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皆伝 世界史31 2000年-2020年代  現在

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「世界史」とは書いているんですけど、歴史ではなくて現在なので、歴史的な事実としてではなくて、国際情勢として理解する必要があります。
構造図を拡大して観てください。

皆伝 世界史31 構造図を描きました。


世界年表を拡大して観てください。


世界年表

■宇宙
2004年、探査機スピリットが火星に着陸。
非国家、つまり民間の初めての宇宙船 スペースシップワンが打ち上げに成功。
2005年、探査機カッシーニの着陸機 ホイヘンスが土星の衛星タイタンに着陸。
2008年、宇宙実験室きぼうがISS/国際宇宙ステーションにドッキング。
2010年、探査機はやぶさ(2003年打ち上げ)が小惑星イトカワに到達、表面の物質を地球に持ち帰りました。
2011年7月にISS/国際宇宙ステーションの組み立てが完成。
2011年、スペースシャトル計画が終了。
2013年、中華人民共和国が、無人機を月面に着陸させました。
2015年、探査機ニューホライズンが冥王星に接近。
2019年1/3探査機嫦娥4号(中華人民共和国)は、地球人で初めて月の裏側に着陸。円筒に酵母菌 、シロイヌナズナ、綿花の種、ジャガイモの種、菜種、ミバエの卵を積んでいて、円筒内で綿花は発芽したんですけど枯れました。
2020年、クルードラゴンが打ち上げられて、民間として初めての国際宇宙ステーションへのドッキングをします。
2022年には、ISSへの民間旅行が行われました。
■地球 
地球システムは冷涼化に向かっているらしいんですけど、人間活動によって温暖化の方が強くなっているようです。極地方の氷が溶けたり、エクアドルやペルーの沖合で海水温の下がるラニーニャでアフリカ東部では雨が降らずに旱魃、逆に海水温の上がるエルニーニョで台風が巨大化しています。
2022年にはフンガトンガが噴火。
■自然界・生物界
野生ではアフリカ中部のキタシロサイ、マダガスカルのワキアカカイツブリ、ガラパゴスのピンタゾウガメ、南洋のスムース・ハンドフィッシュ、オガサワラシジミという蝶、 宮古小菊頭蝙蝠 が絶滅しました。
2018年、メトロポリタン美術館で開催されたMétiers d'Art showで、シャネルはエキゾチックスキン/エキゾチックレザー(皮革)とリアルファーを今後使用しないことを発表しました。ワニ、トカゲ、ヘビ、エイなどのことで、主にバッグだと思います。
人間は、フェイクファー/人工皮革が普通という価値観に移行しつつあります。
ペットの散歩は紐でつながないこと、ペットでも動物園でも十分な広さの飼育環境を用意して、檻に入れないこと、曲芸ショーなどは廃止するという方向に、進んでいます。
2019年、クジラの資源管理を話し合う国際機関である国際捕鯨委員会/IWCから日本国が脱退して、1988年以降中断していた商業捕鯨を7/1から31年ぶりに再開します。日本の領海や排他的経済水域(EEZ)でミンククジラなど三種類です。日本国の主張は「委員会の目的は資源管理だ。頭数が回復したら捕鯨を裁可することは当然だ。しかし、大半の国が捕鯨自体に反対しているので、もはや委員会の目的を逸脱している」です。IWCでは資源を保持する目的の組織で、対話を続けてきて、日本は資源は保持できるという考え方をしているが、動物愛護の立場から反対する国とは価値観が異なるのでIWCでのテーマとしてはふさわしくないとして、日本は脱退したんです。
経済から宗教・信条・倫理に問題が変わったんです。 カナダは以前に脱退しているし、アイスランドは脱退後に復帰しています。
2019年時点で、プラスティックのリサイクル率は9%です。微細になって海に入って、魚が食べてしまう海洋プラスティック投棄が問題化しています。技術的には2022年時点で、相田卓三の研究チームが、壊れても もう一度くっつくプラスティックを開発しているようです。
2019年7月、日本国の小惑星探査機はやぶさ2が、小惑星内部の岩石を採取することに成功しました。地球人にとって初めてのことで、地球の生命の構成要素は、小惑星に由来するという説の証明をできるかもしれません。
2022年、北海道大学などのチームが、太陽系が誕生前後の宇宙に存在した物質を豊富に含む炭素質隕石(1969年にオーストラリアで見つかったマーチソン隕石など)から、核酸を構成する5種類の塩基全ての検出に成功しました。二重らせん状のDNA(リン酸。塩基がアデニン、チミン、グアニン、シトシン。糖がデオキシリボース)と1本鎖のRNA(リン酸。塩基がアデニン、ウラシル、グアニン、シトシン。糖がリボース)が核酸を構成しています。今回の発見でデオキシリボースを除くすべてが隕石にもあったことがわかりました。46億年前に形成された地球に、生命の源が40億年前に宇宙から飛来したという説が、有力になりました。
■人間界
概要を書きます。
冷戦終結で東西陣営の対立がいったんなくなったんですけど、アメリカ合衆国への一極集中にはならず、相対的にアメリカ合衆国の存在感が落ちてきています。その要因としては、アメリカ合衆国の政治意志、ソフトパワーの衰退、他国の核開発、武装グループの拡散、中華人民共和国やインドの台頭、ロシアの復権、EUやASEANの自立などです。
大中小のパワーが並立する多極化時代へ入って、西側陣営はグループ意識が希薄になるし、国境意識も希薄になります。環境問題でもアメリカ合衆国は他国と協調姿勢を取らなければいけなくなっています。

