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お悩み解決の生成AIと、トットとチャットする……

 私の困った性分で、幸せな日々を過ごしていると全くと言って良いほど文章が書けなくなる。一方、大きなトラブルに巻き込まれたり、どうやって切り抜ければ良いのか、まったく見当が付かなくなり鬱病になりそうなくらいに追い込まれると、無性に文章が書きたくなる。何とも困った性分だ。
 良い小説を書きたいと思ったら、ずっと何らかのトラブルの渦中にいないと、一本の小説を仕上げることができないことになる。小説の筆が進むことはありがたいことなのだが、わたしの精神が持ち堪えられそうにない。日々沈み切ったままの心の状態では、早々に病気になってしまう。
 そんな理由からか精神的に危機的な状態から脱するために自動的に頭の中で、最近流行りの「生成AI」のごとく文章作成システムが動き始める。しかも勝手に自分の置かれている状況を解析して最善の状態に文章化し、私に提案してくる。まさに私の人生を賭けて作り上げられた「生体生成AI」である。

 人類はあと10年か20年すると、完全にデジタルの人工頭脳は有機物質で出来ている生体頭脳の性能を遥かに超えてしまうと予測されている。
 そうして人間の頭脳を遥かに超えてしまったAIは、人類をより効率の良い世界へと案内してくれるだろう。しかし、人間は天邪鬼だから決して効率だけでは生きて行けない生命体でもある。
 数年前のAIに関する、どこかのメディアの番組で、
「ほとんどの仕事はロボットがこなしてくれる。そんな世界で必要とされるのは、進化し続ける人間だけである。それ以外の人間はただの消費者として生きて行く」
 とレポートを締めくくっていた。
 つまり大半の人間はロボットによって作り出された衣食住を提供され、命を消費していく存在でしかなくなるという。人間として生きる目的は、ただ生きる事になる。それでは人間は満足しない。
 そんな状況の中で人間は生きるための緊張感を求めて、再び戦争を選択するかもしれない。そして、生き残ることに生きる意味を見つけ出し、殺戮は生きるためだと、理不尽な屁理屈をこねるかも知れない。
 この時、AIはどういうアイデアを提案してくるのだろうか。人類全体にバーチャルな世界での「第X次世界大戦」を提案してくるのだろうか。 

 今の中国の若者たちの間で流行っている「寝そべり族」。評論家の話によれば、この現象は、今の中国の若者には仕事は無いが親の力により衣食住を保障されている事に、起因するらしい。この事から若者たちは、今できる最善の策は仕事を求めてあがくことではなく、快適な環境の中で惰眠を貪る事と見つけたようだ。
 AIにより管理された社会を予見しているような光景である。
 
 それはさておき、私の生体生成AIはトラブルの渦中にあり、うつ病を発症しかねない私にどういう対処法を提案してくれるだろうか。そんな事で悩んでいるよりも、トットとデジタルの生成AIとチャットをした方が早く解決策を導き出せるような気もするのだが……。

創作活動が円滑になるように、取材費をサポートしていただければ、幸いです。