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赤の見守り/2023.08.12

ピクサー映画『マイ・エレメント』を観に、映画館へ行ってきた。

休日で、今は夏休みなので、たくさんの親子連れがいた。
これから見る映画も子どもがたくさん観るのかなと思いながら、入場時間になるまでロビーの壁に背をもたれて待った。

目の前を見ると、幼稚園年長か小学1年生くらいの女の子2人がロビーにある大きなスクリーンに流れている映画の予告映像を見ていた。
女の子たちの周りを見ると、この子たちの親っぽい大人がどこにもいなかった。

この子たちの親はどこ?
もう一度、見て探すが見つからない。

お手洗いかポップコーンを買いに行っているのだろうか。
でもそれなら一緒に行くはず。

もしかして、親は子どもたちがついてくると思ってどこか行き、子どもたちはスクリーンの画面に夢中になって親がどこかに行ったことに気づいていないかもしれない。

そのうち親がいないことに気づいて、「ママー! パパー!」って探すに違いない。
でも子どもたちはまだスクリーンの映像の虜。

子どもたちが怪しい大人に声をかけられて、どこかに連れ去られる前に、親と合流すると良いのだが……。
こんなに人が多くいるところで、そんなことが起こるのはまずないとは思うが、みんなスマホの画面やおしゃべり、ポップコーンしか見ていない。

あたしは子どもたちをジッと見た。
誰もこの子たちに近づくなよ。
近づいたら、お姉さんが許さない!!

多分、この中でいちばん怪しかったのはあたしかもしれない……。

しばらくして、子どもたちはスクリーンの虜の魔法が解けた。
そして後ろを見て、1人の女性のところに走っていった。
多分、この子たちの母親だろう。

母親の手には、ポップコーンと飲み物をのせたトレーを持っていた。
子どもたちはポップコーンを食べようと爪先立ちして、腕を伸ばしていた。

ああ、良かった。
あたしのミッションはここで終了。

そのタイミングで入場開始時間になった。

最後まで読んでくださりありがとうございます。これからもワクワクドキドキウルウルする作品を作っていきます。作品が良かったら「スキ」を押していただけると、とても嬉しいです。次の更新もお楽しみに^^