グローバルな時代が本格的に展開します。
グローバル化というのは、国境や物・人・お金のボーダーレス化ということは前回に書きました。国家というのは、政府の作る政治社会+個人の作る市民社会です。治安・軍・衛生・教育・保険は市民でもできるんですけど、国家の役割が大きいし、均一的にサーヴィスを提供しやすいようです。
西ヨーロッパでは、中間団体として機能していた共同体としてのギルドを近代になって廃することで、個人と国家が直接結びつけられたという歴史があります。オスマン帝国の滅亡後、世俗国家を作っていこうとするトルコでは、イスラームは国教ではなくなって、トルコ民族意識が高揚しました。日本では仏教の檀家、村、町という意識が希薄になった明治以降は、学制や徴兵制、天皇教とも言える国家神道などで、国家と個人がつながりを強くしました。
けど、グローバル化で国家が希薄になると、民族・宗教・企業・各種団体などの中間団体が復活します。独裁者フセイン打倒後のイラクで、国家が弱くなって、宗教指導者と民族主義者が対立した結果、ISが台頭したのも典型だと思います。行動では個人主義者でも、精神を含めたアイデンティティというものは、他者との関係性で作られるものだからなのかもしれません。
「自分の帰属するグループはここだ」という帰属意識が中間団体を求めます。アテネ、スパルタのようなポリスでは個人と国家が直接結びついていることもあったんでしょうけど、近現代の大きな国家では、国家と個人の結びつきを強く感じる機会は、全体主義に傾斜する空気を持つ戦争くらいなのかもしれません。学校やスポーツで国旗、国歌を意識することはあっても、国家とのつながりというものとは違うように思います。
冷戦後の戦争は20世紀までの二か国同士(日露戦争)、同盟国間の戦争(第二次世界大戦)よりも、同盟国が一国を攻撃する形が増えます。湾岸戦争、イラク戦争が典型です。ロシアとサブパートナーとしてのベラルーシ、そして西側が支援するウクライナ戦争は位置づけが難しいですね。
20世紀にも経済や宗教、政治では国家以外の連帯が国境を越えてあったんですけど、21世紀には軍事部門でもISのような国境を越えた連帯が出てきます。戦争よりもテロが注目される理由はそこにあります。国境の外で一方的に行っている戦争とは違って、ホーム グロウン テロのように、自分の国の人が外とつながりを持っています。
21世紀には、超国家であるEUなどのグローバル社会に対する防波堤として、「中間団体としての国家」に活路を求める人がいます。英国のEU離脱、米国のトランプ支持、フランスの国民戦線などの右派支持は典型的と言えます。
国家の衰退で、国家という制約からの離脱を希求していた人は、国家よりも地域、ローカルな制度を信用していこうという姿勢を強くしています。スペインのバスク、カタルーニャ、カナダのケベック、東ティモール、南スーダン、ニューカレドニアのカナクなどですね。英国の北アイルランドでも2022年にシンフェイン党が始めて第一党になりました。国家からの締め付けも強くなっています。この反動的な動きの典型はチベット、ウイグル、香港とマカオだと思います。ただ、自治や独立に賛成の人もいますが、その地域には反対の人もいるので、正当性を持つ段階に至っていません。
一年ごとに、現時点で重大だと思われている出来事を書きます。
2001年9/11アメリカ同時多発テロ、いわゆる9.11が起こります。イスラーム過激派のアルカイダが、乗っ取った飛行機を突っ込ませてニューヨークなどを攻撃した事件です。 20世紀末までは国内で起こることが多かったテロがグローバル化したと言えます。アメリカ合衆国は、報復としてアフガニスタンを攻撃しました。アフガニスタンにはアルカイダの首謀者をかくまうターリバーン政権がいたからです。
アメリカ合衆国が主導する有志連合は、2003年にイラクを攻撃します。イラク戦争/第二次湾岸戦争と言われます。アメリカ合衆国は、イラクが大量破壊兵器を保有していると言う主張で各国を説得したんです。この戦争には大義がないし、IAEAの査察も受け入れているから大量破壊兵器もないと判断したドイツは参戦しません。英国は参戦しました。
2003年にはイラクで日本の奥参事官や通訳が殺されました。12/14フセイン大統領が拘束されて、政権が打倒された後に、日本も自衛隊を派兵して、内戦状態になっている中で、米軍を支援しています。主な作業はサマワなどでの復興作業ですけどね。
実際は大量破壊兵器なんてありませんでした。参戦国はアメリカ合衆国を信じて騙されて、イラクへの侵攻をしたんです。英国はこの派遣への反省から240万語(日本語なら4000頁くらいかな)の報告書を作成しました。日本政府は4頁の報告書を出しました。日本政府/行政府は、国民に対して、政策や判断を誤ったという謝罪をしませんでした。かつては、東京裁判を批判する人も、自ら裁判をしませんでした。2011年の原発事故でも日本政府は検証や謝罪に後ろ向きです。事故調査委員会はあっても、原発を再稼働します。「もう済んだこと」「水に流す」「墓場まで持っていく」「死者に鞭打つ行為はいけない」という、日本には反省と検証の風土がないように思えます。
国民がそれを受容する文化がある他には、公文書管理の期限が短いこと、通年国会ではなくて会期ありの国会であること、予算委員会以外に審議する場がほとんどないことなどを含む検証の制度がないことが理由です。
仕組みとして作らないと、日本国として反省と検証はされないように思えます。

