2019年6月7日(金)

業後、有楽町の三省堂で開催された山田詠美のサイン会に赴いた、私は連れ添いだった、山田詠美の作品については不勉強だが連合いが崇拝していて緊張している様子が伝わってきた、ただサインを貰うだけ、その先の人生の行方を決定するわけでもないのに、ただ人間と会うだけで緊張する、剰え感極まって涙を流す、というほど入れ込んでいる有名人に括られる人間を私は持ち合わせてはいないから少し羨ましかった。会は踊り場が付いた折り返しのある階段をのぼった場所で行われていた、区切りのないオープンスペースだったから整理券を持たない私も光景の一部始終を見ることができた、私は山田の正面ではなく背後に回って、キャベツ大量消費術&文房具ぴあを交互に立ち読みしたり立ち読みをするふりをしたりしながら連合いの様子を見ていた、はじめてのおつかい、みたいな心持ちだった。握手してもらった手はもう洗わない、みたいなことを言っていたが直後に行った居酒屋のお絞りで習慣的にぎゅんぎゅんに拭いていた。

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