見出し画像

「幸せ」とは?人生とは?『また同じ夢を見ていた』

「幸せ」とは何か?人生とは何か?
優しく考えるきっかけを与えてくれる本

ーーーーーーーーーきっと、誰にでもやり直したいことがあるーーーーーーーーーーーー

『君膵』で有名な住野よるさんの第二作。
前作が大ヒットしたこともあってハードルも高かったと思いますが、
とても「面白く」一瞬で読み終わってしまいました。

ところで「面白い」って言葉は言葉の意味が広く、
多くの場面で使える万能な言葉の分、意味づけをはっきりさせる必要がありますよね。
具体的に、私が「面白い」と表現したのは
「幸せ」とはなんだろう。
自分は誰かに聞かれたらなんて答えるのか。
それはどうしてか。

主人公の奈ノ花が、「幸せ」とは何か。
国語の宿題で出されたのをきっかけに
手首に傷のある南さん
季節を売る仕事をしているアバズレさん
静かに余生を過ごすおばあちゃん
尻尾の短い「彼女」
席が隣で絵を描くのが好きな桐生くん

と一緒に考えていく姿を見て、自分も作中の人物と同様に
「幸せ」について考えさせられ、また自分の「幸せ」について定義できたからです。

作中の人物はそれぞれ「幸せ」について考え定義しているのですが
特に、奈ノ花が最後に考え抜いた、

「幸せとは、自分が嬉しく感じたり楽しく感じたり、大切な人を大事にしたり、
自分のことを大事にしたり、そういった行動や言葉を、自分の意思で選べることです。」

というのはとても印象的でした。
このセリフには奈ノ花が今まで一緒に考えてきた
人たちの後悔・希望・回顧の念がよく反映されていたからです。

人生とは・・・
のフレーズもとっても素敵でした。
子供が持つ純粋さや機知に富んだ言い回しは大人の私からしても
いつのまにか無くしてしまっていた感情を引き出しから取り出してくれた気がしています。

「人生は、ベッドみたいなものよ。寝るだけならシングルで十分」
と菜ノ花が話していたのは、大人の私と小学生の最初にイメージしている言葉のギャップを
感じることができとても面白かったです。


「幸せ」とは何か?人生とは何か?
普段生きているだけではあまり考えることのない
テーマについて優しく考えるきっかけを与えてくれる本です。

大人の人にこそ読んでほしい。
「やり直したい。」そう思ってしまう前に


最後に、
「人生とは、一局の将棋と同じである。」

「待ったはできないし、、その時をその時を楽しまなくちゃ」


最後まで、お読みいただきありがとうございました。


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?