さっきまで確かに。

両手からこぼれ落ちる水のように
全てはすんなり落ちてゆく
あの時の記憶
瞬間のときめき
心躍るようなきらめきも
全部全部消え去っている

私が何をしたと言うのだろう
家族の洗濯物を干している間に
ずいぶん時がたったみたい

あなたも歳を取ったわね
かつての自分にそう言われるのだろうか
きっと私は昔から
なんでも忘れっぽかったから
そんなこともあるよと
諦めの境地で
慰められるだろう

今日は仕事中に
激しく膝をぶつけた
階段も段差も
足をあげたら膝が痛い
物語はここから始まったはずなのに
もう何も思い出せない

夢だったと言って
悲しくなるから
嘘だよと言って
沈黙よりマシだから
愛しているとは言わないで
なんかあんまり好きじゃないから

絶対ゾーンだったんだって
だってマハラージャン聞いていたもん
思い浮かんだやつ全部消えた
デリートよりも
フリーズよりも怖いやつ
強制終了したわけじゃないけど
脳内データ
吹き飛んだんだ

※退勤途中に途中ゾーンに入っていたらしく、マハラージャンの曲を脳内再生しながら激痛ポエムを次々と生み出していたんですが、気がついたら全部忘れました。
泣きました。
ただそれだけです。先に言えよってはなしだよね。