おじさんとお仕事

私はもうかれこれ10年程、映像関係のお仕事をしていまして、アダルトからVシネ、MV、今流行りのショートムービーまで幅広くやっています。X(旧Twitter)等SNSでよく見られる煌びやかな編集マンと異なり、厳かな会社間でのやり取りのため契約の都合上、私がやりました!と表向きに発信ができない末端の動画編集マンです。
なぜ私がこれだけの年数、これだけ幅広くやっているにも関わらず、表立つ事ができないかと言いますと、マネジメント性がまったく無いのと仕事でやる以外興味がない事が原因です。
表立ってやっている人は編集が大なり小なり好きな人で逆に私は仕事としてたまたまできて、お金になっているからやっているだけであって、好きってわけでは無いんですね。なので宝くじが当たれば喜んで辞めますし、それなりのお金を積まれれば喜んでどんな編集でもします。
しかしこれだけやってきてお世話になっている職業でもありますので、破格な値段設定では仕事は受けないようにしてまして、と言いますと、今やYouTubeで流行り出し、スマホでも編集できる時代、ほとんどの人が編集を始められる時代であり、それによって編集業界の価格設定もかなりぶっ壊れてしまいました。そんな状態では私のような人間はますます肩身が狭くなる一方でして、せめて私だけでも価格設定の崩落を止めたい意思でやっております。

話は変わりますが、いやぁ、本当に、誰でも編集できる時代が来てしまいましたね。私の時代は編集ソフトを持っているだけでもレアで、それをある程度使えるとはぐれメタルくらいはレアだったんです。それが今やスマホでできる時代。逆に良い部分も多くて、今まで眠っていた編集マンとしての才能があったにも関わらずできない人、さらにはそれに自ら気付かなかった人が目立つ事ができるようになりました!良い時代だ!…しかし、私のようなとりあえずできる…ような人間は食われるようになってしまい気分は、昔いた鳥のキーウィです。安心しきっていた時代が終わり唐突に弱肉強食の時代になってしまった訳です。恐ろしい時代だ…。さらに恐ろしいのはこれら唐突な天才たちが爆誕し続けるだけでは無く、AIまで参入してきました!ぐぇーーーーー!!AIなんて私が死んだ後の話だと思っていたのに…!!もう瀕死ですよ。マルチタスク、多様性の時代!!!恐ろしすぎます。

私の時代は完全分担性でカメラマン、編集マン、プロデューサー、監督、照明マン、音声マン…多くの人がそのスキル特化型の極めし者達が多く、稀にすべてを担う人がいたりしましたが、マルチでやれる人は褒められるより少し小ばかにされる様な殺伐とした具合でした。それが今やマルチでやれるのが当たり前。下手すると一人ですべてをやる人の方が多くなりました。私は極めし者にもなれず。だからと言ってマルチにできる程器用でも無い…。残された運命は破滅のみ…。

ギリ、編集を生業にさせてもらっているただただ運が良いヤツになってしまいました。編集しているとカメラの知識もそれなりに付いてきますが、カメラの操作ができない!!うえーーーん!それは声出して泣きたくもなりますよ…。

そんだけ長い期間やっていて、幅広くやっているし、在宅だし、会社にも入っているし、ペットのメキシコもいるし、それなりに安定しているんじゃないかと思われますが、給料低いし、若かりし頃に残した借金と税金に持っていかれて厳しい状況です…。給料がもう少し良いところに転職してはとなるのですが、私は動画編集しかできないのです…。それに筋力皆無おじさん…。あぁ…恐ろしい…。ダメだ…。

こんな嘆いてばかりだと若者たちは動画編集に入りにくくなってしまう。しかしこんな記事読んでる人なんか居ないか…。でも念の為、明るい話をしましょう。動画編集の醍醐味はなんと言っても誰よりも先に完成を見れる事じゃないでしょうか。それに編集中のパズル感も楽しいですし、自分の引き出しと撮影された素材との勝負な感じも楽しいです。映画などの動画の見方も変わり、知らなかった時に気づかなかった細かな演出やその意図に気付けた時は何にも例え難い興奮があります。

まぁ、デメリットとしましては映画やメッセージ性の込められた動画を見ると疲れてしまいますので、お笑い番組やコメディなYoutubeばかり見てしまうようになりがちです。私の場合ですが。しかしある程度のデザイン性や流行りの編集は知識としてアップデートしていく必要がありますので見ないわけにはいかない。これがある種のデメリットですね。私のような弱小編集マンはそこまでしないと生き残れないのです。いや、しっかりした編集マンは喜んで見るのかもしれません。だから私は弱小なのだ…。また嘆いてしまった。

とにかくですね。最近Youtubeの広告で副業として動画編集おススメ!みたいなのを目にしますが、あれは絶対おすすめしません。時間効率、今風に言うとタイパってやつですね。あれがすこぶる悪い。HIKAKINさんですら30分の動画を作るので大体の1日を使うそうですよ。30分の動画を作るのにですよ?撮影して、切って貼ってBGMを付けての編集をして、サムネイルを作り…。おそらく副業の編集はその切って貼ってBGMを付けてだと思いますが、これが撮影よりずっと時間がかかる!
あ、でもこんなネガキャンと言うのでしょうか。そんな事ばかり言ってると古臭いおじさんだと思われてしまいますし、私は若い方に理解あるおじさんだと思って欲しい節がありますので言っておきますが、足がかりとしてやってみるのは良いかもしれません。個人で作品を作り続けて、それをまとめて会社に営業をかける事ができたらそれが一番かもしれませんが、そういったところでお金をもらいつつ、編集を学び、最初に感じる高そうな編集という壁を乗り越える一つの方法としては良い気がします。

色々言いましたが、編集とは時に楽しく、しっかり辛く。しかし思っている程高い壁では無く、仕事にするにしても趣味にするにしても好きな人にはどっぷりハマれるそんな魅力が確かにあります。なんてったって飽き性な私なのですが、唯一これだけ続けてこれた事でもあります。
今や無料ソフトも沢山ありますからね。個人的には無料だとPCはDaVinci Resolveが良いと思いますし、アプリだとCapCut(OS毎にページが違うので調べて見てください)が良い気がします。私は無難にAdobe使ってたりしますが。

本当はまだまだ書き足りないですが、なかなか長くなってしまいましたので、またいつかお話させていただけたらと思います。ではまた。

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