見出し画像

11年ぶりのテスト勉強

大学受験失敗

 ザ・ハーモニーのケア事業部責任者のコースケです。
 僕は大学受験に一度失敗しています。
 まあ高校3年生のときに受験勉強より思い出作りを優先していたので当然なんですけど、志望校に落ちてしまいました。

 その後一年間浪人するのですが、裕福な家でもなかったので予備校にはいかず、自宅浪人 ー いわゆる「宅浪」をすることになりました。

 宅浪は家族以外の人間にほとんど会わない生活を一年間続けるので、まあ孤独で、結構精神的にもタフな時間でした。見た目とかにも気を遣わなくなってきて(気を遣う必要がないので)、今思い返すと髪も髭も伸ばしっぱなしの、なかなかナチュラル派な感じに仕上がってたと思います。

こんな感じ?

 そんなタフな宅浪を経て、めでたく志望校に合格しましたが、あまりにも孤独でタフな時間を過ごしたので、合格したときに心に固く固く「もう絶対テスト勉強はしない!」と誓ったのを覚えています。

福祉士の資格

 にも関わらず、そのあと少なくとも2回テスト勉強することになります。
 一回目は精神保健福祉士、二回目は社会福祉士という国家資格のテスト勉強です。
 一回目は就職にも関わってくること(その資格を持っていることが雇用の条件)なので、まあ「やむなし」としても、二回目は別にそれがなければ仕事に就けないわけでもないし、持っているからといって資格手当の金額が上がるわけでもない、本当に自分の為だけのテスト勉強でした。
 不思議ですね。あれだけ「もう絶対テスト勉強はしない!」と思っていたのに。

11年ぶりのテスト勉強

 それからしばらくは幸いにもテスト勉強をせずに生活を送ることが出来ました。社会福祉士の資格をとったのが2011年なので10年間はテストから離れられました。2回破ってしまいましたが、やっと「もう絶対テスト勉強はしない!」の誓い通りの人生を手に入れたのです。

 しかし、またまた誓い破りを犯してしまうときがやってきました。

 わがザ・ハーモニーに転職したことがそもそものきっかけ。

 事業戦略上の理由もあり、CEOから「僕とコースケさんはケアマネの資格を取りましょう!」と言われたのです。
 上述の人生の誓いもあったし、落ちたら恥ずかしいという気持ちもあったので、その提案を聞いたとき内心「マジかぁ~😫」と思いました。加えて、受験申込の直前になって、なんと発起人のCEOが受験資格がないことが判明し、CEOは受験からフェードアウトしたのです。(「マジか‼️💢」)

 一方、僕は既に申込を完了していて受験料も納付済。ここから「じゃあ僕も。。。」とは出来ません。そんなこんなで2022年10月9日の試験に向けて、僕は、11年ぶりにテスト勉強をすることになったのです。

学び直し

 僕のキャリアはほとんど精神障がい者支援の領域にありました。医療や福祉に身を置かない人は知らないと思いますが、国際疾病分類においては認知症は「精神及び行動の障害」に分類されます。つまり認知症は精神疾患なのです。
 だから僕が最初に働いた精神病院にも認知症病棟があり、そこの入院患者さんの退院支援を通じて介護施設と接触することもありました。
 つまり、僕にとって介護領域は近接領域であって、詳しくはないが全くの無知でもない、ちょっと「知ったかぶれる」領域でした。

 だから、正直に言うと、ちょっとタカをくくっていました。「とはいえ、何とかなるだろう」と。

 しかし!
 しかし!でした!

 受験するケアマネ(正式名称:介護支援専門員)試験ですが、なんと合格率がめっちゃ低いということが判明!(判明というより僕が知らなかっただけw)
 だいたい20%を下回り、平成30年度なんかでは合格率10.1%という結構な難関だったのです。

 これはちょっと付け焼刃ではまず無理だろうとフンドシを締め直し、計画立てて勉強しようと思い直しました。

 具体的には、あれもこれもと勉強の幅を広げるととっちらかってしまうので、勉強する教材は〇ーキャンのテキスト2つに絞って、勉強開始日から受験日までの日数を逆算し、その日数でテキスト2つを1周+アルファ勉強できるページ数を割り出し(具体的には1日6ページでした!)、何があってもそのノルマは確実に絶対にこなすという義務を己に課して、それだけを愚直に行いました。

 勉強内容についても、先述したようにちょっとタカを括っていたところがあったのですが、結果的に自分がほぼ無知に近かったことがわかりました。また、年齢的な記憶力の衰えも顕著なので苦戦は必至でした。やっぱりナメちゃダメですね。何事も。
 ただ、ケアマネの勉強は介護保険制度について全体的に学ぶことに繋がる内容になっており、知ったかぶっていた介護領域の仕組み・構造を一から学び直すことが出来ました。言うまでもなく、そのことは今の仕事に対する解像度を高めてくれました。
 本意から始めたテスト勉強ではありませんでしたが、結論、やってみてよかったです。

 そして、無事に試験にも合格しました。(合格率は19%だったとのことです。😁ドヤッ)

テスト勉強を終えて

 さっきも言いましたが、11年ぶりにチャレンジしたテスト勉強は、四苦八苦しましたがやってみてよかったです。
 一番はやはり自分の今の仕事に対する解像度が上がったこと。何となく知っていたつもりになっていたことを、きちんと学び直したことによって、自分が携わる仕事や事業が制度構造上のどこにあり、どういった人たちが関わっているのかがちゃんと理解できるようになりました。
 もう一つは「受験したこと」そのものをよかったと思います。
 昔「もう絶対テスト勉強はしない!」と固く誓ったのですが、思えば1つの目標に向かって頑張ること、そしてゴールできたときの達成感を、長らく味わっていませんでした。
 久しぶりに味わった達成感はこの11年間にはなかった充実感を、僕にもたらしてくれました。

 余談になりますが、ケアマネ試験は合格しただけでは資格をもらうことは出来ず、そこから約半年の研修を受けないといけません。
 それはなかなかの拘束力で、正直ゲンナリします。ザ・ハーモニーでは割と自由に働かせてもらっているので、僕はまだマシな方だったと思いますが、受験生の中にはこの研修を受け続けるために仕事をやりくりするのが苦しかった人もいたでしょう。
 ただその中には見学研修といって実際のケアマネ事業所に3日間ほどお邪魔して実際の業務を見せていただく機会もあり(その見学の交渉を自分でしなければならないというハードルもありますがw)、またグループワークが多いので受講生同士で段々と仲良くなってきてちょっとした学校気分も味わうことが出来ました。
 思えば、社会福祉士の資格をとるときも通信制の学校に通っていたのですが、たまに学校に行く「スクーリング」の時間が楽しかったのを覚えています。

 何故、僕たちは学び続けるのでしょう?

 僕なんかは「もう絶対テスト勉強はしない!」という誓いを立てもしたのに、何が楽しいのかこれで3回もテスト勉強したことになります。テスト勉強に限らず、時間が空いたら読書し、何かしら学んでいる人も多いと思います。
 何故、僕たちはこんなにも学ぼうとするのでしょうか?

 この問いに関しては、かの有名な平賀・キートン・太一先生の名言を添えて、この記事を終わりにしたいと思います。

「MASTERキートン完全版」 2巻 浦沢直樹/小学館 より抜粋・引用

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?