2002年、EUで、市民が通貨ユーロを使えるようになります。金融のグローバル化と言えます。2002年-2003年にかけて新型肺炎(重症急性呼吸器症候群= SARS)が流行しました。人類が発見しているコロナウイルスとしては5番目です。WHOは新型肺炎SARSの死亡率は14%-15%、65歳以上は50%を越えていると報告しています。64歳以下が15%、25歳以上44歳以下が6%、24歳以下は1%です。基礎疾患、治療をすぐ受けら れる環境にあるかどうかが生死を大きく分ける要因のようです。最大10日で発症します。世界で13万人が感染したようです。
21世紀になっても戦争はあるし、戦争犯罪が絶えません。これまでは犯罪者を国内で国家が裁いていました。戦争犯罪人に関しては、臨時の戦後裁判所が裁いていました。2003年、戦争犯罪や虐殺など個人を対象として裁く常設の国際刑事裁判所が設立されました。刑事裁判のグローバル化と言えます。本部はハーグにあります。ジェノサイド罪/集団殺害罪、 拷問や、女性や子どもの人身売買、組織的な誘拐などの人道に対する罪、一般市民の殺害や非軍事の建物(学校、病院、発電所、劇場)などへの攻撃を含む戦争犯罪を裁きます。
2008年、「戦時下の強姦は戦争犯罪」と国連安保理が決議(決議番号1820)をします。2009年にも決議1888,2010年にも決議1960をしています。
米国では2003年くらいから不動産価格が上昇して、途中からバブルになっていたんです。サブプライムローンという返済能力が低い人にも住宅ローンとしてお金を貸すことをしていた金融機関がありました。2007年から不動産価格が上がらなくなると、債権を回収できずに、米国は不況に陥ります。このサブプライムローンは債券化されて、投資信託などにも組み込まれていました。だから、日本の金融機関も含めて、世界中に不良債権がばらまかれたということです。この危機に対しては税金が投入されたんですけど、それでは足りず、2008年には米国発の金融危機、リーマンブラザーズショックが起こります。大手の投資会社リーマンブラザーズが倒産したんです。世界中がこの不況に巻き込まれました。

2009年には、政府軍とタミルイーラム解放の虎とのスリランカ内戦が終結しました。
中国共産党の弾圧に対して、ウイグル人が決起したのもこの年です。
米国のオバマ大統領は、チェコを訪問した際に「核なき世界の実現を目指す」というプラハ宣言をしました。核兵器保有国の宣言なので、ノーベル平和賞の受賞につながりました。効果は不明なんですけど、意志を示すことの大切さをノーベル委員会が高く評価したとわかります。
2009年にメキシコで発生した新型コロナウイルスは、2012年以降、季節性インフルエンザの一つとして定着しました。日本でも感染者数の累計は約2000万人だったそうです。 この当時の日本では、初期段階に健康監視の対象が約13万人いて、保健所が機能しませんでした。死者200人、致死率は0.16%というのは世界最低の水準だったようではあります。米国は死者1.2万人、致死率が3.96%で、公衆衛生の水準が高いとされるドイツの死者数が250人強、致死率が0.31%でした。普段から手を洗っているなど日本人の公衆衛生に関する意識が高いこと、医療費が安いのですぐに医療機関へ行く人が多いことが、理由ではないかと研究者は考えていました。

2010年
世界初、オランダが同性同士の結婚を法制化しました。
ギリシア債務危機もこの年です。2009年に政権交代したことをきっかけに、2010年にギリシアでかなりの債務があって隠していたことが明らかになったんです。
この債務に対して、ギリシアをEUから追放するという話もあったんですけど、EU分裂につながるのでそれは避けることにしました。結局、ドイツなどが支援をしました。一部のドイツ人は「我々はきちんと働いて税金を払っているのに、なぜ怠けて税金も少ししか払わないギリシア人のために、我々の金を使わねばならんのか」と、ギリシアへの憤りを感じていたようです。
IMFは支援する引き換えとして、緊縮財政を要求しました。公務員の給与カット、増税、預金の引き出し制限などです。こうした措置に対して、2011年頃からデモが頻発しました ギリシア人も「IMFやドイツは我々の財政を管理しすぎだ。任せてくれ」と反発しました。
ギリシアに投資していた各国もお金が戻ってこないので連鎖的に危機に陥ります。ポルトガルもIMFから融資を受けることになりました。
アラブの春。チュニジアで物売りの男性が警察官から賄賂を求められて、抗議の焼身自死をしたことをきっかけに、23年独裁をしていたベン・アリ政権が市民のデモの力で打倒されて、民主化、新しい政権が生まれました。このジャスミン革命をきっかけに、チュニジアの枠を超えて、北アフリカ、西アジアのアラブ人の多い国家に民主主義のうねりが広がります。これがアラブの春です。この結果、
エジプトではムバラクが退陣。ヨーロッパ外なのにNATOも介入したリビアでは、カダフィ大佐が死去しました。イエメンでも、サレハが退陣しました。
他の周辺国でも、内閣が退陣したり、参政権の拡大があったりと、民主化が広がりました。


アラブの春


その後、リビア、シリア、イラクのように内戦になった国もあります。シリア内戦では、2011年に38万人が死去しました。混乱の中でイスラーム原理主義を標榜するIS/イスラミックステート/イスラム国が誕生します。イスラム国/ISはイラク、シリアで勢力を拡大しました。シリア内戦にはアルカイダ系のヌスラ戦線、あとでイスラム国、クルド人勢力も参戦します。イラクでは、フセイン打倒後に追い出されたバース党員と、お金を受け取って味方になった人、怖いから味方になっている部族と、親世代が移民してきた国で友達も仕事もなく孤立して、イラクに戻って来た人で構成されています。結束力はなくて、思想もばらばらです。イスラーム原理主義を掲げているんですけど、信じているのは一部の人間だけで、お金や人間関係、恐怖などが動機になっています。淝水の戦で崩壊した中国の前秦を思い出しました。 

2011年
Occupy wall street/ウォール街を占拠せよという運動が米国のマンハッタンで起こりました。格差反対の運動です。アラブの春の若い世代の政治運動に触発されたと考える研究者もいます。このウォール街を占拠せよは、香港、台湾、日本に波及しました。
2014年に香港の雨傘運動、2015年に日本でシールズが脱原発・反集団的自衛権を訴えました。独仏英国イタリアでもデモが起こりました。各地で権力固定化への市民運動が盛り上がりました。
米国の国債は初めて格下げされて、1ドルは75円になりました。
ギリシアが発端の債務危機はイタリア、スペイン、アイルランドにも波及しました。特に財政規模の大きいイタリアが破綻すると、そんな大金を支援できないIMFもEUも支えきれません。イタリアにお金を貸している各国も破綻します。
ギリシアを始めとして、各地で「増税と歳出削減の緊縮財政派」と、「むしろ財政出動で景気を刺激して好景気にして歳入増を目指す積極財政派」の争いがあります。後者はリフレ派とも言います。イタリアはベルルスコーニ首相に代わって、経済学者のモンティを首相にして、緊縮財政で危機を乗り切りました。

