イギリス🇬🇧扶養家族（Dependant）ビザ取得＊その２ビザセンターへ【駐妻奮闘記:渡英準備編】

2024年8月19日 07:30

本記事は、【イギリス🇬🇧扶養家族（Dependant）ビザ取得＊その１】の続きになります。未読の方はぜひ。

突如英国へ行くことになった夫婦の査証取得苦労譚後半戦。前回に引き続き、本情報は2023年時点のものになります。内容を過信することなく、他人が苦労する様をのぞき見する気持ちで閲覧お願いします。

タイムラインのおさらい

⓪ 必要書類を事前準備
① インターネット上で申請・支払い（6/25）
--６月末日に賃貸契約更新時期の関係で転居、お互い実家住の別居状態へ--
② ビザセンターで指紋・写真登録を実施（夫7/4 妻7/24）
--英国政府審査---
　夫 7/11査証認証メール
　　 7/12パスポートがセンターに返却
　妻 7/26 追加書類提出依頼メールを受領、提出
　　7/30査証認証メール
　　 8/3パスポートがセンターに返却
③ パスポートを取り返す(夫7/13 妻8/7)
④ 渡英(夫8月1日妻9月15日)
⑤ 英国でBRPカードを受領（※）（夫8月2日、妻9月18日）
※BRPカードは2025年より電子査証（eVisa）に移行するため、今後は消滅の見込み

個人的な経験に基づく

前回の記事では、インターネット申請（①）に関して詳細に言及しました。本記事では、ビザセンター来訪（②及び③）に関してです。前回の英語解読地獄に比べると難易度は大幅に易化。あとは流れに乗って、成功をイギリスの方角に毎日祈るのみです。

ビザセンター来訪予約（前回の続き）

英国政府サイト上での申請及び支払いを終えると、VFS（Visa Facilitation Services Global）というヨーロッパ地域等の査証申請を司る企業ページに飛ばされ、必要資料のアップロード、アポイントの設定を行います。ページ内には、

Accommodation – Permanent/Temporary
Educational Evidence　（夫:CASレター）
Financial Evidence　（夫:職場レター、妻:同）
Additional Documents/ Others　（妻:夫パスポ査証ページコピー）
Appendix II
Consent Letters and Proof of Relationship　（夫:戸籍写し【日】、妻:戸籍写し【日】、翻訳【英】追加提出）
Employment Evidence
Sponsor Evidence
Tuberculosis (TB) Certificate

と、アップロード可能な書類項目が羅列してあります。前回の申請後半で表示された提出必要な資料項目も再度表示される親切設計。もちろん求められたものだけアップロードすればいいのですが、信用度が上がるかなあ、と思い、提出できるものはアップロード。

メールは熟読した方が良い

当時、夫の仕事が最繁忙期を迎えていたこともあり、ビザセンター関連のメールを完全に読み飛ばしていましたが、その結果、ビザセンターでいくつか失敗を犯してしまいました。一度アポ予約が完了すると、【Your Visa Application Centre appointment】というメールが送信されてきます。自分の知識だけで挑戦していると、ビザセンターで一体何をさせられるのか不安もひとしお。公式からの情報はなるべく忠実に読み取るべきでした。以下、VFSからの注意事項の要約です。

書類を忘れることなかれ

前回の記事でも言及しましたが、当日のスキャン・アポは有料サービス。確実に、アポの24時間以上前にアップロードを完了しておくようにしましょう。一応、当日紙媒体で求められてもいいように、予備資料を２部ずつコピーして持参しましたが当然出番無し。

15分前行動

Please arrive 15 minutes before your appointment to allow for security checks, your booking will be cancelled if you don’t arrive on time
15分前まで到着、過ぎると自動キャンセル。この情報を見ると、日本人なら不安で30分前に行ってしまいそうです。結果から言うと、多少の遅刻はどうにかなりましたが、早く着くに越したことはありません。

18歳未満は保護者同伴。介助が必要な場合は当日申し出を

お子様を留学に送り出す際にはご注意ください。

「予約票」と「資料リスト」は印刷して持参、資料はA4サイズに

Please bring the attached Appointment Confirmation letter and a printout of your checklist from GOV.UK
「バーコード入りの予約票」「提出必要リスト」は印刷・持参の必要あり。前者はVFSからのアポ予約完了メールに添付、後者は英国政府の査証申請マイページからアクセス可能。
また、アップロードする資料も持ち込む資料も、全てA4サイズにすること。ホチキス、ラミネート等、妨げになるものは除いておきましょう。

