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【突然の来訪に】20代大病体験記 #05

大病になった方、そのご家族の方々に読んでいただきたいと思い連載してついに#05。後半に突入。
今回は脳腫瘍の手術後、転機となる出来事について文に残しました。

ここまで酷いなら手術せんほうが良かった。。

毎朝、鏡を見て視界がブレブレでも分かる悲惨な手術跡。
執刀した部分がホッチキス止めされている腫れている頭に加え、ボクサーが殴られた後の様な目のあざ。さらに、腕もボロボロ。。

どうしようもない愚痴をこぼしていた時に、一報が届く。
どうやら、友だちがお見舞いに来たと言うのだ。そこで、最初の異変に気づく。

名前を教えてもらった誰だが分からないのだ

でも、向こうはせっかくの休日にお見舞いに来てくれているので、面会することになった。
久しぶりに病院関係者と家族以外の人に会う。人と会うのってこんなに緊張するのか!生まれて外の空気に触れる感じ。緊張した。

顔を見た瞬間、「どっかで見たことある、この顔!?」と思った。
MRI検査の結果を見せながら話す。どうやら、彼は大学時代の友人らしい。

「脳腫瘍って聞いたときはビビったよ。生きてて良かった」

そう言い残して彼は病室で後にした。
 
彼がいなくなってひとりになった. 暑さが残る9月の病室。
ボクは、気づく。

「記憶が無くなっている!?」

嘘みたいなホントの話。脳腫瘍の後遺症の高次脳機能障害によって記憶障害になっていたのだ。さらに、友だちについてもそうだが、自分についても何者か分からない。
焦ったが、同時に明日を生きる目的ができた。


過去の自分探しの旅

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