2012年にはドイツで、国際入札で世界初のマイナス金利が発生しました。デンマークが世界初の政策金利でマイナス金利を導入しました。預けているとお金が減るので、誰も預けなくなる、その結果お金を使うので景気が良くなるという考えです。お金を使いたくない人はタンス預金するだけなんですけどね。
この年、中東呼吸器症候群/MERSが流行します。ヒトコブラクダと人に共通して感染するコロナウイルスなので、ラクダの多いサウジアラビア、UAEといった西アジアの砂漠地帯で流行しました。致死率は37%だったようです。
中華人民共和国では、習近平が中国共産党書記長に就任します。
ミャンマーでは解放されたスーチーが、議会補選で当選します。
日本は尖閣諸島の国有化をしました。元々は、右派の石原都知事が東京都で買うと宣言したことを起点としています。どんな外交問題になるかを考えない政策で、右派の石原が買うよりはましということで、政府が買うことにしました。
このころから中華人民共和国が東シナ海、南シナ海に進出してきます。リーフに滑走路を作ったりして、軍事拠点化していると国際社会は観ています。

2013年
尖閣周辺に、中華人民共和国の軍用機が巡回することが常態化しました。領空を守るための防空識別圏も拡大します。これに対抗して韓国も防空識別圏を拡大しました。互いに重なるところがあると、軍用機の偶発的な戦闘なども起こりえるので危険です。
中華人民共和国が、無人機を月面に着陸させたのもこの年です。
アルジェリアのイナメナス石油プラントで日本人も人質になったテロが起こりました。
キプロスは2011年頃から金融危機にあったんですけど、IMFやEUが支援を決定しました。
韓国では、朴正熙の娘、朴槿恵が大統領に就任します。
ベネズエラでは独裁で反米だったチャベス大統領が死去しました。
紛争地のマリにPKOが派遣されます。
中印国境紛争がまたありました。
エジプトではクーデタがあって、選挙で選ばれたムルシ大統領が軟禁されました。軍のシーシが軍政を始めます。

2014年
クアラルンプール発のマレーシアの航空機がウクライナで撃墜されたり、ロシアがウクライナに侵攻して、クリミアを併合したのもこの年です。
韓国の貨客船セウォル号が沈没して、修学旅行生がたくさん死去した事件がありました。
エヴォラ出血熱が、ナイジェリア、セネガル、アメリカ合衆国で流行しました。
香港では民主的な選挙を求めて、中国共産党への大規模デモ、雨傘運動が起こりました。台湾でも、対中華人民共和国貿易の審議が強引だということで、台湾行政府と立法府(国会)を学生が占拠した、ひまわり運動が起こりました。

2015年
日本では集団的自衛権の容認、原発推進などの問題で、安倍政権の強引なやり方にシールズなどが主導した大規模デモが起こりました。
ギリシア財政破綻問題とユーロ圏離脱問題は続いています。グローバル経済化したことで格差は広がりました。自国に決定権もなくなって、国民国家への主権回帰傾向が出てきます。ギリシアのツィプラス首相や、フランスの国民戦線(ルペン党首)など、右派や極右が台頭して、選挙で議席を増やしています。イタリアの五つ星運動や、米国のトランプ大統領誕生も同じ流れにあります。
自国中心主義で、自国は被害者、犯人は外部の移民や難民や特定の国、たとえば中華人民共和国、ドイツだと決めつけています。こうした右派は実際は効果的な政策を持っていないので、政権を任されることがあっても、公約と現実とのギャップで右往左往して、期待外れに終わるというのがパターンです。数値で観ると失業率、経済指標などは改善されないことがほとんどのようです。
この頃からG20会合の開催地で抗議デモが起こるようになります。2016年の杭州、2017年のハンブルク、2018年のアルゼンティン、2019年の日本ですね。反グローバリズムの思想を持つ人たちの運動で、1999年のシアトルWTO閣僚会合から始まりました。暴徒化が目立つようになったのは2015年のフランス エビアンでのサミット前後からです。
この年には、COP/気候変動枠組条約締約国会議第15回パリ協定が結ばれました。ポスト京都議定書ということで、2020年からは途上国も含めて温暖化物質の排出削減に取り組むという内容です。

このころからオゾンホールが縮小傾向にあるようです。フロン/クロロフルオロカーボン/CFC を削減したり廃止した効果が出たのかもしれません。ただ、代わりに開発された代替フロンのうちHFC/ハイドロフルオロカーボンは、オゾンホールは作らない代わりに、温室効果がもっと大きくて、最大でco2の一万倍とも言われています。それで京都議定書では禁止されたようです。牛のげっぷや、メタンハイドレードを気体にしたメタンはco2の21倍だそうです。
7/20キューバと米国が国交を回復しました。1961年以来のことで、冷戦の遺産を葬ったと言えます。冷戦の陣営を越える国交は1990年前後から拡大してきました。これもグローバル化と言えます。
国連が持続可能な開発目標、いわゆるSDGsとして「2030Agenda」のなかで17の目標を掲げました。開発と言っても人権なども含んでいます。資本主義を基礎に置いた思想なので、開発、拡大は前提なんです。開発を抑えようという思想は取り入れられていません。
フランスでは、新聞社シャルリーエブドへの襲撃事件が起こりました。カフェや劇場を襲う事件もありました。ムスリムの移民に対する「表現の自由」「同化政策」が問題になりました。

