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「しなければならない」は響かない時代

27年ほど社長をしてきた僕の感覚ですが、理詰めで「しなければならない」と指示したところで人は動きません。
特に、できる人材ほど響きません。

これは咋今に始まった話ではなく、創業して少し経った頃にはそう感じていたと思います。
人は全く思い通りに動かないです。

いや、実際には、僕の「しなければならない」に当人は応えたつもりだったかもしれません。
ただ、僕がそれを不十分だと思っていたから、このように感じてしまっているだけなのかもしれません。 

その正確なところはわからないけれど、理詰めで「しなければならない」と指示したところで、僕にとってはあまりやっているように思えないし、やっているとしても不十分な気がします。
なので、「しなければならない」と言うことは年々減ってきたように思います。

考えてみると、創業して間もない時期や、そういう厳しい時期を何年かくぐり抜けると、幹部陣にも力が付き、自分で考えたことができるようになります。
しかも、みんな会社想いで責任感も強いから、自分の考えも十分に持っています。
よくよく考えてみれば、現場に近い当人たちの方が、やるべきことに大体気づいているものです。

そんな当人たちに、僕が焦って「しなければならない」という必要もないでしょう。
むしろ、言わなくてもわかっていることに僕が口を出した分、やりたくない仕事になってしまうかもしれません。

経営者として27年が経ち、おかげで最近は、社員の提案に「それはいいなあ」と乗っかるかたちで経営判断をすることが増えました。
社員たちが目の前のことで一杯いっぱいになっているときに、ちょっと先を見越して「こうなればいいなあ」とか「こうしたいなあ」と発言する程度になりました。

「いるのかいないのかわからない社長」と思われたりする理由がこれかもしれません。
もしかしたら「技術のわからないおじさん」というふうに思われているかもしれません(笑)。

社員たちみんなが自分で考えたことを実行し、それによって現実に日々会社は回っています。
会社に問題が全くないわけではなく、むしろ多数ありますが、基本的には現場が改善に取り組んでくれています。
僕が焦って「しなければならない」という場面では、今はないでしょう。

本当にここぞという時は、社長として先頭に立とうと思っています。
滅多にないことですから、その時は頼むのでついて来てほしいです。


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