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みんな必死に生きている/2023.06.13

最近の平日のお昼は今年の春に桜を見た場所で、お昼休憩をしている。
桜並木の下にはベンチがあり、今は桜の花が散り葉桜となり、それが木陰になって涼しい。
今の時期にはちょうど良いオアシスとなっている。

その場所は会社から15分くらい歩いた場所にある。
途中コンビニでお昼ごはんを買ってそこに行くので、先にサラリーマンや学生たちが座っていて、全てのベンチが埋まってしまうことがしばしばある。

唯一空いているベンチが、日がガンガンに差してくる場所にあるので、そのときはそこで5分でお昼ごはんを済まして、会社にゆっくり戻る。
ずっとそこにいたら、履いている革靴が太陽に熱せられて暑くてたまらないのだ。

今日は木陰の下にあるベンチに座ることができたので、そこでお昼ごはんを食べた。
レジ袋からコンビニで買ったパンをガサガサと出していると、2、3羽のハトが地面を嘴でつっつきながら、あたしの足元に近づいてきた。

外でパンを食べていると、細かいパン屑が地面に落ちることがある。
それを待っていたといわんばかりに、ハトやスズメがやってきてそれを食べる。

まだ落とすどころか食べていないのに、ハトたちはやってきた。
「お恵みください」と言っているようにみえた。

少し離れたところではスズメが、こちらの様子を伺いながら地面を嘴でつっついていた。

昨日、別の公園でお昼ごはんを食べていたが、そのときスズメがあたしの真隣に来た。
そしてこっちをじっと見てきた。

そのとき、あたしの手にはコンビニで買ったサンドイッチがあり、食べようと封を開けたところだった。
そのスズメは「それ、くれ」と首を傾げながら、あたしを見ていた。
でもあたしはじっとスズメを見ていて何もしなかったので、スズメは「こいつ、なんもくれんな」と思って、どこかに行ってしまった。

食べ終えたころ、また同じスズメかはわからないが、またスズメがやってきた。
「くれ!」
とそのスズメは目で訴えかけてきた。
「ないよ」
とそのスズメに声を掛けると、「なんだ、ないのか」という顔でどこかに行ってしまった。

子供のとき、広場や公園などで鳥たちにエサをあげる人がいた。
しかし鳥のフンや鳴き声、臭いなどによる問題が起こり、今は鳥にエサをあげるのを禁止にする場所が増えて、鳥にエサをあげている人は見なくなった。

パンを食べ終えたとき、さっきまでいたハトやスズメたちは他のベンチに座っている人の前にいた。

会社に戻るとき、花壇で1頭のアゲハ蝶が花の蜜を吸っていた。
蜜を吸い終えると、羽をバタバタと動かして、次の花へと移った。

アゲハ蝶とは結構近い距離にあたしはいたが、アゲハ蝶はそんなことはお構いなしに花の蜜を吸っていた。
蜜を吸うストローのようなものがピンと真っ直ぐにさせて、力強く蜜を吸っているようにみえた。

この日は暑かった。
人間も暑ければ飲み物を飲むのと同じように、アゲハ蝶も蜜でカラダを潤そうとしていたと思う。

蝶々は優雅に花を蜜を吸っているイメージがあったから、こんなにもガツガツと花の蜜を吸う姿を見て驚いてしまった。

いいなあ鳥や蝶々は気楽でって思っていたが、鳥も蝶も生きるために必死だ。

お互い頑張ろうな、とここにいる鳥や蝶にそう思いながら会社に戻った。

最後まで読んでくださりありがとうございます。これからもワクワクドキドキウルウルする作品を作っていきます。作品が良かったら「スキ」を押していただけると、とても嬉しいです。次の更新もお楽しみに^^