2016年
2/12ローマ法王フランシスコと、ロシア正教のキリル一世総主教が会談しました。お互いを破門し合ったカトリックと正教の出来事を憶えていますか。統合しないという語呂で憶えた1054年のシスマ/東西教会大分裂です。まだロシア正教は存在していませんでしたけど、正教の代表とカトリックの代表の会合という意味では、962年ぶりです。
これも宗教のグローバル化の深化と言えます。互いに中立と判断したキューバで行ったんですけど、西アジアやアフリカで、特にキリスト教徒が迫害されているので、ロシア正教側が協力の必要性を感じたようです。「キリスト教徒の保護」と、「将来の再統一」を目指すそうです。ただ、実際にはウクライナ文化の一部になっているユニエイト教会/東方典礼カトリック教会/東方帰一教会への、ロシア正教会からの牽制が理由と考える研究者もいます。ユニエイト教会はカトリックと言っていいと思います。
ユニエイト教会は1596年に成立して、この教会は西ウクライナで強く、ウクライナ民族主義の母体になっているからだ。1945年、ソ連の赤軍がウクライナを占領した1946年非合法化、1947年に、ユニエイト教会は「自発的に」ロシア正教会に合同した 。1989年に合法化。
この年には、日本で自衛隊駆けつけ警護可能法が成立しました。自衛隊が攻撃されていなくても、移動して攻撃できるということです。集団的自衛権の拡大傾向が強まっています。
中華人民共和国の南シナ海への進出に対して、フィリピンが提訴した国際司法裁判は、の仲裁裁判で「中華人民共和国による海洋進出と領海は法的根拠なし」と判断しました。
西アジアでは、ISの支配地域が縮小へ転じています。
4月、署名多数で採択されたのが、21世紀中の温暖化ガス排出0を目指すパリ協定です。11/4には発効しました。京都議定書は発効までに七年間かかったんです。批准国が少なかったからです。今回は7ヶ月です。意識の高まりが見て取れます。
批准国は、仏独英ブラジル、UAE、米中インドなどです。
非批准国は、日本です。発効後にようやく批准しました。
世界の気温推移、パリ、ロンドン、ニューヨーク、バグダード、北京、東京都の気温推移などは、簡単に調べられますよ。気象庁のサイトなら、日本の各都市のデータを何十年分も見られます。
米国次期大統領選挙では、泡沫候補と見られていたドナルド トランプが躍進しています。まさか大統領になるんでしょうか。なるんです。不動産会社の経営をしていて、議員や官職は未経験で、兵役も未経験という、これだけ揃っているのは初めての大統領になります。「ムスリムを入国させない」「メキシコとの間に壁を築く」など、差別的な政策を訴えています。何かを変えられると期待する白人貧困層に支持が広がりました。これには、共和党主流派さえ離反しました。史上まれにみる悪態選挙と言われてもいます。大統領候補のヒラリークリントンは、国務長官時代の機密情報を私用メールアドレスで扱ったと批判されました。危機意識が低いですよね。そんな人が大統領というのは怖いです。ツィッターで政策を発表するのは、質的に違う気もします。ヒスパニックや黒人は、クリントンを支持しました。
2016年4月パナマ文書、2017年にはパラダイス文書が公開されました。税金が安いタックスヘイブン/租税回避地/オフショアと言われる国や地域が世界中にあるんですけど、税金逃れのために、そこに企業の本部を置いたりしていたんですね。政治家、経営者が脱税、節税のために利用していたんですけど、そういう人たちの名簿が公開されたんです。節税のための経費を払うこともできないくらいの貧困層からすると、ずるいと感じるのは道理です。パナマ文書によって英国のキャメロン首相が関わっていたことが判明しました。シリアのアサド大統領やパキスタンのナワズシャリフ首相や中国の習近平の親族や家族の名前、ウクライナのポロシェンコ大統領の名前が載っていました。税金という国家の根幹にかかわることなのに、菅官房長官は日本政府として調査はしないと言っています。政府に関係している人がいるのかだろうと考えるのが自然な反応です。
パラダイス文書にはカナダのクレティエン、マーティン、日本の鳩山由紀夫オーストリアのグーゼンバウアー、カタールのアルサニなどの首相経験者、英国のエリザベス二世なども名簿に名前がありました。名簿に名前があっても、合法の人もいるし、そこで節税をした事実はないと否定する人もいます。
この問題は、税金を通じた政府と国民の関係、つまり納税の義務とサーヴィスを受けて政治に参加する権利を再考するきっかけになりました。グローバル企業への課税で国際合意したこともこの延長にあると思います。
米国の現職大統領として初めて、オバマが5月に広島を訪問しました。核なき世界のプラハ宣言の流れを汲んでいます。12/27-12/28にかけては、退任間近のオバマ大統領の故郷ハワイでの静養に合わせて、 現地1941年12/7に起こった真珠湾攻撃の日を外して、米国内を刺激して非難されることを避けて、日本の現職首相(安倍)がGHQからの独立後としては初の公式訪問をします。オバマの広島訪問への返礼ではなく、独自に行った自発的な行動と位置付けています。基層の人はそうは見ないんですけど、外交では形式が大切なので、それで通るんです。謝罪でもないんですけど、「外交は行動」が大切なので、真珠湾訪問することが大切なんです。安倍はこのとき、反戦平和を訴えています。その意図は「日米安保の深化は反戦目的」とのロシア、中華人民共和国に向けての広報と、在日米軍の維持費増額要求をしているトランプ次期政権への牽制です。
この頃から、米ロ中の関係悪化、核軍縮の停滞という情勢に対して、核兵器の非人道性を突こうということで、スイスなど16カ国が「核兵器の使用は国際人道法に違反する」という共同声明を発表しました。そして国連の総会で、核兵器を全廃するために「2017年に核兵器禁止条約交渉のための会議を開催する」決議が採択されました。
イラン、朝鮮、オーストリア、メキシコは賛成、核保有国の米英仏ロ韓国、イスラエルは反対、中華人民共和国、インド、パキスタンは棄権です。日本は唯一の戦争被爆国で、核兵器の非人道性を訴えてきたのに、反対票を投じました。日本の安倍政権の主張は「核兵器の保有を法的に禁止すると、非保有国との間で分離、対立が起こって、結局は削減できないし廃止もされない」ということです。現実に、各兵器の保有国はNPTで保有を認められていて、その代わりに削減する義務を負っているんですけど、削減に前向きではないし、保有数を減らすことはあっても、新しい核兵器を開発もしています。是ではもう期待できないと考えるのは当然です。共和制ローマで平民だけの決議機関として平民会が成立した後、この平民会の決議が元老院の許可なく、ローマ全体の決議になるということがありましたね。今回の核兵器は絶対悪だから禁止するというグループの存在は、一時的には分断を生むかもしれませんが、結局は核保有国を束縛する流れになる可能性はあり得ます。核保有国には、正当性がありませんからね。