持参荷物は最小限に

警備の観点から、求められた資料以外は持参しないこと。

"More" is not always better

「なるべく多くが最良とは限らない」。深い。必要以上の書類を提出しても、ビザ申請が成功する可能性は高くなりません。むしろ、ビザ申請プロセスを遅らせ、不必要に複雑にする可能性がある。この点、我が家は少し失敗。黙って言われた資料だけ出しておけばいいようです。

生体情報取得のために

To ensure your Biometric Enrolment is successful, please make sure that your hands are free of any decoration or markings (eg. henna, mehendi, ink etc).
生体情報取得の妨げとなる不必要な手の装飾はしない。ヘナ、メヘンディといった、一時的なタトゥーが例示されていますが、華美なネイルやアクセサリー等も避けた方が無難でしょう。

いざ、ビザセンター

このように公式情報を丁寧に読み取ることで、「恐らく指紋情報の採取だろう」と考察することが可能ですが、日々積もるメールの山から目を背けた我が家は、情報もないままに、英語に堪能な夫を尖兵として送り込むことで、どんな恐ろしい“検査”がビザセンターで行われるのか偵察させることに。
前回の記事でもご紹介しましたが、2025年5月から、ビザセンターは築地に移転しています。以下の情報は、当時の東銀座時代の情報になりますのでご参考程度に。朝8時45分のアポに間に合うように、7時には出発。

灼熱の廊下、無限の行列

予約ギリギリ5分前に到着した不届者を待ち受けていたのは、サウナ並みの温度・湿度コンディションの廊下で入室を待つ長蛇の列。どうやら、一人退室者が出るたび、扉の横に設置されたインターフォンで入室を促されるという管理社会。真夏の蒸し暑さが、科学の力でコントロールされることなく、むしろ密閉性で強化され、待機者へ襲い掛かります。その様相たるや、これから足を踏み入れんとす大英帝国の強力な支配の洗礼を受けているかの如く。

持参必要な資料３点

メールを適当に読み飛ばしていた結果、廊下の貼り紙で、資料の印刷忘れに気付きます。必要なのは各資料に印刷されたバーコードなので、現代人の感覚だと、「スマホで表示すればいいか」となりがちですが、査証申請の資料提出ではそうもいきません。アポ時間まであと10分。コンビニへ駆ける。ノートPCをコンビニのフリーWi-Fiに接続、ビザ申請ページに再度ログインし資料をダウンロード、スマホアプリを経由し、10円で１ページ目のみを印刷。ダッシュで戻り列に並び直し。予約がキャンセルされるのでは、と気が気ではありません。
という夫の犠牲を経て、私はしっかり印刷持参することができました。

有効なパスポート
予約票
チェックリスト

遂に入室

結果的に、インターフォンに入室を許されたのは、アポ時間を５分経過した頃。体感15分～20分ほど並びます。PCは持込禁止のため、ほっそいロッカーに預け入れ。自分で暗証番号を設定するタイプの番号ロック。注意書きの通り、荷物は最低限がおすすめ。警備員の手荷物検査を受け、大部屋への入室を許されます。

受付

受付の呼び出しは、番号札に応じて呼び出される郵便局スタイル。先の申請で、希望言語を「英語」に設定していましたが、日本語が堪能な欧州系の男性が対応してくれました。意地を張らずに日本語で話して全く問題ありません。資料３点セットを提出すると椅子で待つように促されます。

生体情報の搾取

番号呼び出しで、個室へと案内。機械に手を押し当てるよう促され、指紋を採取、その後顔写真撮影。カメラはテレビのドッキリのように隠されており、写真撮影の際は「あの辺を見てください」と言われ、虚空を見つめる。「もしSF映画だったら上級国民の身代わりとして犯人に仕立て挙げられるなあ」とか、「指紋なんて日本政府にも提供したことないのに！」とか、ぼんやり想いを馳せながら作業を終えます。

再びの受付

受付に呼び出され、レシート（後日のパスポート返却引換券のようなもの）、査証取得後の来館に関する案内、そして、英国で使用できるSIMカードを受領。なお、ビザ発給の決定が下されるまでパスポートは預けることになる。せっかく８時間の行列に耐えパスポートを取得した私は、元を取るためにも渡英前に海外旅行に行く予定だったため、夫よりもだいぶ遅れてからビザセンターを訪れることになります。パスポート配送サービスは約2000円で依頼が可能だったため、東京都外にお住まいの場合、交通費を加味すると利用がお得かもしれません。
このタイミングで、「扶養家族の査証は、世帯主の査証が発行されてから来た方がいいんでしょうか？」と夫がおずおずと質問してみると「公平性の観点過から、査証に関するアドバイスはできないんです。ただ、やっぱり本人の査証が発行されてから来られる方は多いようですよ」とパチンコの３店方式のように曖昧な示唆で不安を和らげてくれました。ビザセンター自体、英国政府へ資料や生体情報を送る仲介者にすぎないため、実質的な決定権や情報は握っていないようです。

