2020年5月18日(月)

この自明の理を、こうして机に向かい、詳細なうえに深遠な考察を加えながら写真を眺めるという絶対的無為を押し通すことで先延ばしできると思っていた。
【消去(トーマス・ベルンハルト)】

本の一節を引用することくらいしか出来事が生じない、少なくともこの摩滅した感性をもってして掠め取れるような、減退した記憶力で留められる類いの何某かがまるで起きなかった。「絶対的無為を押し通すことで先延ばし」していて終わってしまった日。あるいは人生も。

#日記  #エッセイ #コラム #小説 #創作

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?