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欲しがらないSDGs

私が比較的経済的に恵まれた環境に育っていたことは、時折話してきたと思う。
田舎とは言え、産まれたときには既にローンなんぞを払い終えた一軒家に住み、学校にも通え、習い事はたんまりとさせてもらい(親のエゴもたくさんあったから、好きなもの全てできたわけではないが)食うにも困らず、衣類にも困らず、比較的裕福なひとりっ子として十二分に満足に育てていただいた。

そのせいだろうか、わたしには強烈な物欲を感じたことがあまりない。
というかもはや無気力な気がするのは気のせいだろうか。うーん。

パパ活もできる容姿に産んでもらったというのに、パパ活してブランドバッグを買うこともなく、そもそもブランドバッグなんぞ持っておらず、あれ、もしかして私、欲がない?と気がついてしまった過去がある。


私の祖母の箪笥には着もしない服が、いまだ山のようにある。カバンもある。靴もある。傘もある。ついでに母の部屋には過去の遺産のブランドバックと、ブランド紙袋がたくさんある。

本当になんでもあった。

それでも祖母は私たちがモノを買えば値踏みし嫌味ばかりを言った。一体何が彼女に足りなかったというのだろう。
私は貧しい心を持った元裕福な女である、祖母にに翻弄され、金を使うことは悪、とこうやって長い年月をかけて教え込まれたのだった。

おそらく、大黒柱のつもりで生きていた彼女は、家族そのものが自分の金を使い生きて行くように見えて苦痛だったのだろう。
自分以外の消費活動。
それが憎くて憎くて仕方なく、目新しいもの見ればめざとく見つけ、すぐに嫌味をいうのだった。
実際には私以外はみな働いていたから、彼女の稼ぎなど誰もあてにせず、もちろん私も母や祖父をあてにし、皆各々自由に暮らしていた。
まだ生きていた祖父と母とで話したものだ。
私たち3人なら、平和で幸せなのにと。

私は、かつては年に一度は捨て魔になっていた。
というのも物が増えると管理できるキャパシティを超えてしまうため(この辺も、祖母の呪いだと思うの)管理できる量、もしくはゆとりを持たせるため捨てる、という作業が発生する。
で、一気に捨ててしまうのである。
捨てると言ってもゴミ袋にいれ、回収してもらうことはあまりなく、近場(といっても田舎だから10キロほど離れてる)のリサイクルショップに売りに行くのだ。
ぎゅうぎゅうに服をビニール袋に詰め、時にはアクセサリーなんかもじゃんじゃん捨てる。
二束三文がいいとこだが、少なくともガス代くらいにはなるので悪くはない。メルカリとかいうものはめんどくさすぎてできないから、しばらくはこの方法をやり続けるつもり。
そのかわり出すときは膨大な量を、時には家族の分まで捨てに行き、車を走らす。
ここ数年は、子育てが忙しくてあまり捨てていないから、また近いウチにたくさん捨てねばな、と色々考えているところである。

そんな事もあって気がついてしまったのだ。
買わなければ捨てないで済むという事実にだ。

というわけで、昨年服を買った。
私の収入(今現在私自身の収入はゼロです)では身の丈に合わない、比較的高価めな、すぐにはヘタリそうにない、冬物衣類達である。

え、言ってること矛盾してるよね!何言ってるの!?って思ったでしょ。

ホントそうだよね。

自分でもそう思うもん。
でも、買いましたよ。何故ならば!!
これ以上捨てないために高価なやつを買うのだよ。
知ってる、高価な作りの良い服ってね

保つんだよ。
圧倒的にヘタレないの。

だから思い切って買って着倒す。
で、いい加減生地が薄くなったセーターとか、伸びたセーターとか、生地が擦り切れて避けたズボンとか、捨てるの。
で、

捨てなくていい服を買うの。

これ大事なことだよね。
まさにSDGs。
これこそが、SDGsと我慢しない選択を両立したやつってわけ。
そもそもダンピングしまくった服も、最終的にはゴミとして燃やす方向に行くとか行かないとかの噂もあるので、セール品を買って着倒すのもSDGsだったりする。

つまり福袋はSDGs。

だと思われるので積極的に買い求め、どうにもこうにも困ったら、やはりメルカリれば良いと思う。新品なら売れそうだし、最悪コスプレ衣装として叩き売れば良いと思う。

私もラブマシーンbyモー娘。みたいなファーのロングベストを当ててしまい、涙ちょちょぎれながら処分に困り、実家の実母の洋服ダンスに仕舞い込まれている。
だから福袋SDGsは覚悟がある方のみ、やるのがよいのである。

半端な覚悟では、いけない。

その時点でSDGsではなくなるからだ。
皆の者、心して福袋を買おう。オバサンとの約束な。

この文は、随分と前に放置していたもので、今、無理やり完成させている。
オチすらも、もはや何が書きたかったかすら分からないものを完成させる作業はもはやイミフだった。福袋なんて時期遅れも甚だしいし。
この文は、ある意味リユースっつーかリサイクル的な側面もあったけど、多分これはSDGsではないと思う。強くそう思う。

最後に今考えていることを。

最初のほうに出てきた祖母のことはやっぱり好きじゃないので、亡くなった時は、線香を絶やして1人っきりで寝ていただくつもり。
線香は火事の危険もあるし、隣で寝たくないからやめるねと正直に伝えようと思う。

あの世は立派に1人で旅立って欲しい。
大丈夫!身支度は葬儀屋がととのえてくれるから。
道しるべもないし1人きりだけど頑張ってね。
あなたならできる!
家族を嫌い続けたあなたなら。
すっとあなたは独りだったじゃないか。
これからもそうやって過ごすだけだよ。
もう、欲しがらないでくださらない?


輪廻転生。究極のリサイクル。
燃え尽きるまで、お互い頑張ろうな。
ハイタッチ?もちろんしねーよ(笑)


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