2017年7月、この核兵器禁止条約が採択されました。核兵器の実験、開発、製造、取得、貯蔵、保有、配備、そして管理権の譲渡、使用、核兵器使用の示唆による威嚇を禁止する内容です。国連と、NGOの核兵器廃絶国際キャンペーン/ICANが主導しました。
賛成122-メキシコ、オーストリア、エジプト南アフリカ、スウェーデンなど
反対1-オランダ 
棄権1-シンガポール
不参加は、核兵器保有国でNPT加盟国でもあるロシア、米仏英中、そしてNPT非加盟国/事実上の核兵器保有国のパキスタン、インド、イスラエル、朝鮮です。
核の傘にある国も不参加です。日韓豪など米国と安保条約を結んでいる国、ドイツなどNATO加盟国です。 
この時点の核兵器の弾頭保有数は、ロシアが7000(2021年時点では6255)、米国が6800(5550)、仏300(290)、中270(350)、英215(225)、パキスタン130-140(165)、インド120‐130(156)、イスラエル80(90)、朝鮮10-20(40-50)です。
2020年10月にホンジュラスが50カ国目の批准国となって規定を越えたので、この核兵器禁止条約は、2021年1月に発効しました。
2017.1.20米国でトランプが大統領に就任します。太平洋地域のFTAであるTPPの交渉から離脱したり、移民の多いメキシコとの間に壁を建設するなどの大統領令を発します。
アメリカファーストがスローガンでした。国益を第一に考えるのは当然なんですけどね。
この年の1月、ベーシック・インカムがフィンランドで2年間実験として導入されました。
ベーシック・インカムの嚆矢とされるのは、トマスモアが「ユートピア」の中で書いた文章です。最低限度以上の生活をできるようにお金を配ることです。衣食住に困らないようにという意味では、社会主義の物品配給制に似ています。個人年金と違って、これまでにお金を積み立てて来たかどうかは問われません。社会的年金のように、他の世代が負担するわけでもありません。失業保険のように、求職活動実態を監視されることもありません。生きているだけで受け取れます。将来は、年金に替わるものとして期待している人たちがいます。
「AIが仕事を奪う」と不安になる人がいる中で、「むしろAIが稼いで、人間はお金のために働かなくてよくなる。そういう社会の実現のためにベーシック・インカムが必須要素となる」と主張する人もいます。ただ、AIがベーシックインカムに必要なだけのお金を稼げるかどうかは不明です。
フィンランドの場合は、ベーシック・インカムで収入を保証された人が、自分の趣味や能力を試すために起業をして、結果的に税収増につながるかどうかを見るための実験です。対象者は2000人でした。年金よりも支給額はやや下がって日本円で言えば6.8万円なんですけど、消費税20%を越える北欧などでは、教育・医療費などは無料なので、可処分所得は少なくても生活できるのかもしれません。
ベーシック・インカム実験に参加した人は
「自分は失業中だが、失業保険のように、求職活動実態を監視されることがないから、自由に生きられる」と言っています。
GDPに替わる指標として、幸福度調査などが実施されている現在では、自由を感じられることは国の好評価につながります。
6.8万円を超えて稼ぎたい人は、仕事をしてもベーシックインカムの支給を受けられなることはありません。そこが失業保険とは異なるので、自分に向かない仕事につく必要はないと言えます。ベーシックインカムに少し上乗せする程度の短期で低収入の、自分に合った仕事にも就けます。
実験の結果はどうなったんでしょう。気になる人は自分で調べられると思います。
2016年には、スイスでベーシックインカムを導入せよと主張するデモが起こっていました。
関心のある人には、「隷属なき道 AIとの競争に勝つ3時間労働とベーシックインカム」(ルトガー・ブレグマン)「21世紀の不平等」(トマ ピケティの師匠アトキンソンの著作で、再分配についての考察です。20歳相続、児童ベーシックインカムなど)という本があります。
世界初、シドニーで全品無料のスーパーマーケットが誕生しました。大手の消費期限間近の品を無料で卸して、店舗の家賃は大家の協賛で無料、スタッフは無料ヴォランティアで、寄付も受け付けています。客は篭一箱分の品は無料で持って帰れます。すごいですね。フードバンクの先を行っています。
日本はフードロス、つまり捨てる食べ物が多い国のようで、賞味期限、消費期限が近付いたら安くするという取り組みは行われるようになってきています。
7月、イラク軍がISの拠点モスルを制圧しました。2016年10月からの攻防では人間の盾、戦闘員の妻や子供の自爆攻撃、入り組んだ街路があっても、漸進していました。
この年には、米国のハリウッド、つまり映画界でセクハラで、有名なプロデューサーが訴えられました。勇気を出して訴えたことで、世界中の女性が映画、音楽界などで声を上げはじめます。#Me Too 運動の始まりです。
12月には、南スーダンで、停戦が合意されました。

