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走展望台性

もう少しカメラの話。

2003年、私はカメラを買った。ミノルタのDimageXtというコンパクトカメラだ。どうして買おうと思ったのかは覚えていないけれど、当時学生で、勉強そっちのけで遊びまわっていたので、何かを残したいと思ったのだろうと思う。学生で金はないし、SDカードは高かった時代だったので、確か32MBだか64MBを買った。まだ、SDカードは記憶媒体の一つで、xDとかメモリースティックなども普通に使われていた時代だ。DimageXtは、屈折光学系で、レンズが飛び出さず、コンパクトかつ寄れるのでとても重宝した。

一番最初の画像はPCに残っていて、もう今は死んでしまった実家のネコが写っていた。ネコは、直にフラッシュあてられて目が光ってたり、紐でじゃれてぶれてたり、構図も画角もめちゃくちゃだけれど、写真の中で確かに今も元気に生きていた。

その年の夏、DimageXtを携え、知床半島を旅した。その後も、2年後にうっかり水没して壊してしまうまで、旅行や日常の相棒だった。

それから15年半経った2019年冬。2子の父となった私は、流氷が見たいという子供たちのリクエストに応え、知床半島を再び訪れた。なんとなしに、展望台にふらりと寄ってGRIIのシャッターを切った。

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あとから写真を見て、既視感を覚えたので、まさかと思い調べたら、DimageXtでまさに同じ場所で写真を撮っていた。何か成長が感じられないみたいで、全く自分が嫌になるのだが、まあ同じ展望台から撮ったら同じ構図になると自分を納得させることにした。

ウトロ2



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