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名刺代わりの十選

はじめまして、あるいはこんにちは、こんばんは?
私は、みけ。どこにでもいる大学生です。
今回は、名刺代わりの十選ということで、本を挙げてみることにしました。
分かってもらえる人がいるかわからないけど、十冊だけにするのは、とても難しいですね。いやマジで。
取捨選択は苦手ですが、無理に挙げてみたいと思います。

1.『嫌われる勇気』
ドラマ化もした、アドラー心理学を取り上げた作品ですね。ドラマ見てないけど。
先生と青年の二人の対話形式で話が進んでいきます。
人生に絶望した青年が、人生は素晴らしい、人間は変わることができると主張する先生に、啖呵を切っていく姿は若いなぁと思いつつ、今まで苦しんできたことがうかがえ、切なくなります。
先生は、無礼ともとれる青年の言動を咎めることもなく、淡々と対応していきます。先生のスタンスは一貫していて、まるで論文を読んでいるみたい。
あの本を一回で理解すること、つまり、アドラー心理学を一回聞いただけで理解することは困難ではないかと思いますが…。(少なくとも凡人の私には無理でした)
スルメみたいに読むたびに新たな気付きを得られる一冊です。
続編の『幸せになる勇気』、同著者の『泣きたい日の人生相談』も素敵な作品です。

2.『麦本三歩の好きなもの』
どこにでもいる普通の20代女性、三歩さんの日常を綴った作品。
作者は、『君の膵臓をたべたい』でおなじみの住野よるさん。
『青くて痛くて脆い』、『か「」く「」し「」ご「」と「』、『よるのばけもの』などを読んでいると感じる、ダークファンタジー的な要素はあまり感じられず、天然な三歩ちゃんが楽しそうに、そして時に悩みながら、日々を生き抜いている姿をみることができます。人によっては、三歩ちゃんの天然さにイラっとするかも。
それでも三歩ちゃんは、私にとって、こういう生き方をしたいなぁという憧れの存在。
実は、同著者のとある作品と同じ世界線なのです。
ちなみに、第1集、第2集と続いていますが、第1集の最後の章が一番好きです。

3.『夜空の呪いに色はない』(階段島シリーズ)
『いなくなれ、群青』から始まる階段島シリーズの第5弾。この物語が佳境を迎える作品でもあります。
このタイトルが一番好きだから挙げたのもありますが、このシリーズ全体を通してキーとなる、郵便局員のお姉さんが主人公ともいえる作品だからです。彼女が傍観者になった理由が切ない。
ちなみに一作目は私が群青という言葉や色を好きになった理由の一つだから大好きだし、最終巻も結末が美しくて、どちらも好きです。推しは七草もだし真辺もだけど、やっぱり堀(ちなみに堀は郵便局員のお姉さんではない)。
好みは分かれるかもしれませんが、物語を読んでいるなぁという満足感が得られる作品。

4.『マンガでわかる心理学 座席の端に座りたがるのは?幼いころの記憶がないのは? 』
私が心理学を志そうとしたきっかけになった作品です。中学生の時に市立図書館でこの本を借り、心理学って面白い!大学で心理学を学びたいってなったことを今でも覚えています。
この本の内容としては、基礎心理学であり、私が今学んでいる臨床心理学とは少し違いますが……。
2008年の書籍なので、もしかすると少々情報が古いかもしれませんが、教養書として心理学を知るにはぴったりの本だと思います。
あと、サルの絵が可愛い。

5.『52ヘルツのクジラたち』
この作品のテーマはずばり”虐待”です。と、紹介するまでもなく、2021年本屋大賞受賞作品なので、ご存じの方も多いですよね。
読み返すのもつらいほど、重たい作品です。
ね、虐待って、身近なものなんですよ。そして、連鎖するものなんですよ。そして、小娘の私には理解できていないくらい、子どもの成長に多大な影響をあたえるものなんです。そのことから目を背けてはいけないと思い、今回選びました。
作者は町田そのこさん。同著者では、『夜空に浮かぶチョコレートグラミー』も好きです。切ない作品だけどね。

6.『モモ』
この本は、実は苦い思い出があってですね…。とは言っても大したことではないんですが。高校時代にイヤイヤ参加した弁論大会で、私は部活動の経験を読み、ドイツに留学してたとある先輩がこの作品と自身の体験を交えた弁論で優勝してたって話。くだらないでしょう?でも、それが悔しくて、長いこと読んでなかったんですけど、読み始めたら、面白くて。
主人公のモモがね、とにかくかっこいい。そして”時間”の描写がとにかく美しい。児童書だと思って避けずに、ぜひ読んでほしい作品。

