金は時なり?いや時は金なり。

お支払い額: ¥17,5123

身に覚えのない数字だった。
確認したところ、詐欺でもなんでもなく、
全て自分が使ったお金だった。

正社員時代はあんなに節約節約で、
大きな出費はたまに旅行に行くくらい。
実家暮らしで毎日お弁当を持参していたし、新しい服やコスメを買うこともない。会社の飲み会だってほとんど行かないし、ビールではなく発泡酒で満足できる舌を持つ。
そんな金銭感覚で生きていたので、月の支払いが5万円以下なんてザラだった。

そんな私が、気づかないうちに約17万円もひと月に使ったのだ。
1年前の正社員時代と比べると、ひと月あたり約4倍の出費だ。

節約人間だった私が一体何にこんなにお金を使ったのか。

その月はマレーシア、タイ、台湾と旅行や海外ボランティアに向かったし、航空券代が大きな出費だったのもわかる。それでも格安航空券を旅行アプリとにらめっこしながら買ったので、7万円以内に収まっているのはわかっている。宿泊費を考慮しても、1泊1200円程度のホステルを選んだり、ボランティア先で無料で泊めてもらったり、全体的に日本よりも物価が安いところばかりに滞在していた。
そんな背景を考慮すると、今までの私の感覚では考えられない数字だ。

ワーキングホリデー用に貯めていた資金をずいぶん使ってしまい、実はかなり焦っている。
裏を返すと本格的にお金について考えるまたとない機会だ。
投資も資産運用もしていないし、安定した収入を得ているわけでもない。
それ故に「時は金なり」「金は時なり」派。
そんな私が考えるお金の価値について綴っていきたいと思う。

貯金を頑張っていた正社員の頃。
フルタイム(+残業)の労働時間と引き換えに毎月安定したお金を頂いていた。新卒だったから、大した仕事も貢献もしていなかったのに、ボーナスまで頂けて、ありがたかったと思う。それでも、これ以上好きになれない仕事に1日8時間(+残業)×週5日を差し出すことに時間の無駄を感じていた。自分の将来を考えるうちに、安定した収入よりも、不安定だけど飛び込んでみたい場所、やってみたい事に向かうことに決めた。「やらなきゃ」という感覚にとらわれ、それが行動を起こすモチベーションになっていた私。20代が残り6年近くになってきていることに焦りを感じていた。目の前のお金を手にすることに精一杯で、忙(せわ)しない日々の中で見失った、自分の好きな自分と、自分が本当にやりたいことに戻りたかった。

今思い返すと、ここで一度私は何より大切だと思っていたお金を、手放したのだ。そして自分が幸せになるため、自分の喜びを探すための時間を手にした。
「金は時なり」を覆した瞬間だった。
視座が一段階変わった。この決断は、今でも後悔していないし、
安定したポジションを捨てられない会社員の方が社会に数えきれないほどいると思うと、収入も不安定なのに「時は金なり」に従えた自分を、誇らしくすら思える。

それでも時は金なりに振り切れない自分がいる。
国内の移動は当たり前に夜行バスしか使わないし、新幹線なんてお金持ちの乗り物だと、フリーターの現在は割と本気で思っている。朝8:55のフライトのために前日から空港泊するし、直行便を使えば7時間で到着できる目的地に、安い便を購入して2か国で乗り継ぎ、32時間かけた。
安さを求めるあまり損をしたこともある。
安い航空券を買ったつもりが遅延で乗り継ぎに失敗し、追加でチケットを購入するハメになたのだ。(マレーシアの国際ボランティアに向かったのだが、この時は落ち込みすぎてもう日本に帰りたかった。空港で1人でガチ泣きした。)
時間もお金も飛んでいく、痛い痛い経験だった。

自分の時間と引き換えに安さを買うといった根本的な等価交換は、会社員の頃も現在も変わっていないのだ。
まさに「金は時なり」。
なんなら、正社員時代と比べてかなり時間ができた上、稼ぎは少なくなったのだから、時間で安さを買うことは真っ当な選択かもしれない。

しかし、1年前の私と比べて、自分の時間に価値があることは分かっている。自分の20代が残り5年半に差し掛かり、焦りもちゃんと感じられている。自分の人生に限りがあることを実感したことで、お金の価値そのものだけではなく、その先にある時間や、その時間によって手に入れられる景色、出会い、瞬間、感情について想像できるようにもなった。
私の世界は、行ってみたい場所、食べてみたいもの、経験したい文化、見てみたい景色、遠くにいたり、空き時間が合わない友達、幸せにしたい家族。好奇心や一緒にいたい人で溢れている。私にとってお金とは、それらを全うする時間を得るための手段だ。

正社員を辞めてやりたいことを優先した。これにより、「金は時なり」の習慣を、少しだけ脱した。それでも前述したエピソードのように、まだまだ私にとっての、「私の」限りある人生の時間は、安さのために差し出せる程度の価値しかないのだ。まだ何者でもない、人より稼ぐ能力なんて持ち合わせていない私ではあるが、
自分の時間に価値がある。そう思うだけではなく、それを体現する選択を重ねること、それができる豊かさを手にするために頭を働かせること、「時は金なり」 この言葉に伴った決断ができること。
そんな私になりたい。と、最近は思っている。
これが私にとっての理想の「お金の使い方」。

•国内旅行は当たり前に新幹線
•海外旅行は直行便
•1人旅も格安ホステルではなく、2食込み、露天風呂ありの旅館

近い将来にこんな選択をできるようになることが、私の密かな目標であり、野望だ。

ずっと後回しにしていたお金の勉強、
再開しようか。

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