2018年、女性が声を上げる運動が普及して注目される流れで、スウェーデンのグレタ・トゥンベリが出てきます。後に、未来のための金曜日と言われる運動です。毎週、金曜日は学校をボイコットして、国会の前で温暖化対策を訴えました。国際連合でもスピーチをします。グレタ・トゥンベリは、ジャンヌ・ダルク、女性に教育を訴えたマララ・ユフスザイ、脱プラスティックを訴えるインドネシアのイザベル・ワイゼンとメラティ・ワイゼンの姉妹のように、男性が行動しない中で、最前線で行動している少女だからという理由で注目されています。似た行動をしている男性、女性、少年が昔からいると思うんですけど、世界中からは注目されません。本人が望む望まないにしても、運動にはシンボルが必要ということです。香港では幹部ではない周庭の方が日本で注目されたことも、おなじ歴史の流れ、文脈にあると思います。国連、企業、ナオミ・クライン、オカシオ・コルテスなどはグリーンニューディール、つまり経済成長をあきらめないで、持続可能な開発をする中で、地球環境を守っていこうとしています。グレタ・トゥンベリの本質は現在の環境を憂えてではなく、経済開発でもなく、未来の世代のために行動することは正義だという、気候正義という考え方にあります。

2018年、米国が抜けた後、11カ国でTPP11に署名して、批准して、発効しました。世界のGDPの11%くらいの国が参加しています。チリ、ペルー、メキシコ、カナダ、日本、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、ベトナム、ニュージーランド、オーストラリアです。 後で2022年に、大陸中国と台湾も加盟申請をします。

2019年11月ころ、中華人民共和国の湖北省武漢を中心に、新型コロナウイルスが感染拡大を始めます。中華人民共和国では年明けの2020年に武漢の航空、長距離バスや鉄道を使用中止にするんですけど、その前に人口の50%、500万人がすでに脱出していたようです。感染者の過少報告も、感染の拡大に寄与してしまいました。
コンスタンティノープル総主教ヴァルソロメオスは、ウクライナ正教会が、独立の境界であることを承認しました。モスクワの正教会が1686年にはスラブの首位権を認められていたんです。ウクライナのクィィブもモスクワ傘下にあったんですけど、この1686年の取り決めを無効にしたんです。ウクライナ正教会はウクライナのナショナリズムと密接に結びついているので、2014年のクリミア併合や、東部ウクライナで親ロシア派の自治政府出現など、ロシア正教と結びつくロシアの影響から脱したいという思いがあるようです。
これはユニエイト協会とは違います。

2020年1月、英国がEUを離脱しました。移行期間は2020年12月まであります。
2020年3月新型コロナウイルスに罹患した人が増えていて、WHOがCOVID-19と言われる感染症が世界的に流行しているとしてパンデミックを宣言します。2019年に発生したcorona virus diseaseという意味です。人類の発見しているコロナウイルスとしては7番目です。
2020年11月、 RCEP/東アジアの包括的経済連携/Resional Comprehensive Economic Partnershipに15カ国が署名しました。交渉に参加していた国で唯一インドは署名しませんでした。自国の経済への心配があったからです。この広域FTAは、平均して53%関税を下げます。ただ、日本へのコメや牛肉の輸入は対象外だったり、中華人民共和国からの冷凍食品は11年目から関税を下げるなど、各国の事情に合わせています。世界のGDPに対しては域内GDはP30%です。参加国は、ASEAN10カ国と、日本、中国、韓国、オーストラリア、ニュージーランドです。
2020年12月にロシア南部で、致死率が高い高病原性の鳥インフルエンザウイルスH5N8型の、鳥から人への感染が世界で初めて見られました。養鶏場の従業員7人は感染したんですけど、回復したそうです。2021年になって、ロシア福祉監督庁のポポワ長官はWHO/世界保健機関に報告したようです。

2021年
WHO/世界保健機関などは、新型コロナウイルスに対するワクチンの公平な分配のためにCOVAXファシリティという枠組みを作りました。各国が予約したり、既に確保したワクチンの再分配などのルートで集めているようで、途上国や自国で生産できない国に配給します。
課税逃れ、コロナウイルスで経済が低迷して税収減となった先進各国のグループ OECDが主導して、グローバル企業への課税で国際合意しました。G20も合意しています。国際的に法人税を15%を下限として、売上高200億ユーロ以上の巨大なIT企業にはデジタル課税もします。
2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻しました。
アデノウイルスと関係しているという話もあるんですけど、原因は不明の肝炎が世界中で発生しています。

冷戦後の国連の事務総長について、書いておきます。
1982年-1991年、デ・クエアル(ペルー)二期務めました。
1992年-1996年ガリ(エジプト)
1997年-2006年、アナン(ガーナ)二期。
2007年1/1パンギムン(コリア)二期。
2017年1/1グテーレス(元ポルトガル首相)二期目。
基本的に米国が支持すると、二期目に入ります。
PKOの変質
2013年、コンゴ民主共和国へのPKOでは、「介入旅団」と言って、国連が紛争の当事者になってしまいました。
2014年、南スーダンPKOでは、日本が施設部隊/兵站担当を派遣しました。
2016年、日本では駆け付け警護法が成立して、自衛以外にも武器使用を可能としました。
2016年、PKOは16か国に派遣されて、12万人が従事しました。隊員を派遣する国は途上国が多くなっています。世論を気にして人的被害を避ける先進国と、派遣規模に応じて国連から支払いがあるので、途上国が積極的に派遣することが影響しているようです。

