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家庭内暴力にさらされる:「戦場状態」にある子どもたち

⚠️注意⚠️
この本文中には、気分を害される可能性がある表現が、いくつか含まれています。事前にお知らせいたします。

パリにあるアメリカン病院の児童精神科医師、ルイス・アルバレス博士が、家庭内暴力にさらされた子どもの60%が発症する「戦争時病理」とも称される複合心的外傷後ストレス障害について解説する。

国際女性権利デーである3月8日、「家庭内暴力にさらされる子どもたち」に関する白書が、エマニュエル・マクロン大統領に手渡される予定だ。

150ページにわたる白書には、母と子によってなされた目眩がおきるような証言と、医療、司法、児童保護の各分野の複数の専門家による意見を寄せており、DV被害者保護の強化が訴えられている。

この白書は、Marie Tamarelle-Verhaeghe(LREM)によって、法律を提案するために作成された。

「今回の要請では、法改正まで審議されないかもしれない。しかし、改正は実現されると思っている」と、ウール選出の議員は自信を持って言う。

既に近隣のいくつかの国では法改正に踏みきっている。また、欧州議会は、DVにさらされた子どもたちを被害者として認め、子どもたちを保護するために親権の行使を見直すよう勧告している。


ルイス・アルバレス博士は、私たちの司法制度では、DV被害者を保護することができないと言っている。


パリの児童精神科医は、10年前から家庭内暴力の被害者である子どもやその親に付き添っている。この深刻なトラウマは、被害者が暴力的な状況から解放されなければ、適切に対処することができない。

インタビュー

パリ・マッチ: 夫婦間暴力を目撃した子どもは、どのような影響を受けるのでしょうか。また、どの時点で子どもの発達に影響がではじめますか。

ルイス・アルバレス博士: 家族間暴力と言った方が正しいですね。愛する両親のどちらかが、もう一方を攻撃するとき、子供はその暴力の間に置かれます。さらに、暴力の直接の被害者であることも多いです。多くの場合、暴力は妊娠を契機に始まります。そして、早産、低体重児、発育不全などのリスクが発祥するのです。妊婦はストレスに晒されると、胎児に有害な環境を作り出します。子どもにとって、日常的に暴力にさらされるということは、子ども適応能力を超え、苦しみの原因となります。子どもはどうにもならない状態に陥ります。自分を苦しめている大人の近くにいる必要があるのです。そのためですが、子どもは自分が受けた暴力を正当化し、虐待する親を愛する親として思い込まなければなりません。その結果、子どもは自分自身に責任があると思わざろう得ないのです。


幼い頃から罪の意識にさいなまれる子供たち

「私が悪くなければ、パパはもっと良くしてくれる」

家庭内暴力の恐ろしいポイントは、この点から始まっていることです。子どもに起きる罪の意識は、心的外傷後ストレス障害の構成要素になります。

「におい、歌、言葉によって、子どもへの暴力は長期間続くことになります」

それゆえ、暴力の影響が繰り返されると、子どもは深刻な精神的外傷に閉じ込められるのです。

子どもの中でどのようなことが起きているのでしょうか。

聞いてくれない、見てくれない、この先どうなるかわからない爆発的な暴力の中を生き抜くために、子どもは強力な防衛メカニズムである精神的解離に訴えます。

もう苦しまなくてもいいように、思考や感情をシャットダウンしてしまうのです。

残念なことですが、精神的解離は子どもを、現時点から、子ども自身から、他者から、切り離してしまい、学習に対する認知能力も悪化させます。さらに、子どもは、1日に何度も起こる耐え難い痛みをもたらすフラッシュバックから自分を守るために、精神的解離を起こします。

フラッシュバックは記憶ではなく、トラウマとなったシーンの思い出すことです。匂い、歌、言葉によって、子どもは長期間暴力を受けることになります。

精神的解離を起こすことが多いため、学校や人付き合いがうまくいかず、それがもとで罪の意識や恥ずかしいと思ってしまい、自分自身の存在へのダメージを深めてしまうのです。


「私は同じレベルじゃない、能力がないから」

家庭内暴力はいつでも起こりうるものなので、子どもは永続して強迫観念を抱いています。このようなケースでは、恐怖やストレスを表す生物学的神経機能が不適格な形で現れてきます(儀式行為、過敏症、不安発作、回避行動など)

これらの症状も、複合型心的外傷後ストレス障害を表すものです。この精神的外傷は子どもに破壊的なものです。


「子どもは自分が受けた暴力を繰り返すか、逆に自分自身に引き起こす傾向があります」

どのように子供の成長発生に影響しますか?

家庭内暴力に関連するこの種トラウマは、非常に否定的な意味で、子供の成長決定してしまい、子どもが持つ可能性のフィールドを減少させるでしょう。

暴力の加害者に同調してしまったり、または暴力の被害者になりきってしまうと、子どもは自分にされた暴力を他で繰り返してしまったり、逆に自分自身に暴力を振るってしまう危険が発生します。

これはとてつもなく悲しいことです...。

コンプレックスに満ちた子どもは、その後の人生で精神衛生上の問題を発生させる危険性が高くなります。

親子が病的性質関係にある時の最たる問題として、境界性パーソナリティ障害があげられます。

この障害を発症した青年や成人は、トラウマによって影響を受けた感情をなだめようとして、リスクのある行動(危険な行為、傷害など)をとったり、消耗品(薬物、アルコール)に依存したり、不安定な人間関係の中での生活を好んだり、何をしようにも達成感のない状態にいたりします。

