見出し画像

第29話 怪談『カップル』(バス・お題『UFO』)

私の父は幽霊などには余り興味がない人でしたが、UFOや、SFには興味があったらしく、色々な映画を観たり、山、高台に行っては何か、飛んでるんじゃないかと探すのが好きでした。

1970年代後半、当時20代だった父は、UFOブームが来ると未知の世界に惹き付けられたそうです。
世間ではピンク・レディーが「UFO」を歌ったり、映画「未知との遭遇」が大ヒット、雑誌や漫画なんかでもUFO特集がのるなどしたそうです。

色々な雑誌をみてはUFOをみたいと、その当時からカメラ片手に見晴らしのいい、山や高台に行きUFOの写真を撮りたいと考えていたそうです。
 
私や父が住んでいる所は山が多い所でしたので、ある意味UFOを探すのには持ってこいでした。

ある夜、時間が出来た為、山に行き、また観察するかと考えたそうです。
時間は20時過ぎに山に到着、普通なら夜の山は暗くて、怖いところのイメージの方もいるでしょうが、父にとっては住み慣れた土地の山という事もあり怖さはなかったそうですね。

山の頂上付近にあるパーキングに車を停めてそこにある展望台に行ったそうです。
夜はシーンとしてて、人気はなく、父1人でした。 
トランクからキャンプ用のイスをだし、座り空を見上げ何か面白いこと起きないかなと思ってたそうです。

夜の空を見るだけでも楽しかったそうで、そこからしばらくは星空を観察。 

「あー、今日もUFOいないかー、まあ、星空綺麗だったしいいかー、そろそろ帰るかな」
と帰り支度を始めたその時、若いカップル?らしき2人がとぼとぼと下から歩いてくるのが見えました。
こちらにくるのかと思うと山の茂みの方に入っていきました。

父は慌てたそうです。
小さな山とはいえ、何が出るかわかりません、もしかしたら心中かもとも考えて 
追いかけることにしました。
流石に展望台までは良くくる為大丈夫だったそうですが森の中はまるで、夜の闇、闇に飲み込まれるような意識になったそうですが、車にあった懐中電灯を取ると、追いかけたそうです。
やはり、夜の闇どこにいるのかも、分からずでしたが、「おーい!いるかー」と叫び探したそうです。

段々と自分のいる位置も怪しくなってきた感覚に。

そうしてしばらく経つと急に父の手前の奥の方から光が一瞬上がったかと思うとまた闇に、父はそこに行くと、何もありませんでした。

結局、2人は発見できず、朝になるまで、危険だと感じた父はその場で朝まで過ごしたそうです。
辺りが明るくなるにつれて、周囲が見えるようになると父は帰宅したそうですが、その後、新聞などに若いカップルの行方不明などがないか、調べたそうですが、何もなく、あれは幽霊だったのか、はたまた、得体の知れない何かに連れてかれたのか分からないと話してました。

動画はこちら。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?