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iOS16.4の新しい絵文字

iOS(iPadOS)16.4 と macOS 13.3 では21の新しい絵文字が利用可能になりました。
2023年4月8日:iOS(iPadOS)16.4.1 と macOS 13.3.1 について加筆しました

この記事は OS(iPadOS)16.4 または macOS 13.3 以降で表示してください。
それ以前の環境では絵文字部分で文字化けが発生します。

絵文字アナライザ v1.9の画面

前回(iOS 15.4)の追加より少ないですが、追加以外の変更点もあります。

無料アプリ 絵文字アナライザ バージョン1.9 の絵文字サンプルで iOS/iPadOS 16.4 に追加された絵文字を確認できます。

unicode.org の Emoji v15.0で追加になった絵文字が Apple のデバイスでも(iOSは16.4から)利用可能になりました。
Full Emoji List, v15.0(英文サイト)


🔶追加された絵文字

追加された絵文字を『絵文字アナライザ』アプリの画面で拡大して確認しましょう。


黒い鳥
ライトブルーのハート
グレイのハート
ピンクのハート
マラカス
フルート
扇子
ヘアピック
カンダのマーク
ヒアシンス
クラゲ
ガチョウ
ヘラジカの顔
ロバ
根生姜
エンドウ豆のさや
震えている顔
左向きに押している手
右向きに押している手
ワイヤレスマーク


🔶macOS 13.3(Ventura)でも新絵文字が利用可能

macOS 13.3でも新絵文字が利用可能です。

macOS 13.3 の文字ビューア


文字ビューアの設定

「文字ビューア」は macOS アプリの「編集」メニューの一番下にある「絵文字と記号」で開くポップアップを

「絵文字と記号」で開くポップアップを

ドラッグするとタイトルバーに現れるボタンをクリックしウインドウを拡張できます。

macOSシステムが常時表示する「入力」メニューの「絵文字と記号」でも開けます。

拡張前
拡張した「文字ビューア」

詳しくは「『絵文字と記号』で文字コードを確認する」に書きました。


🔶黒い鳥の中身

絵文字は一文字いちもじに見えても複数の部品を組み合わせている場合があります。
新絵文字の黒い鳥「🐦‍⬛」もそうです。

従来からある「鳥」の絵文字『🐦』に色指定『⬛️』を ZWJ(ZERO WIDTH JOINER)で連結しています。

これは「黒猫」の絵文字『🐈‍⬛』と同じパターンです。

この方式では新しい絵文字に対応していない場合も『🐦⬛️』『🐈⬛️』と表示されるのがメリットです。
絵文字もユニコードの一部なので、絵文字を追加する場合にはまだ文字が割り当てられていないコードを使います。
そのコードの空きは有限なので、既存の絵文字の色を指定する絵文字は今後も登場すると思われます。


🔶追加された絵文字に対応するキーワード

少し大きく表示されるように『小見出し』を指定しています:

🐦‍⬛:黒い鳥
🩵:ライトブルーのハート
🩶:グレイのハート
🩷:ピンクのハート
🪇:マラカス
🪈:フルート
🪭:扇子
🪮:ヘアピック
🪯:カンダのマーク🪯
🪻:ヒアシンス
🪼:クラゲ
🪽:翼
🪿:ガチョウ
🫎:ヘラジカの顔
🫏:ロバ
🫚:根生姜
🫛:エンドウ豆のさや
🫨:震えている顔
🫷:左向きに押している手
🫸:右向きに押している手
🛜:ワイヤレスマーク


🔶読みが変更になった絵文字

二つの絵文字で読みが変更になっています。

🧙‍♀️ 「魔女」 から 「女性の魔法使い」に変更
📜 「スクロール」 から 「巻き紙」に変更

「魔女」はジェンダーと結びつくため変更になったようです。

魔女と言えば英語では「witch」ですが、それは15.4でも使われてなく、🧙" = "sorcerer"; "🧙‍♀️" = "sorceress"; "🧙‍♂️" = "wizard"; でした。
今回 16.4 での英語の表記は "🧙" = "mage"; "🧙‍♀️" = "woman mage"; "🧙‍♂️" = "man mage"; となり、「wizard」も使われなくなりました


