茶碗が割れたら、転換の合図/2023.12.05
朝から炊き立てのごはんを、お気に入りのお茶碗に盛って食べれるのは、すごく幸せなことだ。
朝ごはんはごはん派だ。
子供のときから、卯ノ花家の朝ごはんの主食はごはんだった。
上京したばかりの頃。
シェアハウスの備品としてあった炊飯器を使うのに抵抗があり、しばらくの間、パンを毎朝食べていた。
しかし、パンはすぐにお腹が空いてしまい、お昼ごはんを多く食べてしまいがちだった。
さらにパンを毎朝食べるのがだんだんしんどくなってきて、1枚食べきれない日が続いた。
結局シェアハウスに来て1ヶ月もしないうちに、備品の炊飯器でごはんを炊いて食べるようになった。
今朝のごはんはいい感じに炊けて、美味しかった。
お腹と心が幸せで満ちた状態で、食器を洗いに台所に行った。
全ての食器を洗い終えて、キッチンペーパーで水気を拭き取ろうと、お茶碗を持ったときだった。
お茶碗を持っていた手の力がなぜか抜けてしまい、お茶碗が手から離れてしまった。
そしてそのまま床に落ち、パリーンと音を立てて、二つに割れてしまった。
慌ててその場にしゃがみ込んで、割れたお茶碗を拾った。
嘘でしょ?
これ今年の春に買ったばかりだよ。
さっきまで心を満たしていた幸せが、一気に消えてしまった。
悲しい気持ちのまま、割れたお茶碗をビニール袋に入れて、床に飛び散った細かい破片をガムテープでペタペタと取っていった。
幸い、床に傷はなかった。
退去費のことを考えたらラッキー。
でもお気に入りのお茶碗が割れたら、そんなラッキー、お茶碗のアンラッキーで帳消しだ。
この前はワイヤレスイヤホンが原因不明のノイズが出る故障を起こして、修理に出して戻ってきたばかり。
期間を空かずに、また物が壊れるなんて。
怖い。
これは不吉なことが起こる前触れかな?
お茶碗が割れたことに何か意味があるのか、念のためスマホで調べてみた。
案の定、割れることは不吉なことの予兆であると書いてあった。
やっぱりそうか。
しかし、スマホの画面を下にスクロールをすると、吉兆の意味が2つ書いてあった。
まずは厄が落ちた。
数週間前、風邪やイヤホンの故障、台所にコバエが発生するなどの不運続けざまにあった。
割れたお茶碗がそういった厄を払ってくれたのなら、それはありがたいことだ。
そして、これから人生の転換期が訪れる。
これから何かあるってこと?
つい最近、引越しをしたばかり。
今年の夏に掲げた2つの目標のうちの1つだ。
残り1つが仕事の目標だが、それに関するなにかがあるのかな。
これから起こるなにかに少し期待しつつ、この前見つけた可愛いお茶碗をお迎えした。
この日は一粒万倍日。
買い物にはもってこいの日だ。
お茶碗割れて……ラッキー?
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