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夏風/紅すずめ
2024年1月6日 17:04
幾度も増築された病院の迷路の様な細い廊下を歩く清潔で無駄ない空間は冷たい向かう場所へ矢印は続き溜息と不安が低い天井にこだまする生や死はいつも隣にあること遠い地の災害隣家からのSOS無力さを嘆きながらも痛さを封印したこころは実は無感動少しずつ溢れていくいずれ何もなくなるから消えそうで消えない命にへらへらと笑う君と私は双子のように育った悲しくはないんだ私では守りきれない
2024年1月1日 21:47
広場の石畳みに刻まれた記憶が霧の中で息を吐く遠い汽笛が蘇り失くした靴は旅路の果てに朽ちた思い出と眠りついた やがて広がる漆黒に誰が哀れみを乞うのだろう月は隠れて戸惑う牛は馬車に揺られて広場を横切る 12月1日~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~身を委ねた流れの行き着く先の海原に 静かに漂ういずれ群青に沈み 哀しみは溶けてゆくそんな願い
2023年12月20日 20:14
温もりに澄んでいく 重ねた色に 言の葉が散り明日から私の知らない冬が始まる11月12日————————————————異国の船を見送りながら秋の終わりを君と確かめ白い季節に凍えぬように優しい涙雲に隠して11月14日—————————————————石は丸く、流木は白く波にもまれてここに流れ着いた海を眺めている気の遠くなる時間を波が懐抱する風があらゆる隙間
2023年11月13日 20:22
まもなく雨が降り秋を流してしまう季節の終わりを告げるような儀式どうしても感傷的朝焼けの空ピアスを選びながらただ今日を大切に生きようと大袈裟でなく思う見えるもの、見えないもの感じたい透きとおる想いは感傷と比例する濁りない心を確認する朝は言葉にならならい何もいらないんだよきれいな波紋を作りたいそして可愛くいようと思う
2023年6月29日 19:28
昔から透きとおるものが好きでした透きとおる色が好きでした君の奏でるギターは透きとおった音でした。眼をつぶると月夜の麦畑が広がりました。揺れる穂のずっと向うで君がギターを奏でいました。宮沢賢治の世界のようでした。君は「温室」が好きだと教えてくれました。私はいつも小さな透きとおるものたちを外側から眺めていました。大きな透きとおったものに抱かれるのはどんな感じでしょう。透きと
2023年6月22日 01:10
おかしいね。君をずっと前から知っていた気がする。見つけたばかりなのに。知らない街に旅したように不安は隠せないから、細い月を見上げて、おどけるしかないんだ。でも、君をずっと前から知っていた気がする。だからこれからも君をずっと見ているよ。穏やかにゆっくりと満ちる月に。 #散文詩
2023年5月15日 23:49
とっくに消えてる灯火に手をかげし、温もりもない手のひらの冷たい夢に身を委ねてる。
2022年12月8日 23:10
ぼくはもうどっち側にもかたむけないんだなぁのほほんとした陽だまりでどっちの側も眺めているよ平らな道は長く続くそれでも僕はここがいい人の賞賛も妬みも聞こえないこの陽だまりが必要な枷と糧を教えてくれる笑いながら、その陽だまりで僕はどちらの側も眺めている不思議なくらいに静かな足元だうんざりとした表情や羨望の眼差しがきらきらと砕けて違う違うと頭を抱えた僕を慰めてくれる