本日、皆さんにお伝えしたいことがあります。

子どもが暴力に晒されている状態では、効果的な治療を提供することはできません...。

家庭内暴力が続く限り、治療はできません。精神的外傷の治療には、暴力を止めることが必要になります。

フランスでは、子どもと子どもを保護しようとする親が、家族内暴力から引き離されることが困難であることが、家庭内暴力の被害者である子どもが治療が得られない主な原因となっています。

家庭内暴力や夫婦間暴力があるなかで共同親権を維持することは、特に有害です。

子どもと子どもを保護する親の心的外傷後ストレス障害が悪化します。

子供が虐待親の支配下にある場合(面会権、宿泊権)、私たちは家庭内暴力の被害者である親に接することで、子供を助けようとしています。子どもを保護する親は治療の対象になります。

「子たちは毎日戦争下で生きています」

心的外傷後ストレス障害は、テロ事件の被害者、戦争に従軍した兵士によく見られます。

家庭内暴力にさらされた子どもたちを、「戦場の中」で生きていると言ってもいいと思いますか。

家庭内暴力に晒された子たちは毎日戦争の中生きています。

この子たちの状況は、トラウマというものが理解されていないのが原因で、おそらく最も最悪な状況に陥っています。

家庭内暴力に晒されている子どもたちの家では、数週間、数ヶ月、あるいは数年にわたって蓄積された面前DVあり、子どもたちが家庭内暴力を振るわれている認識しないことで、心的外傷後ストレス障害をせ形成されていくのです。


子どもに蓄積されたトラウマの原因は、専ら虐待親によって無意味なものにされてしまいます。

「(子どもに向かって)あなたが原因になった」や 「ママのせいだ」などですね。

家庭内暴力の被害者を特定するのが難しいのはなぜだと思いますか?

警察官や判事、ソーシャルワーカーが、物理的な暴力の傷痕を目にすれば、事態は深刻に受け止められると思います。

しかし、ほとんどの場合、家族内暴力や夫婦間暴力は、客観的な証拠を残しません。私たちの司法制度は、ぼんやりしている子供、一人ぼっちでいる子供、おそらく困難を経験しているであろう子どもについて、考慮することができていません。

私たちの警察、判事、学校、ソーシャルワーカーは、家庭内暴力や夫婦間暴力のメカニズム、そしてトラウマを抱えた大人や子どもとはどのようなものなのか、十分な知識を持ち合わせていません。

「家庭内暴力の被害者である子供が、虐待者の元に預けられたり、保護施設に入れられたりすることは、究極な制度的暴力です!」

具体的に、家庭内暴力について、知識が欠如することが、被害者にどのような影響を与えますか?

私が相談を受けている中で、非常によく目にする事例を紹介します。暴力的な夫の支配に何ヶ月も悩んだ末に、告訴を決意した女性のケースです。

家庭内暴力をさらされた結果、彼女は心的外傷後ストレス障害となっています。そして、彼女には自分の身に起きた暴力を確実に説明できるための身体的な証拠がありません。

彼女は記憶があやふやになっています。彼女の説明は前後することがあり、事実関係の説明が難しく、警察官は彼女の言葉を信用しません。

警察官はトラウマを抱えた人がどのように証言するのか知りません。警察の無知識によって、彼女の訴えは無効になりました。

40年前から存在している病理学データである精神的外傷について、警察や判事の研修項目には入っていません。青アザは考慮されるのに、フラッシュバックは考慮されません。しかし、フラッシュバックは科学的に確立された事実でもあります。

家庭内暴力について研修不足のため、心理的暴力の痕跡を認識する司法専門家はほとんどいません。

家庭内暴力を訴えた女性には、被害者が行う証言の曖昧さや矛盾が裏目に出ることが多いものです。

子どもを保護しようとする親が、逆に罪に問われる立場になってしまい、子どもを虐待親の元に託されるか、行政によって一時保護されてしまいます。これは究極の制度的暴力です。

子どもにとっても同じことなんですよ。子ども本人の精神的な健康を確保して音声を収集する(Nichdプロトコル)ために科学的に確立された方法をせずに、警察から事情聴取を受けた子どもたちを私は受け入れない週はありません。

こうして、家庭内暴力の被害を受けた子どもたちは司法制度によって苦しみを与えられ、司法制度に求めた救済を損なわれるという二重の被害を受けることになるのです。

幸いなことですが最近、子どもが関連する事件を担当する、訓練を受けた専門家で構成された医療・司法組織が増えてきています。これらの組織では、現在の科学的ツールに従って得られた評価・査定を提案することができています。これは歓迎すべきことです。でもしかしながら十分ではありません。

もし整った状態で治療が受けられた場合、回復の見通しはどうなりますか?

トラウマは一生続くと考えてください。


けっして消せるものではないのです。


治療の目的は、子どもであろうが、大人であろうが、その人にトラウマがどのように起こるのか理解してもらい、そのトラウマで苦しまないように指導することなんです。

また、ある時には、トラウマを和らげ、小さくし、自分の中にしまっておくこともできます。しかし、トラウマというものは、定期的に私たちの日常生活に現れるものなのです。

今、患者さんに非常に良い予後をもたらす治療方法が数多く確立しています。トラウマと共に生きていくことを学び、患者さんの生活の質を良くすることができているのです。

出典

https://www.parismatch.com/Actu/Sante/Au-coeur-des-violences-conjugales-des-enfants-en-zone-de-guerre-1790914

https://youtu.be/bySnOKHXFZs

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