基層の人について書きます。
世相では、先進経済国の経済成長が鈍化したことで、若い人は将来に不安があります。大量生産大量消費によって地球環境が悪化したことにも不安を抱いています。それで物、お金以外の価値を求めるようになっています。断捨離ブームもそうだし、所有しないでシェアする世相もそうです。もちろん、所得が少ないことも前提にあります。シェアハウスは日本で言えば長屋のことですけど、自転車のシェア、タクシーのシェアなどがビジネスになっています。
服飾では、2000年以降エディ・スリマンがメンズファッションをスリムでリードします。style.comなどインターネットコレクションも普及します。
建築では、世界的に高く評価される建築家はプリツカー賞で確認してください。
文学では、ノーベル文学賞は「ある程度」文学の新しい地平を切り開く作家に対して、授与されます。売れているかどうか、影響力があるかどうかは関係ありません。
他にはカフカ賞、エルサレム賞、スペインのプラネタ賞、英国のブッカー賞、 フランスのゴンクール賞、ドゥマゴ賞、米国のピュリッツァー賞、全米図書賞などを押さえておけば、世界の文学には一応通じていると言えると思います。
スポーツを書きます。テニスでは四大大会の優勝者がナダル、フェデラー、ジョコヴィッチ、サッカーではW杯ではドイツ、バロンドールの受賞者がメッシとクリスチアーノ・ロナウド、クラブでは、UEFAチャンピョンズリーグではFCバルセロナ、レアルマドリードの二強の時代でした。卓球はW杯でもリーグでも中華人民共和国の一強で、日本が追随する時代です。ドイツのブンデスリーガも盛んです。ゴルフではタイガー・ウッズ、ラグビーではW杯で、ニュージーランド、イングランド、南アフリカが三強と言える時代です。バスケットボールはアメリカ合衆国のNBA、アイスホッケーは北米のNHL、野球は北米のMLBと日本、台湾、韓国が盛んです。

医学・生理学・生物学などの分野では、2003年にヒトゲノムの塩基配列は解明されたと発表されていました。けど、その時点ではこれが限界という意味で、実際は92%の解明率でした。2022年に欧米系の男性のゲノムが100%解明されました。これ以降はアジア、アフリカ、そして個人の塩基配列の解明に入ります。遺伝子レベルの治療を可能にする研究です。一応DNA、ゲノム、遺伝子の違いを書いておきます。
紙にアルファベットや五十音などの文字で指示が書いてあるとすると、指示をする文字自体が遺伝子で、五十音順という並び方がゲノムです。文字や余白から構成されている紙がDNAです。
物理学・化学などの分野では、2012年に欧州合同原子核研究所/CERNによる質量の元になるヒッグス粒子の発見などが大きな成果と言えます。
テクノロジー面では、2001年にウィキペディアが誕生します。不特定多数の人が知識を持ち寄るサイトの誕生は、知のグローバル化と言えます。権威ある大学や研究所ではないので、民主化とも言えます。
2004年、ヴォーカロイドが発売されます。開発はヤマハで、手軽に音声合成が可能になる技術です。
2005年、映像共有のyoutubeが設立されます。日本では遅れてニコニコ動画が生まれます。
リアルタイムの電子コミュニケーションであるチャットは、1980年代に登場しているんですけど、21世紀になって普及します。ネット上のコミュニティで、仲間を探せるSNSが普及します。SixDegrees.com、Friendstar、Linkedin、mixi、facebookなどですね。2006年には短文でコミュニケーションするtwitter、2010年には画像共有のインスタグラムのサーヴィスが開始されます。
2007年、初音ミクが誕生します。初めて、双方向のコミュニケーションを可能にした二次元アイドルです。
2009年、ビットコインの発行。2008年10月にサトシ・ナカモト(国籍も本名も不明)がブロックチェーン技術を使った中央管理者のいない決済システムに関する論文を発表したことがきっかけになっています。通貨発行権は、国家の専権事項とも言えますが、国家の保証のない通貨、しかも地域通貨ではないと言うことでは、通貨のグローバル化の典型と言えます。
2020年代、Four GAFAと言われる、情報検索のGoogle、高級ブランドスマホのAPPLE、コミュニケーションのFacebook(METAに改称)、小売のAMAZONの資産は、中規模国家とおなじくらいになっています。

AIの進化年表を書いておきます。
1997年5月、チェスでは、ディープブルー(IBM開発)がガルリ・カスパロフに勝利
2011年2月、クイズではワトソン(IBM開発)がクイズ番組「ジェパディ!」で総合優勝
2012年1月、将棋ではボンクラーズ(富士通研究所開発)が米長邦雄(引退棋士)に勝利
2013年3月、将棋ではポナンザponanza(山本一成開発)が佐藤慎一(現役棋士)に勝利
2016年3月、囲碁ではアルファGO(Google開発)がイ・セドルに勝利
2016年11月、東ロボくん(国立情報学研開発)偏差値57が東大合格を断念。「複数文の間の関係認識が不可」、つまり行間を読めないことが原因のようです。

皆伝 世界史はこれで終わります。
この時代、皆伝31も少しは入試で出題されるんですけど、概要に書いたくらいのことを知っていれば十分得点できると思います。インプットは十分なので、後はアウトプットです。しっかり準備して、春に合格の報告を受け取れるといいですね。
六連の現代後期は https://note.com/kaiden_juken/n/nc5814967e7bf

です。

受験世界史とは言いながら、理解を深めてほしくて、入学試験に出ないようなことも書いてしまいました。これだけのことを理解していれば、国際情勢や現在の出来事を理解する時にも、比較できる物差しを手に入れたと言えるんではないでしょうか。
これから先は自分で、私淑した先生の教えで、歴史の学びを続けていけると思います。

世界の歴史をよく理解できた、面白かった、役立った、目からうろこもコンタクトも落ちたと思った人は、下にあるスキ(♡です)を押したり、気に入ったらサポート(寄付)を押したりしてくださると嬉しいです。


              おしまい


入学試験には出ないことも含めて、この時代の地域史、地区史も読みたいという好奇心のある人、国際情勢に関心の高い人は、先に進んでください。新聞を読んでいても、ニュースを見ていても、バラバラな知識になってしまって、体形的に理解することは難しいし、少し前のことは忘れてしまいます。この記事は随時更新しているので、最新の知識を得たいという人は購入のいい機会だと思います。




□□ラテンアメリカ

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