7.『わたしは愛される実験をはじめた。』
私が大失恋したときに読んだ作品。これがまぁ刺さる刺さる。今でもパンケーキを抜けられた自覚はありません。一生パンケーキ女でしょう。
一つ言えるのは、この作品に書いてあることを全部実行したら、絶対に恋人出来るだろうということ。でも人って変わるのが難しいからなぁ。
二作目の『宇宙が終わるまでに恋したい』は、大学生が主人公だから共感しやすいかも。三作目の『ラブスペル』はより実践しやすくなったバージョン。対人のみならず、対自分の言葉もあって、目から鱗です。

8.『満月珈琲店』(シリーズ)
人生に悩んだ老若男女が、大柄の猫が運営する不思議な喫茶店(キッチンカー?)に行きつく話。メニュー表が本になったり、ポストカードになったり、ガチャガチャになったりするほどの人気作品です。シリーズは4作目まであります。
どのお話もほっこりして好きなのですが、自分の気持ちに素直になることが難しい、それでも前を向くって感じがするものはやっぱり人生に希望を持てて、素晴らしいですね。

9.『お探しものは図書室まで』
青山美智子先生の作品。同著者ですと、『マイ・プレゼント』シリーズも好きです。
大柄で白熊みたいな図書館司書のお姉さんが選んでくれる本と羊毛フェルトの作品。
この作品もほっこりします。バイトに行くまでの電車で読んだなぁ。懐かしい思い出。
私もこういう司書さんみたいな存在になりたい。
そして、お姉さんと旦那様の馴れ初めが可愛いんだこれが。

10.『かがみの孤城』
最後に、やっぱりこの作品を紹介したい。
そして、この作品との出会いには、ビブリオバトルの存在は無しでは語れない。長くなるから、詳しくは「私とかがみの孤城」という記事を読んでいただけますと幸いです。
中学生の心情が揺れ動く感じが瑞々しく切り取られていて、それでいて、「逃げたい時は逃げていい」という優しいメッセージを伝えてくれる、そんな作品です。
この作品も本屋大賞を受賞していますね。作者は辻村深月さん。
同著者の作品だと、『サクラサク』も好きです。

番外編(もしも神様がしゃーなしなって紹介する冊数を5冊だけ増やしてくれたら)

11.『さよならの言い方なんて知らない。』(シリーズ)
階段島シリーズの作者、河野裕さんの新潮文庫での次シリーズ。同じくらい、いやそれ以上に作りこまれた世界線に、もっと鋭い戦闘シーンの描写。そして、主人公の異端さ。
物語は、香屋と秋穂の二人が、不思議な招待状を受け取ったところから始まります。”異世界”に迷い込んだ先で出会ったのは、死んだはずの友人。訳も分からぬまま、その世界で生き残り、ゲームに勝つことが求められます。
あ、この作品で推しをつくってはいけません。すぐ死ぬし、死んだときのダメージが大きい。
個人的に好きなのはやっぱり主人公・香屋が、周囲より一歩先に戦局をみているシーンですかね。
また、表紙の絵が綺麗で、特典のクリアしおりも綺麗で全種類集めてます。

12.『獣の奏者』(シリーズ)
上橋菜穂子さんって天才だなと思うのと同時に、エリンみたいに研究者気質になりたかったなと思います。
アニメも見てみたいなぁと思いつつ、未履修です。
誕生日プレゼントに、青い鳥文庫で八巻まとめてもらったのが出会いですね。
番外編も、大きくなってから読んだけど、艶っぽくて切なくて、とても素敵です。

13.『コピーライターじゃなくても知っておきたい 心をつかむ超言葉術』
自分が、本好きであると同時に言葉も好きだなぁって思っていて、人の心を打つ、言葉を紡げるようになりたいなぁって思ってました。そういう意味では、この作品は先生と呼びたい作品。阿部広太郎さんの人生が垣間見えつつ、言葉への理解度を高めることができます。
詳しい感想は、他記事をお読みいただけますと幸いです…。

14.『心と体がラクになる読書セラピー』
日本読書療法会会長である寺田真理子さんの著作です。
本には、そして読書には、心を癒す力があるのではないかという考えから、この本に行きつきました。
優しい語り口ながら、読書セラピーとは何かについて知ることができる作品。

15.『同志少女よ、敵を撃て』
これも本屋大賞受賞作品ですね。
この作品は、第二次世界大戦下、猟師の娘が、親の仇を討つために、軍隊に入るところから始まります。
幼馴染の許嫁との再会、親の仇で師との関係の変化。戦争の残酷さなんて単純な言葉では言い表せない重さと濃厚な読後感。
女性同士の些か親密な絡みが苦手な方には注意が必要かも。
インターンまでの電車とホテルで読んだなぁと懐かしい思い出。

おい、10冊以上紹介してるじゃねぇか!?って?
安心して下さい、たぶんこれからまだまだ増えますよ!
一冊一冊に紹介文を添えていたら、いつの間にか3,000字を超えてました。レポートは超えるの大変なのに。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
本来ならば、作者様と出版者様、そしてISBNを全て載せるべきなのでしょうが、割愛させてください。

それではまた。


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