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イブの銀座は幸せな顔が、花盛り

 待ち合わせの時間に遅れることなく、娘夫婦はやって来た。食事は寿司屋を予定していたが、予約しなくても30分ほどで席に案内されるだろうと考えていたのが甘かった。店の従業員には、案内するのに1時間ほどかかると言われた。仕方なく、当初予定していた寿司屋をあきらめ、他を当ることにした。しかし、流石にクリスマスイブの夜。どこの店の前にも、順番待ちの列ができている。仕方なく、並ばなくてもすぐに案内してくれそうな店を見つけて入った。メニューをみて驚いた。想定していた金額の3分の2で収まる額だった。怪我の功名である。
 ただ、帰り際に、想定外のプレゼントを要求された。仕方がない。娘にせがまれては、NOとは言えない。こうして、子どもたちと夜の銀座を、しかもクリスマスイブの夜に出歩くなんて、あと何回出来るだろうか。そう思うと、出来るだけのことをしてあげたくなる。
 ところで、長男と次男の、私の二人の息子たちは、このイブの夜をどんな風に過ごしているのか不安になる。まあ、自分の若かった頃を想像すれば大差はないだろう。親の事は全く頭をよぎることもなく、目の前の将来の幸せを共に築き上げていく女性のことで、頭の中はイッパイだろう。また、そうあって欲しい。
 最近のデーターでは生涯独身で終えようとする男女が増えていると言う。理由は、
「二人でいることが、煩わしい」
 という理由だと、あった。
 確かに二人は、煩わしいと思えることが歳を重ねるごとに増えてくる。子どもたちの成長に合わせて、親戚との関係やご近所との付き合い、etc、etc。
 それでも、独身者の寿命は妻帯者の寿命より短い、と言う調査結果もある。うーん、だからどうだと言うわけでもないが……。
 親としては人並みに家庭を持って、小さくても家庭の幸せを感じて欲しい、と思うのだが。

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