🔶絵文字フォントは31グリフ増えた

絵文字フォントのグリフ数を比較すると31増えています。
21の新しい絵文字と🫷と🫸の肌のバリエーションがそれぞれ5種類で+10です。

AllGlyphsアプリのPDFより(角丸枠で追加グリフ強調を加筆)

絵文字は表示可能ですが macOS 13.3 と iOS(iPadOS)16.4 では肌のバリエーションを選ぶことができません。

2023年4月8日:iOS(iPadOS)16.4.1 と macOS 13.3.1 へのアップデートでこの問題は修正されました


肌のバリエーションがまだ選べない【16.4.1で対策済み】

通常絵文字キーボードや文字パレットで絵文字を長押しすると肌のバリエーションが選択可能ですが(iOS(iPadOS)16.4は)、🫷と🫸 では表示されません。

iOS 16.4(20E247)の絵文字キーボード

【2023年4月8日加筆】
iOS(iPadOS)16.4.1 と macOS 13.3.1 へのアップデートで肌のバリエーションが選択可能になりました
この問題は絵文字キーボードソフトウェアの問題(絵文字フォントはグリフを持っているが選ぶことができない)でした。
iOS(iPadOS)16.4.1 ではフォントに変更はありません。

iOS(iPadOS)16.4.1 では肌のバリエーションが絵文字キーボードで選択可能です


絵文字アナライザアプリの「U+入力」で肌のバリエーションを追加できます。

「U+」1faf8 🏾 で🫸🏾 がコピーできます。

絵文字アナライザで文字コードから肌指定付き絵文字をコピーする

肌指定の5つの絵文字は特殊で直前の絵文字に肌のバリエーションを指定します。
ZWJ(ZERO WIDTH JOINER)不要で肌指定に対応した絵文字の場合は1文字の表示になります。

肌のバリエーション以外にも、今回追加された絵文字を macOS 13.3(22E252)で「再変換」しても読みが表示されないようです。
絵文字の入力に関係するかな漢字変換用辞書も新絵文字対応が不完全のように思われます。

再変換による絵文字キーワードの確認方法は「iOS 15.4 で追加された絵文字」の「キーワードの確認方法その2」をご覧ください。


🔶読みが追加になった絵文字

少し大きく表示されるように『小見出し』を指定しています:

🇧🇻:ブーべ島の旗
🇩🇬:ディエゴガルシアの旗
🇪🇦:セウタ・メリリャの旗
🇭🇲:ハード島およびマクドナルド諸島の旗
🇲🇫:サンマルタンの旗
🇸🇯:スバールバル諸島およびヤンマイエン島の旗
🇹🇦:トリスタン・ダ・クーニャの旗
🇺🇲:合衆国領有小離島の旗

これらの旗は読みが未設定(読みが表示されない)でしたが16.4から表示されるようになりました。

「合衆国領有小離島の旗」が「アメリカ合衆国国旗」と区別がつきませんが文字コードは違います。

絵文字アナライザで見た🇺🇲と🇺🇸


🔶絵文字フォント以外の変更点

iOS(iPadOS)16.4では追加になったフォントはありませんが、PingFang HK・PingFang SC・PingFang TC ファミリー(18フォント)のグリフ数が48939から49452に増加しました。
AppleColorEmoji と PingFang HK・SC・TC ファミリー以外ではフォントにバージョン番号やグリフ数の変更、それに新たなフォントの追加はありません。

AllGlyphs アプリを使ってフォントの変更点を確認

フォントの変更点確認方法については「AllGlyphs 全フォントリスト共有を追加」

を参照してください。

🔶SwiftUIの変更点

iOS 16.4 対応作業中に表示の違いに気がつきました。
15.x では階層構造を持つ場合次画面のように > が二つ並んで表示されていました。

この問題は iOS のみです。
iPadOS では二つ並んで表示する問題はありませんでした。

以前の画面表示

同じアプリでも iOS 16.4 で表示すると

iOS 16.x での表示

このようにすっきりしました。
アプリに変更はなくても実行環境で SwiftUI の表示が改善されたことを確認できました。



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今後も記事を増やすつもりです。 サポートしていただけると大変はげみになります。