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原材料を買うという習慣

先程、包丁を研ぐサービスについて記事を書いた。

その記事を書きながら、初めて砥石を買った時のことが鮮明に脳裏に蘇った。

あれはもう、20年以上前。新卒でアパレル企業に入社した私は、一人暮らしをしていた。

料理は、まだ、趣味の域。楽しくて楽しくて仕方が無くて。

でも、まだ、インターネットも整備されていないあの頃。

4色からカラーが選べるiMac。その売り文句が【月々のピザの宅配料金で購入できる】という、イマイチ日本人にはピンとこないCMだなぁ~と思いつつも、そのスタイリッシュな佇まいに飛びついて購入。32MBのメモリを増設したんだっけ。32MBって。

So-net社のピンクのくまのポストペット(メールを出しに行ってくれるアバター)が、メールを出しに行ったまま帰って来なくて、メンタルやられそうになってしまっていたあの頃。

今なら、検索すれば、溢れんばかりのレシピが湧き出てくる時代だが、あの時代は、記事職人やブロガーさんなどもおらず、レシピは本でしか仕入れることはできなかった。

そんな時代にもかかわらず、イメージだけでキムチを漬けていた程、ややオタク気味の料理好きだった私は、包丁の切れ味が悪くなったことが、気になって仕方がなかった。

そんなある日、自転車に乗って街を流していたら、

【包丁研ぎ 800円】【砥石 1500円】

という看板を金物屋さんの前で、ふと目にする。

もし、包丁の研ぎ方をマスターできたら、一生、切れ味の良い包丁を使い続けることができる。きっと、包丁を研ぐ人も人間だから、勉強して、研究すれば、私にもできるかも。

ここは、【砥石 1500円】が買いだな。

やはり、私は、立派なオタクだったのだ。

それからというもの、図書館で【刃物の歴史】【鍛錬とは】のような本を読み漁り、モリブデンというステンレスの刃が比較的柔らかく、女性でも手入れしやすいという結論に辿り着く。

そして、今、愛用しているナイフは【正広】【モリブデン】【本焼き 15cmペティーナイフ】。

大多数の人が、包丁を当たり前のように使用しているが、私の手に、包丁は大きすぎる。女性の小さな手には、包丁ではなく、ペティーナイフ位の大きさのものが、小回りも効き、一番使いやすいと考えている。

このペティーで秋刀魚も捌く。でも鯵は鯵出刃と決めている。(万能なわけではなく、やはり適材適所はある)

が、持ち手の部分が樹脂でできており、木製のものに比べると清潔に保ちやすい。特に高価なものでもないが、研ぎを進めた時の刀のように、気持ち良すぎるシャープな切れ味。一斤のパンを鼓膜のように薄く薄く切り進めると楽々20枚以上切れる程、女性の力でも、切れ味よく、整えることができる。

良いナイフを購入することに拘りがある人は比較的多いように思うが、その、切れ味を維持することに興味がある人は、少ないように思い、残念に思っていたが、チョリンチョリンに切れるナイフで授業を重ねるごとに、生徒様の中に、ナイフの切れ味に拘りが出てきたことは、とてもとても嬉しい産物だ。

これと少し似ている習慣。

私は極力、ペットボトルは買わないと心に決めている。

私にとって、ペットボトルの飲料は身に余る想いを感じさせる。

今は時代が時代だから私が少しおかしいのかもしれないが、水が一滴も漏れずに運ぶことができる容器を飲みきったらといって、捨ててしまうことが、私には、身に余る想いで、捨てる瞬間が、心地よくない。リサイクルできれば、ゴミは出し放題で本当に地球は大丈夫なんだろうか。

原材料の茶葉は台湾に行った時に、1年分を購入してストックするようにしている。

2倍濃度の水出しにして、冷蔵庫に8種類程ストックし、
ステンレスの大容量タンブラーに、たっぷりの氷と共に持ち歩けば、
いつでも良く冷えた飲み物を口にすることができる。

そう。私は中途半端な温度の飲み物も、 一番菌が繁殖しやすい温度帯をキープしているようで、不衛生な気がして 苦手。飲みかけのペットボトルを常温で保管して次に飲むことに抵抗がある。

保温ができるステンレス2重タンブラーも、それに使用しているステンレスストローも台湾で購入した。日本ではなかなかお見掛けしない、ストロー用の穴が蓋にあり、蓋を外せばジャブジャブ底まで洗いやすい。

お気に入りのステンレスタンブラーは自宅に居る時も飲み物を作るために中座して、集中力を切らさなくても良いように仕事を始める前には、たっぷりとコンブチャ+台湾茶+少しのフルーツ果汁を入れて特製ドリンクと共にPCに向かう。結露でデスクが濡れることもない。

(コンブチャの作り方動画はこちら

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また、ペットボトルを買わないと決めている事で、結構、思い切った買い物を本当に必要なら、ポンと買える。

その理由は、ペットボトルを買わずに、マイタンブラーを持ち歩くことで、月々5000円をプール。年間で6万円、5年間で30万貯金したことになっているからだ。

ふとした瞬間に軽いギックリ腰になったあの日。上位モデルの30万のマッサージチェアを特に迷わず、ポンと購入した。1回1万円のマッサージに通うよりはコスパが良いと考えたからである。そのマッサージチェアも 10年目を迎えそろそろ買い替えなければならない。でもきっと、これは、私には必要なモノで、元気の原材料として買い替え続けるだろう。

(誤解していただきたく無いのだが、普段は、それは、それは、     とても、とても、つつましやかな暮らしをしている)

原材料でいうならば、極力、ドレッシングやポン酢、合わせ調味料などは買わない。単一の調味料を購入し、合わせる。てんぷら粉も買わずに、薄力粉、コーンスターチ、片栗粉などの原材料を購入する。米粉は米から、粉糖は、グラニュー糖から作る。できれば、野菜も種を購入するようにしたいが、ベランダ農場にも限りが有るので、今のところは、良く使うバジル、ミント、あいこトマトなどに留まっているが、本意は野菜は買わずに種を買いたいのは山々なのである。

ベランダ大改造の様子はコチラ

とはいえ、そういう手間にかかる時間をお金で買うという理論も正しいと 思っているので、否定しているわけではない。

もしかすると、その様に節約することで、大きなお買い物を許す理由が欲しいだけなのかもしれない。

長々と書いてしまったが、原材料を買う行為を習慣化すること。

この行為は、どこか投資に似ていると感じている。


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