2019年3月18日(月)

笹井宏之の【えーえんとくちから】を昨日買ったので今日から読もうと思って朝カバーを掛けて鞄に忍ばせた、すると時間が経って昼休みが来て昼飯を食べ終わって、読むぞー、と思って一ページ目を開いたがすぐ閉じてしまった、内容がいまいちとかではなくて、というかそこまでも辿り着けなくて、短歌集というパッケージ、余白がすごく多くて、何か短歌集を読んでいることが傍から覗かれると一目瞭然でそれがちょっと気恥ずかしいという何の役にも立たない妙な自意識があって読めなかった。一ページあたり多くてふたつ、下手をするとひとつしか載っていなくて、一文字あたりの値段がとても高いというのが短歌集なのだが、別に本を買うときは文字を買っているのではなくてそれを読んでいる時間、そこで沸き起こる感慨を買っているのだから、優れた短歌集というのは、そういう意味ですごく価値のあるものなのではないでしょうか。大小はあれ、また大きい方が無条件でいいわけではないが、とにかく世界の見方を転覆させてくれるという意味において、短歌ほどイケてるものはないと思う。【えーえんとくちから】は、当座のところ「永遠解く力」であるらしいが、「延々と口から」であるようにも思えて、それはどこか【はいからはくち】を思い起こさせて、どちらの読みでも早逝した作者の心持ちを思わずにはいられない。

職制人事が発表された、あまり劇的なものはなかった、私に関係する部分はほぼ無風だった。仕事終わって珍しくスターバックスで書き物をした、隣に座っていた男女が就活イベントで出会いたてほやほやの番いであるらしく、慣れた手つきでLINEを交換していて、本当にあるんだと思って笑った。

#日記 #エッセイ #コラム #小説 #創作

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