パソコン、閉じ込められる

混み具合にもよりますが、入室してしまえば１時間程で手続は終了。安心した時ほど油断しがち、PCを預けた場合には忘れないように。私は、どの段に入れたのかも覚えておらず、使用場所候補数か所と使用しがち４桁パスワード、各パスワードの各桁１数字ズレ総当たり戦を仕掛けること10分、警備員に怪しまれながらようやくPCの救出に成功。人間、焦っているとIQが著しく低下する。セルフサービスの弊害と、脳の老化について思い知らされた一日であった。「荷物は最小限」の注意は、これを示唆していたのやも。

申請受付メールを受信

ビザセンターを後にしてから数時間で、件名【Notification from VFS Global】で「The processed visa application for GWF reference number XXX was forwarded to UK Visas and Immigration on 日付.」という自動送信メールを受信。自動メールなので、特段の意味は無さそうですが、無事に、英国政府側の作業に移ったという証左なのでしょう。

追加書類提出依頼のメール

夫の偵察を経て、安心してビザセンターを訪れた作業を終えた私ですが、戸籍の写しの日本語で提出したところ、後日、【Your Visa Application: VAF XXXX- Additional Documents Required】という件名で、戸籍の英訳を求められました。上記の通り、既に作業主体はVFSから政府へと移っていたため、資料の提出は、英国政府の担当者へと直接送付する形でした。

査証認証メール

ビザセンター来訪から１週間ほどで、件名【Notification from VFS Global」で「The processed visa application for GWF reference number XXX was received at the UK Visa Application Centre on 日付.」というメールを受信。曰く、査証申請が受理されたため、配送サービスを利用していれば指定住所へ配送、そうでない場合はビザセンターで、パスポートを受け取れる、とのこと。メール受信翌日、夫は喜び勇んでビザセンターを再訪しますが、メールの後半の「Please Read More…」という別サイト転送ボタンの存在を発見。ビザセンターに届いたわけではないので、まだ行かないでね、とのこと。残念！メール熟読の必要性をいい加減に学んだ方が良い。

パスポート返却メール

認証メールから数日で、件名【Notification from VFS Global】で「The processed visa application for GWF reference number XXX was collected from the UK Visa Application Centre on 日付.」というメールを受信。このメールでようやく、パスポートをビザセンターから受け取ることができます。パスポート返却に際しての来訪予約は必要なく、平日朝８時から10時の間、好きなタイミングで来訪すれば受領可能でした。灰色のビニール状にパウチされており、中身の確認のためにその場で開封。問題ないことを確認してパスポートを取り返して終了となります。

査証とは何を指すのか？

アメリカに行った経験があるからかもしれませんが、個人的なイメージとして、ビザとは、パスポートに貼られるシールだと思っていました。実際、取り返したパスポートの査証ページにはシールが貼られています。ところが、これは正確に言うとビザそのものではないようです。

エントリークリアランスヴィネッテ（Entry Clearance Vignette）

ビザセンターから帰ってきたパスポートに貼り付けられたシール。顔写真や個人情報、パスポートと同様の謎文字の羅列など、限りなくビザっぽいが、その実態は、イギリス入国の際に使用する一時的なビザ。後述のBRPカードを取得するまでの凌ぎの一手。

BRP（Biometric Residence Permit）カード

イギリス入国後に、郵便局で受け取る、いわば在留カード。一般的にビザの証明を求められた際に使用する。超大事なので、絶対に失くしてはいけない。一般的にイギリス国内でビザといえばこちらになるのだろう。

おわりに

今回は査証取得への道後半戦、ビザセンター来訪に関して記載いたしました。
煩雑な査証手続も、日本国内で行うべきものはここで終了。残すところは、渡英後のBRPカードの回収のみになります。
ここまで来て、ようやく合法的な入国の確信を得ることができ、荷造りや海外転居に必要な役所手続にも身が入り始めるというもの。渡英準備はまだまだ始まったばかりです。

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