見出し画像

着物が好きなのではなくて“ ヤフオク ” が好きなのだろう……

 仕事場が銀座の、歌舞伎座の近く。そのせいか着物姿の男性が、割と多く目に付く。先日、歌舞伎座の近くの横断舗装を、角帯を「男結び」にした64,5歳の着流しの男性が歩いていた。その歩く姿が様になっていた。身長180センチ近くの長身の男性。見た目も大きいので、さらに目立っていた。しかも着慣れた感じで「粋な着物姿」だった。
 私もできることなら、ああいう風に着こなしたいと思った。
「男性の着物は、まず、サイズがピッタリと合っていること」
 と、YouTubeの「着物プログラム」で何度か見た。
 彼の着こなしを見ていて「着物の着こなしのカッコよさは、確かにサイズだな」と思った。一番感じたのは、袖の長さのことを言う「裄丈」(ユキタケ)のサイズ感である。僕はヤフオクで中古の着物を買っているので、その「裄丈」がピッタリと合ったものに、なかなか出会えない。あれやこれやと、安物を落札しては、
「うーん、今一つ、袖の長さが足りないなぁ」
 と、 “ 悔やむ落札 の日々 ” が続いている。 そうなると、“ 今度こそ!” と、またヤフオクのページを開いてしまう。その繰り返し。そろそろ、こんなことを卒業しないと、ヤバイのだが。
 ネットショップで「化繊混紡」の「LL」を買えば、1万円で着物と羽織が揃う。しかし、どういうわけか、そちらの方に、気持ちが動かない。どういうことなのか。要するに、着物が好きなのではなくて、「ヤフオク」が好きなのだろう。もう、Windows98を手に入れた時からだから、20年余りになるのか。
 そのころ、Yahooの日本本社に行って商談をしたことがある。その時に社員の方が、
「ヤフーオークションを広めるために、社長の井上自身が出品してます」
 と聞いたことを思い出した。草創期というのは、みんな大変だったのだな、と思いが至った。1996年1月に創業されたヤフー株式会社の創業者であられる井上雅博氏。彼自身が“ヤフオク”に出品して、場を盛り上げるのに一役買っていたというのである。その頃の彼の出品物を買っていてれば、今頃は「ヤフオク初期の頃の井上社長自身の出品物」として、プレミアム出品物になっていたかも知れない。もしかしたら、私が買っていたかも?

当時のプレスリリースの「タイトル」。

プレスリリース
1999.09.28
「誰もが手軽に出品、入札ができるオンライン・オークションサービス、 Yahoo!オークションを開始」      1999年9月28日 ヤフー株式会社

創作活動が円滑になるように、取材費をサポートしていただければ、幸いです。