毎日超忙しいです。
体を使う仕事は夏にやるもんじゃない、と思いました。
事務所となる部屋は両親が使っていた部屋なんですが、古いアルバムが出てきたり、両親の仕事の書類が出てきたり、興味をそそられながらもそんなのを見てたら片付かないと思って、どんどん捨ててしまいました。
母の部屋の電気の紐には端切れ布が結んでありました。
和室なので、紐を引っ張って灯りを付けたり消したりするタイプなのですが、どうして端切れ布が結んであったのかというと、
電気の紐が短くて手が届かないからです。
母はそんなに背は低いほうではなく、どちらかというと同世代の女性と比べたら大柄のほうですが、それでも私より15cmぐらいは低かったと思います。
その端切れ布を外そうとしましたが、なかなかしっかりと何重にも結んでいて難儀しました。
何重にも結んであることに加えて、結んだ位置が私の頭の20cmぐらい上だったでしょうか、手を上げ続けていると、すぐにだるくなります。
端切れ布を結んだのは母がだいぶ病気を悪くしていた頃だったと思うので、結ぶのも大変だっただろうな、と思いました。
「結んで」って言ってくれれば良かったのに。
頼むのを遠慮したのでしょうか、言いにくかったのかな。
病気で体の動きが悪くなってきた母に、リハビリだと思って、なんでも自分でするように仕向けていました。「自分でできることに、まわりは手を出さない」、自立支援の精神ですね。
なんでそういうかかわりをしてしまったのだろう。
もっと優しくしてあげればよかった。
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