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落語『音曲質屋』

フル在宅だった夫さんがフル出社になり、日中は家の中が不健康なほど静かです。というか、夫さんがいたらいたで存在感強すぎるので落差がすごい。

前々から、「子どもがいるわけでもないのに夜は自分の時間がない。なんでだろう?」と疑問だったのですが……夕飯時以降、夫さんのエンドレス喋りをずっと聞いてるからですね。謎がとけました笑

寒暖差アレルギーならぬ静騒差アレルギーでなんとなく調子が出ないので、最近は日中のほとんどの時間、落語を流しっぱなしにしています。USEN状態です。Amazonのオーディブルで結構色々と聴けるのがありがたい。

そんな中、今日たまたま『音曲質屋』という演目を聴きました。
上方のお噺で、たぶん結構マニアックなやつじゃないかな。

質屋の奥さんがご亭主に向かって、「あんたは金遣いが荒い!」と𠮟責するところからお噺が始まります。
このご亭主は、「質屋」という商売のストレスから毎日のお茶屋通いがやめられないのだそう。それがどのくらいの出費になるのか私にはわかりませんが、まあ奥さんが怒るのはわかる。
一方、ご亭主の方も深刻で、お茶屋遊びをやめたら心のバランスが保てなくなるらしい。
そこで奥さんは、お茶屋遊びに代わるストレス解消の手段としてあるビジネスをご亭主に提案する――というあらすじ。

奥さん、できた人だなあ。
お金の問題は切実。だから、「遊びをやめて」という主張はどうしても通さないといけない。そこはきっちり守ってる。
その一方で、ご亭主の言い分もちゃんと聞いて気持ちを汲んであげてる。
その上で、「じゃあこうしない?」とWin-Winな着地点を見つけられる頭の良さもある。ご亭主のためにこっそり三味線の練習までしてあげる優しさと愛情もある。
うーん、良い奥さん。私では、なかなかこうはいかない。

古典落語には鬼嫁もよく出てきますが、「いい嫁」や「できた妻」も結構出てきます。
『芝浜』のように「できた妻」をしっかり描いた作品もありますが、私はそれよりも、笑い噺の中に出て来る奥さんたちのさり気ない良い女感が好きです。呑気でおおざっぱなように見えて、実は優しくてたくましくて愛情深い。だから、落語に出て来る夫婦はなんだかんだ仲良しで微笑ましい。
完全に個人の感想なので、作家さんや演者さんが実際にそのつもりで描いているかはわかりませんが。

結局布教でした笑
落語を聴いて夫婦円満!笑

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