見出し画像

犬嫌いは見抜かれる?!

 夕方になると少し涼しくなってきた昨今ですが、それで気付いたことといえば、夕方に犬の散歩をする人が盛夏の頃より増えたことです。通勤時バス停でバスを待っていると、ポテポテと歩く犬と、その犬に歩調を合わせる飼い主をよく見かけます。犬は暑さに弱いので、夕方涼しいとはいえ、へばってしまってペタッと地面に腹ばいになって動かなくなり、それでも犬をなんとか立たせようとリードを引っ張る飼い主の姿などを見ると、微笑ましく思います。

 さて、過去バス停でバスを待つ私の元に、散歩中のワンちゃんが擦り寄ってきて、ふくらはぎの辺りをスンスンと鼻で匂いを嗅ぎ、満足そうに去って行くという現象が何度か起こったことがあります。飼い主さんに「あら~すみません~」と言われるのだけれど、私は全然大丈夫。ニコニコしながらそのワンちゃんの好きにさせます。

 ところが、母の場合はそうはいかないのです。

 例えば同様にバス停で二人でバスを待っているとします。絶対に犬は近づいてきません。

 例えば買い物に行ったスーパーの駐輪場で、とめてあった自転車のカゴの中で飼い主を待っている犬がいたとします。母が近づくと、その犬は吠え出すのです、たとえ小型犬であっても。

 長年この現象は私の中で謎でしたが、この前テレビで犬猫特集を見て、謎が解けました。

 犬の嗅覚がとても鋭いことは周知の事実ですが、犬が嗅ぎ分けられる人間の汗の匂いがまたとてつもなく細かく、普通に暑いからかく汗と冷や汗の違いを犬は嗅ぎ分けられるのだそうです。

 母は小学生の頃、帰り道に大型犬に追いかけられて怖い思いをした経験があるそう。それ以来犬嫌いであり、小型犬であっても、なるべく犬を避けるという行動パターンを取っています。つまり母は犬が近くに来ると反射的に冷や汗をかいているようで、犬はその匂いを感知して、「この人は冷や汗をかいている。どこかに危険が存在している」と思い、犬側も緊張し、吠えたりするそうな。(いや、危険とはキミのことですよ、ワンちゃん笑)

 まあ、自分が「危険」の源だとは思わないですよね、犬は。

 ちなみに私は小さい頃叔母さんがヨークシャーテリアのオスを飼っていて、叔母さんの家に遊びに行くと、モコ(そのヨークシャーテリアの名前)は小さい私をカノジョだと思ったのか、玄関を開ける前から私の足音を聞きつけて待機し、ドアを開けた瞬間から私は顔をめちゃくちゃペロペロ舐められるという愛情を犬から受けていた経験があるので、犬を見ても冷や汗をかくことは一生無いと思います。

 では過去の経験から「嫌い」や「苦手」という感情を抱くに至ってしまった事柄について、そういう感情を抱かないようにする、嫌いという思いを克服するにはどうしたらいいのでしょうか。

 何はともあれ、無意識で抱いてしまう苦手意識を、意識して変えていく必要があるかと思いますが、五輪金メダリストでプロスケーターの荒川静香さんが過去、こんなことを話されていました。

 荒川さんは、どうしても苦手だな、滑っていると苦しいなと思ってしまうステップシークエンス(体重をかけるエッジを途中で切り替えて一定時間滑る技)があったそうで、その技をキープして滑る間、頭の中では荒川さんが大好きなアイスクリームを思い描いてそれを数えていたそうです。こうした手法は、記憶法における「場所法」も同じで、つまりあるもの(ここでは苦手意識を抱いてしまうもの)を自分にとって好感度の高い、もしくは頻度高く触れている物や場所、人のイメージで置き換えてしまうという、イメージ操作です。

 こういったイメージを操作することもなかなか難しいことではあるかもしれませんが、確実に効果が認められている手法なので、試してみる価値はあると思います。目下、母には「犬を見たら(母が好きな)猫だと思って、猫を連想してみたら?」とアドバイスしてみましたが、頑なに「犬は犬」とのことでしたが・・・苦笑

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?